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物語の始まる前の話 愛菜


「紅との距離を縮めたいね〜、俺から見ても確かに最近距離が離れた感じはするけどそれって愛菜のせいじゃないか?

紅の方はいつも通りだけど愛菜の方が紅の方見たら顔赤くして話しを途中で中断させてるからだろ。せっかく俺が間に入ってもダメだしこれ以上は無理だろ今のお前じゃ。」


「そんなの分かってますよ〜。でも、紅君モテるから早くしないと他の女に取られちゃいます!」


 私は幼馴染みでよく紅君のことについて相談する蒼太に今日も今日とて恋愛相談をしています。


この関係が始まったのはいつ頃だったかな?多分蒼太がこっちに引越してきて私達の幼馴染みになって数年経った時には既にこうなっていた。

きっかけは、私が小学生の高学年の時バレンタインのチョコを初めて自分で作っていたのを蒼太に見られたからだった。

蒼太はしつこく私の好きな人を聞いてきて、渋々これは紅君の分を作っているのだと白状した。


当時から蒼太は恋愛物のライトノベルを読んでいたので、この事を知って


「俺がお前達を必ずくっつけてみせる!」 


彼は喜んで私の恋を応援してくれた。最近になって知ったのは彼が恋愛相談役になるキャラクターはモテるというジンクスがあるという何とも子供染みた理由で私を応援していたらしい。

確かに、私の恋愛相談に乗るようになってからは彼はモテ出した。中学生の頃なんか学校の大半の女子から好意を寄せられていた。でも、蒼太元の顔が良いからそうなっているだけなのだが、彼は現在も私の恋愛相談役になったことでモテてていると信じ切っている。そのおかげで今も全く進展していない私の相談にいつも乗ってくれている。

ちなみに蒼太は彼女が既にいるのだが、周りに伏せている。理由は、


「こうしておいたら紅を狙う奴も少しは減るだろう?」


蒼太が囮になることで、紅君を狙う女子を減らすためだ。

だが、最近彼女の鈴ちゃんから


「早く愛ちにはくっついてもらわないと〜私達みんなの前でイチャイチャ出来ないから頑張ってね!」


と催促されているので、もう長くは黙ってくれないだろう。それまでに私は紅君と付き合うお方ができなければ、今よりも彼女になる事は困難になってしまう。


ハァ、保育園の時から紅君のことが好きなのに未だに告白すら出来ない自分に嫌気が差します。


「…何か良いきっかけが無いですかね?」


「きっかけなんて幾らでもあるだろう?今日の朝とかお前紅の部屋に入って起こしに行ってただろ。そこで何か普段とは違うところを見せたりしないから、何も起きないんだぞ。」


「だって、紅君の寝顔が可愛い過ぎて頭が空っぽになっちゃうんだから仕方ないじゃ無いですか!あの顔は世界遺産登録間違いなしなんですから!」


「ハイハイ、そうですねー。っとそういえばネットでこんなのが流行ってるんだけど、どう思うよ?」


蒼太は私の熱意の篭った話を軽く聞き流しながらスマホを操作して、ある単語を私に見せてきた。


「『幼馴染みと絶縁ブームがネット小説で大流行!』って何なんですかこれは!?」


「簡単にこれを説明するとだな。ツンデレな幼馴染み女子の誹謗中傷や暴力に耐えられなくなったから、絶交を宣言したらモテるという流れが流行っているんだ。ネットの小説サイトで。」


「でも、私にはそんなの関係ないじゃ無いですか?何で見せてきたんです。」


「いやな、これ紅がよく見てるネット小説サイトでな。

あれが気に入らないってこないだぼやいてたから、お前のことは異性として見てるんじゃないかって思い出したから見せただけ、特に意味はないけど。」


私が持っていたスマホをヒョイと抜き取り、また適当にスマホをいじり始めた。


ていうか最近よく思うんですけど人の話を聞いたら時に普通スマホいじりますかね?こっちは毎回真剣に相談しているんですよ!何回も付き合わされて面倒くさいのは分かってるんですけど、小学生の頃と同じとは要求しませんがもう少しだけやる気出してくれませんかね?


それに何が幼馴染みと絶縁するのが流行っているんですか!

私は紅君や蒼太ともいつも仲良くやっています。今日だって朝は他愛無い、世間話に華を咲かせたりしていました。

私と紅君が絶交するなんてあり得ません!…


ん?これってもしや良いきっかけになるのでは?だって蒼太が私の相談に乗っていたのは、モテるため彼女がいる今彼が恋愛相談に乗る意味は殆どありません。だから嘘でも絶縁宣言をして、私との交流を経っても問題はない何より鈴ちゃんとも堂々と蒼太はイチャイチャできるようになるからWIN-WINな関係なのでは?


これです!そうと決まったなら、紅君がいつも寝ている屋上に先回りして、蒼太に絶縁宣言をしてもらって私は傷心の幼馴染みを演じれば紅君が私を慰めよう色々しようとしてくれるはずです!私はそれに甘えて紅君との距離をグッと縮めます。これは紅君の良心につけ込んだ悪い作戦かもしれませんだけど周りにいる女の子に取られないようにするためにはこうするしか無いんです!そうと決まれば蒼太に相談です。


「蒼太!私と明日絶交して下さい!」


「おし、分かった落ち着け。何で、急にその結論に至ったのか丁寧にゆっくりと俺に教えてもらおうか?」


私が急に絶交しようと言ったことに最初は焦っていたが、

私の説明を聞いてくうちに


「確かにそれなら俺が、愛菜のことを異性として見ていないと分かるから意外と良いんじゃ無いか?あいつ俺が愛菜のこと好きだと思ってる可能性が有るし。」


と納得してくれました。なのでこの作戦は決行です!


さぁ紅君、覚悟して下さい?沢山甘えて絶対に私のことを意識さしてあげるんですからね!








「あっ、でもそれすると俺紅の家で漫画とかラノベ読めなくなるかも。」


「それくらい我慢して下さい!」
















女の子の描写って難しい。

だって男だからね仕方ないよね!


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― 新着の感想 ―
[一言] 蒼太くん、良い人すぎん?
[一言] やはり仕組まれた幼馴染ざまぁだったか(笑)
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