傷心?幼馴染みと放課後デートに行くまで
「紅さっき、昼食を緑川さんと2人で食べたって聞いたけどマジんこ?」
「マジんこ…」
「そうかーマジんこかー、そうだよなお前が幾ら幼馴染と言えど女子と食べるなんてあるはずないよな。」
「マジんこだって…何…現実逃避してんの…」
「あの紅がまさか本当に!?」
「マジんこ…」
「お前それ気にいってるだろ!それじゃあまともに会話できんわ」
「マジんこ?…語呂が良くてさ…ついね」
お昼休みが終わるギリギリに教室に戻ると、雄紫がどこから聞きつけたのか僕が愛菜とご飯を食べていたことを聞きつけたのか、そのことをネタに絡んできた。
雄紫が何故驚いているかというと、このやりとりで分かるとおり僕は、女子と一緒にご飯を食べるということは避けていた。
何故かって、そりゃ僕が完全無欠のパーフェクトヒューマンだからね。一回してしまったら他の女子もしてくれとせがんでくるからさ。ってのは半分冗談で、もう半分は本当なんだけどさ。
僕はこう言ってはなんだが容姿がいいモデルをしている母の優秀な遺伝子を受け継いだ僕は、小麦色の髪をした黒目の中性的なイケメンなのだ。さらにプロサッカー選手だった父の優秀な運動神経をも受け継いだいい所どりの人間がこの僕である。モテないはずがないのだ。
そのため女子から、一年の時は毎日告白されたりラブレターをもらったりと中々大変だった。僕は当然どんな美少女が来ようとも愛菜が好きだったので、遊び、食事の誘いも告白も全部断っていた。そのため、僕が女の子とご飯を食べるというのは中々に珍しいのだ。
後、他の人を断っていたのはほとんどの人が面識がないから単純に何喋っていいのか分からないってのもある。多分ほとんど話したことがない人と話しをするとなれば
「天気が…良いですね…」
「…ご趣味はなにを?」
とか、しか言えないので断って正解だと思う。そのまま気まずい雰囲気になるのは容易に想像できる。
「ってことは、まさかお前!」
「雄紫が…考えてる通りだよ…」
「はぁーお前大変競走率の高いところ行くな〜。しかもお前のもう1人のイケメン幼馴染もいるはずだろ?緑川さんはお前でも行けるかどうか分かんねぇのにそんな奴いたら尚更ヤベェぞ」
「そこは…大丈夫…気にしなくても」
「そうなのか?あの二人かなり仲が良かったって聞いたから、てっきりそいつも狙ってるのかと思ってたんだけど違ったのか」
「そこは…幼馴染みのみぞ…知るところだよ」
愛菜に蒼太が絶交宣言をしたのを知ってるのは僕だけだから当たり前なんだけどね。
ガララッとドアが開き五時間目の担任、バーコード先生がやってきたので雄紫は自分の席に戻っていった。
ただその時、グッと親指を立てながらニヤニヤしていてうざかったため、僕の中であいつは放課後ボコボコにすることが決定した。
そして毎度のことながら思う、バーコード先生無駄な抵抗はよそうその髪型を見ると虚しくなるだけだから早くスキンヘッドにして下さい。と
「まだ、俺の毛根は死んでねぇよ!」
とバーコード先生が何故か急に大声を出した。あれ、口に出てたかな。それともあれだろうかあまりにも生徒の視線が集まって気づいたのだろうか。
とりあえず言えるのは今日のバーコード先生は機嫌が悪そうだということだけ、面倒くさいなぁと思いつつ僕は教科書を開くのだった。
不機嫌なバーコード先生の授業とLHRが終わり、愛菜と放課後デートに行く時間がやって来た。
僕はまた、雄紫達に何か言われるのが嫌なので荷物を纏めると足早に校門前に向かった。その間に女子から何回か声が掛けられたけど、用事があると言ってなんとか切り抜けた。
そんなわけで少し疲労をしている僕は、校門に背を預けて体を休ませながら愛菜を待っていた。
数分後、僕がうつらうつらと船を漕ぎ始めたタイミングで愛菜がやってきた。
「すいません、お待たせしました」
「ううん…僕も今来たとこだから…気にしないで」
そう言うと少しだけ頬を赤く染めて
「ありがとうございます」
と可愛いく言われた僕は眠気が遥か彼方に飛んでいき、その代わり心臓の鼓動は急激に早くなっていた。
ヤバイ、これ昨日と違って意識しちゃってるから破壊力がいつもより高いぞ。僕の身はこの後のデートまで持つだろうか今からそれが不安でしょうがない。
今回は短いですね。
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