二度目の幼馴染みとの帰り道
「欲しいものを..買うのに..他の人にバレたくない…から..。その格好だったの..。?」
「はい、そうなんです。紅と一緒に帰ってから今日が発売日なの気づいて家に帰ってしばらくして出て買った帰りに、ナンパされちゃいました。これでも結構地味な見た目にしたんですけどね〜。」
「確かに..見た目は変わったけど..元々が良いから..。何の格好しても..愛菜は似合うから...ナンパされるのも..
無理ないよ..。」
愛菜はかなり地味な学校にしたつもりだが、全く地味になっていない。いつもの格好は清楚の中に可愛らしさが混ざっているような感じを受けるが、髪をおさげの状態にしてはいるが結んでいないのでいつもより清楚な感じが強くなり縁の細いメガネをかけているので、完璧な読書が好きそうな美人さんになっていた。
遠目では愛菜とは分からないので、変装としては正解だけど地味を目指してしているのならこれは不正解だよ。これはこれで人の目を引いてしまう格好だ。
つい僕が口を滑らせてしまう程度には似合っている。
「えっ!それって..。」
「.!って..昔蒼太が言ってたんだ..。」
「そ、そっか。そうですよね紅はこれくらいじゃビクともしませんよね..。」
愛菜が急に何かブツブツ言いだしたので、何とか誤魔化せたけど内心はハラハラしていた。
(危ない、いつもは絶対に口を滑らせないのに何故か今日は口が滑ってしまった。蒼太が、もう愛菜の彼氏になることがないと分かって少し気が緩んでいるのかも、しっかり気を引き締めないと!)
ブンブンと軽く頭を振り、少しだけ頬が赤くなった顔をいつもの無感情フェイスに僕は戻した。
「とりあえず…今日は帰ろう..。僕が送ってくからさ..。」
「えっ!それは良いですよ。だって服装的に今から何か運動しに行くんでしょう?それを、中止させてまで送ってもらうのは悪いですから。」
「いや..もう終わったよ..今は帰り道だから..大丈夫。
気にしないで..。」
「本当に?私に会う前から運動してたですか?」
「そんなに気になるなら..匂ってみなよ..?汗のの匂い..するから..。」
僕はこのままだと愛菜は家に送るのは無理そうなのでさっきまで運動をしていた証拠を、確かめるように言った。
僕は基本汗をかかないが、長時間運動すれば流石に少しはかいているので匂い位はするだろう。
「しなかったら、私一人で帰りますからね?」
愛菜は確かめるために僕に近づいて、スンスンと僕の胸の辺りを掴んで匂いを確かめていた。
だが、数分経っても愛菜が離れないどうしたんだろうか?
と思い下を向くと何故か愛菜は眠そうにとろ〜ん瞼が落ちそうになっていた。
頭も軽くふらふらしている。
「愛菜..気が抜けたのも..分かるけど..家に帰ろ?..流石にここで眠るのは..」
「ん〜じゃあ、おんぶしてください?私ここから一歩も歩きたくありません。」
「歩いてすぐ..家があるんだし..頑張ろ?」
「嫌ですー、歩きたくない、おんぶ、おんぶして!しれくれなきゃ私ここから一生動きません。」
と駄々っ子の様に愛菜は我儘を言い始めた。愛菜は眠くなると若干幼児退行するのは知っていたけどこれは中々重症だ。
蒼太みたいに叩いたり、大声を出してりして起こすことは僕には出来ない。
大声を出すのは昔から苦手だし、結局出せてもぷつり、ぷつりとなってしまうので意味がない。手を出せないのは単純に僕が愛菜に惚れた弱みだ。触るのを躊躇ってしまい手が出せないのだ。
ていうか、よしんば僕が叩けたとして愛菜がその衝撃で眠気が飛ぶだろうか?嫌、起きないだろう。
だって僕が手を叩いても遠慮して、出来てもポンッと頭に手を一瞬置くのが関の山だ。そんなのでは起こすことはできない。
僕は溜息を吐いて、愛菜に背を向けて屈んだ。
「ほら..我儘お嬢様..。」
「やったー!紅君におんぶしてもらえるます。嬉しい!」
僕が了承した瞬間、勢いよく愛菜は僕の背中に飛び乗った。
そうなれば愛菜の豊満な胸が押しつけられ、下の方が少しだけ反応してしまう。
静まれ、僕の息子よ。いくら君の主砲が臨戦態勢時25超えの最強でもこんな、場面ではダメだ。それを準備してはいけない。デカすぎて絶対バレるから。クソっ治れ。家に帰ったら可愛がってやるから。
と一人煩悩と戦いながら僕は立ち上がり、息子を何とか止めつつ歩き出すのだった。
「えへへ!紅くんの匂いがします〜。お日様みたいで落ち着きますね。」
愛菜がそう言いながらスリスリと背中に頬を擦りつけて追い討ちをかけて来た。
やめろ!そんな可愛い反応をされると理性が溶ける。まだか!愛菜の家は?このままでは本当に色々な意味で死ぬ。社会的にも人間的にも。
と歩き出してすぐで、既に死にそうになっている僕はこのまま無事に帰れるのだろかと不安になりつつ愛菜の家に向かうのだった。
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