The MoneyGameOver ~他人の金で博打三昧!!~
「株式市場とはいったいなんぞ?」
というシンプルな疑問にシンプルな答えを出すことができませんでした。
もちろん、システムが複雑で、ひと言で語りきれるものではありません。
けれど、世の中の人々はシンプルな解説じゃなきゃヤダと文句を言う。
この野郎……。
今後、株式市場を取り扱うシーンが現れたときコレでは困ります。
だから、ここしばらくは株式や仮想通貨についてずっと調べていたんです。
その答えは、
「他人の金で博打三昧」
というシンプルな回答におさまりました。
証券会社のセールスマンは、
あれこれと難しい言葉をつかって金融商品を勧めますが、
「儲かるというなら自分の金でやればいい」
これがもっともシンプルな回答ですよね。
彼らの言い分を要約するとこうなります。
「お金はアナタが出してください。責任はアナタが背負ってください。儲けが出た場合には4割をアナタに差し上げます。6割は手数料としていただきます」
こんな儲け話に跳びつく馬鹿は居るのだろうか?
居るのですよ。馬鹿ではないから。
彼ら自身はリスクを背負ってはいないものの、儲けがなければ得もしない。
彼らだって、腹も減れば雨露しのぐ屋根も必要な人間です。
だから、お給料のために儲けようと頑張ります。
人件費、労力、時間を無駄にはしたくないから、儲けようと頑張ります。
あぁ、これで安心だ。
証券マンの彼らは僕達に代わってお金儲けをしてくれているんだ!!
……どうやって?
ある特定銘柄の株式について述べるには資格が必要なんです。
その資格無しに語ると無資格弁舌でピーポくんが飛んできますから、
地雷を踏まないように注意して話をすすめますね。
株式で儲ける手段、そのもっとも古典的手段は配当金です。
年度、あるいは半期ごとに企業売り上げの一部を手にすることが可能です。
でも、みんなが聞きたいのは、そんな平和な話でないと髙田の人は知ってます。
みんなが知りたいこと、それはマネーゲームの実態。
株式を安く買って、株式を高く売る。
とても簡単なルールのゲームです。
ゲームと言うからにはプレイヤーが最低でも二人は必要です。
売るがわに一人と買うがわに一人。この役割はコロコロと変わります。
彼らのしているゲーム、それは、限界予測ゲームです。
ある株式銘柄がゲームのテーブルになります。
彼らは、
「レイズ」
と唱えて死者蘇生を……いえ、チップを場にbetしてトークンを得ます。
テーブルの面積あたりのチップの重さ、これが株価です。
「コール! さらに倍プッシュや!!」
相手のプレイヤーも強気に攻めてトークンを得ます。
「くっくっく、はねっかえりの小僧が調子にのりおって……Wアップじゃ!!」
こうして場にはチップの山が出来上がります。株価爆上げ。
そして、
「トークンを消費して場のチップを払い戻しや!!」
誰かがこう言ったとき、株価は下落を始めます。
「馬鹿なぁぁぁぁぁぁ!! このタイミングで払い戻しじゃとぉぉぉぉ!?」
こうして今日も中央線が賑やかです。
プレイヤー数が二人なら簡単なゲームなのですが、
プレイヤー数が何百万人ともなれば限界予測も難しくなります。
そのぶん大儲けも少なくなれば、大損も少なくなります。
血に飢えた中央線が寂しい顔をしてます。
本当にザックリとした説明ですが、本当にこうなんです。
上のゲームに登場しなかった静かなプレイヤーが2名います。
ひとりは、配当金目的に投資する、古典的プレイヤー。
もうひとりは、株式銘柄の会社に勤める社員さんです。
一部上場の大企業、そこに勤める社員さんは否応なしにゲームに参加させられます。自分の労働の一部が給料として支払われ、自分の労働の一部が企業価値という名のチップとしてテーブルに盛られます。
ですが、彼らはトークンを与えられませんので魔法カード「払い戻し」の発動はできません。給料で自社株を買えと言われるだけです。
そして、うっかりするとインサイダー取引の嫌疑がかかります。
どうしろと?
こうして、売り、買い、配当、社畜の役割が割り振られ、
今日も元気に株式市場は上下運動をしているというわけです。
証券マンくんは、
こうして日々、みんなに代わって博打を打っているわけですが、
ときおり不真面目な証券マンくん、悪券マンくんが発生します。
顧客Aさんと顧客Bさんに同じ銘柄の株式を買わせます。
まずAさんが先に買い、得た株式をBさんに売らせます。100円増しで。
「Aさ~ん!! 100円儲かりました~!! はい、40円! 僕、60円!」
「Bさん……すまない、頑張ったんだが株式にはこういうこともあるんだ……! どうか、息子さんの大学進学は諦めてくれっ!! 本当に、すまない!!」
証券マンくん、大儲けの巻。
何度となく法律で取り締まられてきましたが、何度となく破られてきました。
最近では複合ファンドや専門用語を並べ立てた複雑な金融商品もありますが、
ゲームのルール自身はなにも変わりません。
近年ではHFTというミリ秒単位で行動するスパコンまでもがプレイヤーに加わりました。
IBM社のスーパーコンピュータ、ディープブルーがチェスのグランドマスターに勝利したのが1997年。チェスよりも簡単なルールである株式市場の短期取引で人間が勝利できる日はもう来ないことでしょう。
ゲームの相手、インテルがマジで入ってるからね?
逆行転生で持ち込んだノートPCが、まさか金融世界の覇王を生みだすとはな。
底辺プログラマーだった俺が、世界覇王になるなんて!? ~ビル・ゲイツを超えた俺はSSRアイドルを48人ものにする!!~ こうご期待、しない。
書くならノクターンだな。
札束でビンタして、
「Oh!! エレクチオン!!」
とか小池一夫風味に言わせるんだ。藤子テレビの社長になってな。
調べたのは株式市場だけではなく、仮想通貨についても調べました。
結論。マジもんの限界予測レース。
プレイヤーの役割が、売りと買いしかない。
為替取引のマネーゲームとはそういうものなのですが、
実需要という第三のプレイヤーが背景にあってこそのマネーゲームです。
でも、仮想通貨には実需要が無い。
少なくとも円・ドル・ユーロ、元やポンドよりも無い。
まさしく二人のプレイヤーがテーブルにチップの山を作り上げてる状態でした。
どこかの大トークン持ちが、魔法カード「払い戻し」を待ってる状態ですね。
あるいは、世界の裏社会での実需要に支えられでもしているのでしょうか?
ちなみに、調べても調べてもわからなかったことがひとつあります。
仮想通貨の取引なのですが、じつは、ゼロサムゲームではないのです。
超越存在であられるプレイヤーの税務署さんが居まして、
大儲けしたなら半分よこせと言ってきます。
つまり、儲かる人と損する人のあいだで金銭が行き来するだけではなく、
天上の神であられまする税務署さんが、
「ショバ代寄越せや」
と、持っていくものですから、
テーブル上のチップは目減りし続けるはずなんです。
でも、仮想通貨→現金化しないかぎり税務署さんも口を挟みません。
ですから誰も気付いていませんが、
テーブルの上にあるチップの半分は幻で出来ているのではないかと……。
いえ、これは髙田の人の勘違いでしょう。きっとそうです。
皆が皆、大儲けしてますものねー!!
さて、免責免責。
この仮想通貨は仮想のものです。
現実の人物、団体、裏社会とは一切関係しません。
たぶん、これはSUICAのこと。いま、SUICA爆上げ中だから。
え? SUICA知らない? これだから田舎者は……。
結局、世の中はオランダでチューリップ売ってた頃からなにも進化してませんでしたとさ。まる。