臣下の進化
食事が終わり、俺は狂信者になったアザゼルに魔族の事を聞く事にした。
と言うより、元々そのためにアザゼルを呼んだのに、反抗的な態度を矯正するのに手間取った挙句、カーラの空腹を満たすために昼食を作っていたらいつの間にか時間が経っていたのですっかり忘れていた。
俺とした事がうっかりしてたぜ! てへ!
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食器を片付けた後、カーラを寝かせた俺はアザゼルに対して
「それじゃあアザゼル。魔族に関してお前の知っている事を全部話してくれ」
と言う。するとアザゼルは
【至高の御方様のが命令とあらばなんなりとお話いたします。しかしながら、全てと申しますと長くなってしまいますが宜しいでしょうか?】
「ああ構わないが、そうだな……とりあえず魔族の中でもお前と互角か、それ以上の奴について話してくれ」
【畏まりました。まずは、我ら魔族の爵位についてですが、魔族にはそれぞれ、男爵級、子爵級、伯爵級、侯爵級、公爵級とあり、伯爵級より上の爵位の者は高位魔族と呼ばれ、それ以外を下位魔族と呼ばれております。
そして高位魔族には上限が決まっておりまして、爵位持ちの魔族の中から強い順に8名の魔族が選ばれ、下位魔族の者が高位魔族になる為には、高位魔族の者が死ぬか、決闘によりその席を奪うのみとなっておりますが、ここ1000年程入れ替わりは起こっておりませんでしたので、現在の魔界は大変な事になっていると思われます。
そして、次に我ら魔族の頂点に君臨する魔王に関してお話し致すとしましょう。現在魔界において魔王は全部は6人おりまして、それぞれが『強欲』『怠惰』『嫉妬』『傲慢』『憤怒』『色欲』と呼ばれております。ですが、魔王に関しましては我ら高位魔族とて簡単にはお会いする機会が無く、情報がほとんど無いことをお許し下さいませ!!】
そう言って土下座をするアザゼルに俺は慌てて
「いやいやいや、全然役に立ってるから安心してくれ!それに俺が知りたい事は多分、魔王に関係無いと思うから安心してくれ!」
俺がそう言うと、アザゼルは顔を上げながら
【それでは御方様は一体、どの様な事を知りたいのしょうか?】
「ああ、お前の知る中で呪い系統が得意で20年ほど前に受肉しようとした魔族は知らないか?」
俺が出した手がかりから、アザゼルはしばらく考えた後
【おそらくそれは、我と同じ高位魔族の1柱『魔侯爵』のサマエルで間違い無いと思われます。サマエルは呪術や呪言と言った呪いを得意としておりますし、以前受肉に失敗したと言っておりましたので間違い無いかと】
「そうか、ありがとうアザゼル。お陰で助かっよ」
俺が感謝の言葉を伝えると、アザゼルは泣きながら
【おおーー!!まさか、我の様なゴミ虫が至高の御方様からお褒めのお言葉をいただけるなんて、これまで生きてきた中でこれ程の幸福はありますまいて!!あーー!!】
と、大声で叫びながら泣き続けるアザゼルに対して俺はとある質問をする。
「所でアザゼル。そのサマエルとか言う魔族をこっちに呼び出す事は出来るのか?」
するとアザゼルは少し考え込んでから
【方法が無い訳ではございませんが、大変難しいかとぞんじます】
「それでも構わない。その方法を教えてくれ」
【畏まりました。その方法とは、まずサマエルに繋がる“呪具”を見つけ、それを使って呼び出す方法でございます。この方法が最も簡単でございますが、『魔侯爵』級を呼び出す呪具となると探し出すのに骨が折れるかと】
「他には、無いのか?」
【他の方法となりますと、あとはサマエルと関わりのある物などからサマエルを呼び出す方法でしょうか。ですが、この方法にはサマエル本人がかけた呪具や呪いなどと言ったサマエルとなんらかの繋がりが必要となってしまいますが】
「それだ!!」
俺は思わず声を上げてしまった。
するとアザゼルは、訳の分からない表情をしながら
【な、何がでしょうか?】
「その方法だアザゼル!その方法を使えばサマエルを呼び出す事ができるぞ!」
【それはおめでとうございます。ですが御方様。いくら御方様でありましても、サマエルは我よりも上の『魔侯爵』でありますがゆえ、簡単に倒せるかどうか……】
「安心してくれアザゼル。別に俺がサマエルと戦うわけじゃないし、それに俺はお前を倒すのに大して苦労していなかっただろ?」
俺がそう言うと、アザゼルは腑に落ちた表情をしながら
【やはり、あの時受肉した我を倒したのは御方様だったのですね。それならば、何も問題ないかと思います】
「ああ、言わなくて悪かったな。別に隠していたつもりは無かったんだが、言い出すタイミングが無くてな」
【いえ、気にしてはおりません。むしろ至高の御方様に倒されたと知り、我は安堵しているのでございます】
「?。どうゆう事だ?」
【至高の御方様の従魔である我が、そこいらの有象無象にやられたとあっては御方様の名に傷がつく恐れがあるかも知れまいと思っておりましたが、御方様に倒されたのであれば寧ろ誉れでございます!】
そう言って、アザゼルは俺の前に片膝をつきながら
【我は御方様に永遠の忠誠を誓いましょう。この身、この魂は至高の御方様の物、どうぞ存分にお使い下さいませ】
と、アザゼルはいきなり永遠の忠誠とかを誓ってきたので、俺はアザゼルに対して
「分かった。お前の忠誠を受け取ろう。これからお前は俺の忠臣だ!」
と言う。するとアザゼルの体が光だしていき、やがて姿が変わっていった。
「あれ?これってカーラの時と一緒じゃね?」
俺が心配していると、やがて光がおさまっていき、姿が変わったアザゼルが現れた。




