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傷心の幼馴染みとの帰り道。


「もうー!会計くらい割り勘でいいじゃないですか、私達幼馴染みなんですし。」


「ここで、僕が..全部払わないのは..男として問題..。だから気にしなくていい..。」


僕達が料理を食べ終え、会計をすまして店を出た。愛菜は店を出てすぐに何故全員僕が払ったのかと聞いてきた。流石に自分から店に行こうと言った上に、傷心の女の子にお金を支払わせるほど僕は落ちぶれていない。てか、男は女の子の前で格好を付けたいのだ、それくらいは幼馴染みなんだから理解して欲しい。


「ほら..急いで帰らないと..夕食に間に合わないよ..。」


「ああっ!もう、そうやっていつも面倒くさくなると露骨に話題を変えようとしますね!ほらこれ受け取って下さい?」


「別にいいって..。」


先程の会計の半分の小銭を愛菜が僕の手に無理矢理入れようと手を握ってきた。僕は久しぶりに触れた彼女の肌に否応もなく反応してしまう。頬が少し熱いさすがにこの程度ならバレないと思うけどこれ以上繋いでいたらバレてしまうだろう。お金が手の中に入っている手前、無理矢理振り解くこともできないし男のプライド的にはお金を受け取りたくない。という離れたいという欲求と離してはいけないという理性がぶつかり合って愛菜とはずっと手を繋いだままになった。


「私、紅がこのお金受け取るまで手を離しませんからね!?」


「なら..このまま帰ろう..。僕は絶対に..受け取らないから..。」


「えぇーーー!それはちょっと困るんですけど〜。」


「嫌なら..お金は愛菜が持ってなよ..。」


「これ以上手繋いだら幸せ過ぎて、絶対に頬が緩んじゃうじゃないですか..。でも、せっかくのチャンスだしこのまま..。」


「ん.何か言った..?」


「な、何でもないですよ!分かりました!ならこのまま一緒に帰りましょうか。」


愛菜がブツブツと何か言っていたのは聞こえなかったが、急に開き直ったのかこのまま帰ろうと言ってきた。 クソッ、こんなのは想定外だ!僕の予定通りなら愛菜が恥ずかしがって手を離す予定だったのに!手を繋いで帰るなんてカップルがすることだ僕達はカップルじゃない、幼馴染みだ。昔はよく手を繋いで何処かへ行っていたが、、、

そうか!昔はよくしていたんだし、何を今更恥ずかしがる必要がある。高校生になっても出来ないどおりはないなら、これは別に恥ずかしがる必要なんてない。よし!ならこのまま帰ろう。と頭の中は既にパニック状態になって正常な思考をしていないが身体の方は何とか家に帰るという脳の命令をきちんと聞いており、無意識のまま僕は家の方へ向かった。





僕は赤く染まった頬を隠すために顔を愛菜に見せないようにしながら、暫く歩いていた。


「ねぇ、何でこっち向かないんですか。もしかして、照れちゃってますか?」


「別に..そういうわけじゃないよ..。昔はよくこうしてたなって..感傷に浸ってただけ..。」


何とか平静を取り戻した僕は、愛菜がからかってきたのをいつも通り流せた。正直今ほど自分の性格がマイペースで良かったと思うことはない。こうして、多少適当なことを言っても大丈夫なのだから。


「確かにそうですね〜、手を繋いだのなんて小学生の時以来じゃないですか?」


「そうだね..それ以降は蒼太がいつも..いたし、こうやって二人で繋いだのは..ほんとにね。あっ..!ごめん。蒼太の話しちゃって..。」


「ううん、別にいいですよ。さっきに比べたらだいぶ落ち着いてるから気にしないで下さい。」


と言いながら愛菜は僕の方に綺麗な笑顔を浮かべてきた。確かに屋上で見たとき比べたらかなり良くなっているけど、彼女の性格的にはまだ無理をしていると思うから蒼太の話題は極力出さないようにしよう。それにしても笑顔の愛菜はいつもの数千倍可愛い。やはり学校でファンクラブがあるレベルの美少女なだけはある。そう今まで彼女の容姿はモテるくらいとしか言っていなかったけど、彼女は絶世の美少女だ。


髪は黒髪でパーマが少しかかったロングヘアーで、顔は女神と見間違うような端正な顔立ちに天使のような愛嬌が同居したまさに美の神に愛されたと言っても過言でもないレベルだ。しかも、口元に一つホクロがあるおかげで妖艶な感じも加味されている。(多分僕がエロいなって思ってらだけだから他の人が実際はそう感じるかは分からない。)

スタイルも胸がメロン級いやそれ以上あるのではないかと思わされるかのような豊乳のくせに腰は抱きしめてしまえば、折れてしまいそうな程細い。脚もそれにならいスラっとしている。まぁ僕の少ない語彙力では言い表しきれない程彼女は綺麗だ。

それに花が咲いたかのような笑顔が乗れば男は皆ノックアウト、ファンクラブができるのも無理はない。

幼馴染みの僕といえども手を繋いだ状態だと例外ではない。先程収まったバクバクと鳴っていた鼓動はその笑顔によって再開された。


「でも明日からどうしましょうか、蒼太と紅と一緒に朝一緒に登校するわけにはいかないですし明日から一人で行かないと行けませんね。」


「僕も..蒼太とは何か顔合わせたくないから..明日は二人で行かない..?」


「そうしてくれたら私としては助かりますけどいいんですか?蒼太のこと。」


「うん..。これを機に少し距離を測り直したいんだ..。色々と..。」


「そうですか。じゃあ、明日からよろしくお願いします紅。」


「よろしく..。」


会話が終わった丁度よくタイミングで愛菜の家の前に来た。僕は愛菜との手を離すのを少し名残惜しい気持ちになりつつ離した。


チャリン、チャリン


「「あっ!?」」


手の中に入っていた小銭が落ちてしまい、僕らはそれを慌てて拾った。


「じゃあ、また明日です。」


「また明日..。」


お金を拾い終わった後、すぐに愛菜は庭の門を開けて手をひらひらと振って家の中に入っていった。

僕も急に彼女が家に入っていったのは驚いたが手を振り返してドアが閉まるのを見届けた。


「あっ..なるほどね。これは一本取られたな..。」


先程拾った小銭は全て僕の手の中に入っていた。彼女がすぐに家に入ったのは僕にお金をきちんと渡すためだったのだ。

なかなかやってくれたなと思いつつ微苦笑を浮かべながら小銭の入った手を握りしめて僕は帰路に着くのだった。

やけにその小銭が熱かったのは僕の手せいなのだろうか?そうだったら恥ずかしいな。もしかしたら愛菜のせい..なんてあるわけないか。

















何か最後いい感じにしたかったけど上手くいかねえ!

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