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予想外の展開


〜バルバートside〜


圭太と「雷光」ムサシ・カゲミツが死闘を繰り広げていた時、混戦に乗じて逃げ出したウステム蕃国王子バルバートは、人生最大の窮地を脱した事で安堵していた。


もちろんソラリア王国に捕まれば待っているのは処刑なので、依然として死と隣り合わせの状況に変わらないのだが、それでも目の前に突き付けられていた死の恐怖に比べれば大した事なかった。


そんなバルバートは今、逃げ込んだ物置小屋にて隠れていた。すでに圭太から状況を聞いたエドワードによってライナーを始め、蕃国や帝国の生き残っている人間は捕らえられ、残るはバルバートのみとなった。

いつ捕まるか分からない恐怖により、冷静で居られないバルバートは懐から古びた懐中時計を取り出すと、秒針をじっと見つめる。この懐中時計は子供頃に父親から貰ったもので昔からこうする事でバルバートは冷静さを取り戻すが出来るのだ。まるで、どこぞの神父のようだ。


冷静さを取り戻したバルバートだったが、近づいて来る足音に恐怖し、その恐怖から逃れるために懐中時計に話しかける。


「大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫……」


すると、バルバートの頭の中に飄々とした声が響き渡る。


(んーん!恐怖か〜ら解放されたい〜かい?そ〜れなら〜ば、小生にその身をゆだ〜ねてごら〜んよ!)


明らかに怪しい声だが、今のバルバートには藁にもすがる思いだったのだろう。バルバートは文字通り悪魔の囁きに耳を傾けてしまった。


「ほ、本当に解放されるのか?」


すると声は囁き続ける


(もち〜ろんだ〜よ!小生〜に全〜てを渡し〜て、楽〜になるといいよ〜)


「……ゴクッ!」


そして、バルバートは一度唾を飲み込むと


「分かった。俺の全てくれてやる。だから助けてくれ!」


悪魔の囁きに飲まれた。


(んーん!!それ〜では!その肉体、頂く〜よ!!)


すると、時計から黒いモヤがバルバートの中に入っていく。


「うぐ……なんだ?何かが、入ってくる!……やめ、止めてく……グヘッ!!」


バルバートの肉体は破裂したように膨らむと、次の瞬間、まるで道化師の様な服装をした線の細い男が現れた。


《ん〜ん!!!まさ〜か、こんなに早〜く受肉する事〜が出来るなん〜て、小生も驚き〜だよ!!さて〜と!》


道化師は自分の体を触ると、一瞬にして城の一番天辺へと登り王都を見渡す。


《ん〜ん!!なか〜なかいい景色だ〜ね!それ〜に、人族〜もこんなにたく〜さん、まる〜でミジンコみたいにいる〜ね!!ああ!これ〜が人界!!なん〜て、素晴らしいだ〜ろ!!ん〜ん!でも……この景色が壊れる様はもっと凄いんたろうなぁ〜!!》


道化師は懐から色とりどりのボール取り出すと、そのボールを王都中にばら撒く。


するとボールは地面に落ちた瞬間


ドカッーン!!!


まるで爆弾の様に爆破した!!


「キャー!!」


「大変だ!みんな逃げろー!!」


「火事だー!!」


爆破による二次災害で王都中が混乱の渦に巻き込まれて行く。


そして、この事態を引き起こした当の道化師はと言うと


《ん〜ん!!素晴ら〜しい!!》


逃げ惑う人や助けを求める人を見て感動していた。とんでもないゲス野郎の道化師はさらなる混乱を求めて、今度は城に向かっていくつものボールを投げる。


《そ〜れ!!壊〜れてしま〜いなさ〜い!!》



道化師はボールが爆発するのを待っていると



《・・・・・・・アレ?》


道化師はいつまで経ってもボールが爆発しないことに苛立って行く。


《も〜う、い〜いいや!!ボン!!》


耐えかねた道化師が自分でボールを爆発させる為のキーワードを言う。


《あ〜れ?》


ボールが一つも爆発する事なく沈黙が続く中、苛立ちがピークに達した道化師は下へと降りる。



するとそこには、ネイビーブルーの髪に真紅の瞳が特徴的な男の側に、不発したボールが山積みになっていた。


道化師は不機嫌声で


《そ〜れは、君〜がやったの〜かな?》


と聞く。すると男は


「そうだよ!流石に王城を爆破させる訳には行かないからね!全て回収して壊させて貰ったよ!所で、君は何者だい?」


と言って質問をする。

すると道化師は


《小生〜は「魔伯爵」メフィスト!!君〜の名前〜を聞いとこう〜かな?》


「僕かい?僕はエディアス家当主。『剣聖』エドワード・アル・エディアスだよ!!そうそう、一つ聞いておきたいんだけど20年前、僕の父を殺したのは君かい?それとも君のお仲間かな?知っているなら教えて欲しいんだけど?」


エドワードの問いにメフィストは


《ん〜ん!残念ながら小生は知ら〜ないね!!ま〜あ、仮〜に知っていた〜としても教え〜る訳ない〜よね!!》


と、言って断る。

するとエドワードは笑顔を止めて


「それならしょうがないね。実力行使はあまり好きじゃ無いけど、こっちも時間がないんでね!」


と言って、腰に差した2本の剣を抜いて構えた。

するとメフィストは、どこからかナイフを取り出すと


《ん〜ん!!やれるもん〜ならやってみ〜ろ!!人族風情〜が!!!》


と言いながら、エドワードに向かってナイフを飛ばす。


エドワードは飛んできたナイフを叩き落とすと、メフィストに向かって剣を振るう。


こうして、「剣聖」エドワード・アル・エディアス対「魔伯爵」メフィストとの死闘が始まった。


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