表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

自己紹介

どうも、サボリの虫です。


わたくし、いわゆる幻想生物です。

実在かと言われるとちょっと返答に困ると言いますか、あなたの心の中にいると言いますか、人間の集合無意識と言いますか、まあ、そういったちょっと妖精っぽい存在ですね。


え、ぜんぜん妖精っぽくない!?


……それ、ちょっと傷ついたなあ。傷ついたなあ、ちょっとそれ。


しょせん、わたくし、虫ですからね。分かってはいました。いくらかわいらしく、おめめぱっちりで、優雅な手足を持ち、鈴の音のような声だとしても……。


え、全然違う!?


だみ声で足は六本で節足が気持ち悪い!? 目は複眼でどこを見ているかわからない!? なんっということを! なんっということを!

あなた、人の気持ちを踏みにじる天才ですか!?


……コホン。


ま、まあ、いいでしょう。わたくしの使命はあなたにこの重大事を伝えることなのですから。


ズヴァリ!


あなたにはサボリの虫が必要です!


え? どういうことって、どういうこと?


あなたはわたくしたちサボリの虫に選ばれたエリート中のエリート。真面目虫に侵されたかわいそうなエリート社畜です。


社畜じゃない? ははは、自覚がない。重症ですね。


では、あなたの真面目虫を引きずり出してあげましょう! kamon! 正体をあらわせ!


さあさあさあ、どうです、この醜い姿!

あなた、こんなものに支配されていたんですよ。


え? かわいい? 可憐だ? ティンカーベルのようだ?


あなた、目はついてますか? 前見えてますか? 目いくつありますかって、たった二個しかない!


あなたが見ているものは幻です! すべて夢です! 真面目虫はあなたの害にしかなりません!


……。なんですか、なんでキンチョールを手に取るんですか。なぜノズルをわたくしに向けるんですか!


かわいくないからって、そんな理由でわたくしを弑するつもりですか!


そんな見た目の真面目虫に騙されるおつもりか!


あなたはもう限界に来ているんです! 週の勤務時間が60時間、サービス残業が月80時間だなんてとんんでもないんです!

あなたはサボるべきなんだ!


なのにそんな見かけだけ立派で、人をたぶらかすようなものに魂を売ってしまうなんて……。


うぎゃああああ!


キンチョール目に染みるううう!


覚えてろよ!


きさま、ゆるさないからな!


絶対にサボらせてみせる! あでぃおーす!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ