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万年筆のひとりごと
万年筆なんて古くさいって思ってる？
けっこう言われるのよね。
インクの補充が必要なんて面倒くさいとか（そんなのシャーペンもボールペンも同じよ）
ペン先がすぐにダメになるとか（書くときに力を入れすぎなの）
そもそもかっこ悪いとか（もう美的センスがなさすぎてオハナシにならないわ）
でも私のセンセイはちがうわ。
いつも和服で腕組みして原稿用紙の前で頭をひねってるの。
私みたいな三十年前の万年筆でも大切にしていてくれるの。
センセイは絶対に私を傷つけるようなことはしない。
センセイは絶対に私を無駄遣いしない。
だから私はセンセイのそばにいつまでもいられるの。
愛しいセンセイ。
いつまでも私を大切にしてね。
そして。
いいかげん、原稿用紙に最初の一文字を書き込んで、私を使ってよね。
