晩餐会前
女神フリージアのいた白い世界から戻ってきた俺が一番初めに感じた事は頭の痛みだった。それも、偏頭痛なんかとは比べ物にならないレベルの痛みだ!
「うぐ、いた、いぎ……」
俺は頭を抱えながら必死で痛みに耐える。何度も床にのた内回りながら耐えていると、エドワードやカーラが心配そうな表情で声をかけてくる。
「大丈夫かケイタ!!しっかりするんだ!」
『ご主人様!ご主人様!ご主人様!』
しばらく耐えていると、徐々に痛みが治まってきた。
「ふぅ。ようやく痛みが治まってきた。心配かけてごめんな二人とも。もう大丈夫だから安心してくれ!」
俺がそう言うとカーラはホットした表情をしながら
『良かったですご主人様!』
と言って、俺に抱きついてきた。
「ちょっ!カーラ!離れなさい!」
『……分かりましたご主人様』
俺が離れなさいと言うと、カーラはやや不貞腐れながら離れる。すると今度はエドワードが
「なぁケイタ。今は大丈夫そうだけどやっぱり今日はもう帰ろうか。それに、念の為に医者に行ったほうがいいんじゃないかい?」
と言って来たので、俺はお言葉に甘えることにした。
「そうだな。エドワードの言う通り、今日はもう帰るとしようか」
こうして俺達はすぐに屋敷に戻り、俺はそのまま剣爵家お抱えの医者に診てもらった後、カーラと一緒に部屋に戻った。
部屋に戻った俺は、今日のお供え物である作り置きしていたサンドイッチとプリンを送ると、これからの作戦を練ることにした。ちなみにカーラはと言うと、夕飯を食べたら即効で眠りについてしまった。
カーラが寝たのを確認した俺は「転移」のスキルを使って、俺が最初に転移させられた森へと向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
転移が無事に成功したのを確認した俺は、まず「千里眼」のスキルを使って自分の周りにモンスターがいないかどうかを確認する。
「取り敢えず問題ないな。それにしても、久しぶりに戻って来たけど相変わらず見渡す限り木、木、木、だなぁ〜って、そんな事より、遅くならないうちに早く済ませるとするか!」
そう言って俺は蒐集図鑑を取り出すと、後ろのページの方を開き
「こい、アザゼル!」
俺が名前を呼ぶと目の前に魔法陣が浮かび上がり、そこから執事服を着た黒髪と三白眼が特徴的なイケメンが片膝をつきながら現れたアザゼルに対して俺は「鑑定」をかける。
名前 アザゼル
種族 半魔神
レベル 75
役職 忠臣 (狂信者)
ステータス
攻撃 9400
防御 8570
魔力 13800
魔防 11000
速さ 9500
スキル
滅闇魔法 闇魔法 誘惑魔法 魔力操作
神闘法 魔闘法 眷属化 眷属支配 変身 催眠 記憶操作 固有結界 鑑定 など
称号
忠臣 相田圭太の従魔 狂信者 執事
魔族殺し 妖精殺し モンスターの殺戮者
超越種 誘惑者 竜殺し 龍殺し など
鑑定結果に俺が唖然していると、アザゼルが首を垂れながら
【至高の御方様。この度はこのゴミ虫めをお呼びくださり誠に恐悦至極に存じます。至高の御方様が忠臣、アザゼルが参上致しました】
「ご苦労様アザゼル。いきなり呼び出して悪いね!ちょっとお前の力を借りたいんだけどいいかな?」
するとアザゼルがいきなり大粒の涙を流しながら大声で叫ぶ。
【おおー!!このようなゴミ虫めを至高の御方様が必要だと仰って下さるなんて……ああ、お任せ下さいませ至高の御方様!!このアザゼルが、どのような命でも必ずや遂行してご覧に入れましょう!!】
(うわ〜、ここまで来ると怖いな…マジで)
アザゼルの狂信者ぶりにドン引きした俺だったが、もとあと言えば俺のせいでこうなってしまったので仕方ないと言う事で諦めて話の続きを始める。
「それで、お前に頼みたい事と言うのはだな……………って感じなんだが大丈夫か?」
俺が説明を終えるとアザゼルは胸に手を置きながら
【もちろんで御座います至高の御方様!この我にお任せくださいませ!ちょうど御方様にご紹介したい、我の配下の者達がおりますで、その者達を使いましょう!】
と言って、アザゼルが手を叩くといきなり目の前にモンスター達が現れる。
『『『『お呼びでしょうかボス!!』』』』
モンスター達は惚れ惚れするような敬礼をしながらまるで軍人のように声を張り上げる。
「うお!いきなりどうしたんだコイツら?」
俺が驚いているとアザゼルが
【この者達は愚かにも我に勝負を挑み敗北した弱者達で御座いました。そこで、勝手ながら我が至高の御方様のご指導を真似させていただき、鍛え上げた所存で御座います。現在では、我が配下としてそれなりに役立つ程度にまで仕上げましたので、どうぞご自由にお使いくださいませ!】
「あっ……そうなんだ。なんか見るからにやばそうな奴らばっかだけど、本当に大丈夫なの?」
【もちろんで御座います!必ずや至高の御方様のお役に立つでしょう!!】
「いやいやいや、そうじゃなくてさぁ……安全性の方の話だよ!もどう見ても血に飢えたモンスターとかいるけど?!つーか、よく見たらキマイラとかレッドドラゴンまでいるんですけど!?」
ちなみに、キマイラはBランクモンスターでレッドドラゴンはAランクのモンスターだ!この二体だけでも一都市と壊滅出来るほどの戦力であるのだが、よく見ると後ろに控えているモンスター達もBランク以上のモンスターばかりだった。
【ご安心ください至高の御方様!此奴らは所詮、我に傷一つ付けることの出来なかった弱者で御座いますので、至高の御方様にとっては路傍の石で御座いましょう!!】
「論点が違う!ってもういいや、これ以上話しても意味無さそうだし取り敢えず使えるならそれで……それじゃあ話の続きだけど……」
そう言って俺はアザゼルと配下達にとある命令を下した。
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その後、俺はアザゼルと二人で軽く夜食を食べ後、「転移」を使って屋敷へと戻った。屋敷に戻った俺は「千里眼」のスキルを使って、国境付近に待機しているヴェルダン帝国とウステム蕃国の軍隊の規模や手練れの有無を確認した後
「ふう。取り敢えずこれで心配事の一つは解消されたな!あとは、肝心の「怨霊箱」がどこにあるのかさえ分かれば良かったんだけど、まぁそれに関しては行き当たりばったり作戦で行くとするか!それに、もしもの時はこれを使えば良いし……」
そう言って俺はベットに寝っ転がりながら
「最悪の場合、神器を使えば何とかなるだろうしね」
と呟くと、眠りについた。




