言葉にすれば願いは叶う!! かもね?
引き寄せの法則という名で知られる胡散臭い話をネタに小話をひとつ。
ある心理学の実験がありました。
グループAにはポジティブな単語群を覚えてもらいます。
グループBにはネガティブな単語群を覚えてもらいます。
どちらの単語群のほうがより多くを覚えていられるか、その実験だと話して、次の会場に移動してもらいました。
さて、この実験の本当の狙いなのですが、
練習場所から試験会場までの移動速度を調べるものでした。
グループAは平均的な速度の二割増し、
グループBが平均的な速度の二割減という結果になりました。
性能差は驚きの四割です。これをプライミング効果と呼びます。
察しの良いかたは、この時点で有効活用法が思いついたのでは?
プライミング効果そのものはより広義に使用される言葉ですが、
記憶した単語、頭のなかで繰り返した単語イメージが行動に反映される、
これを実証したのが……文献元が見当たりませんが、アメリカの大学です。
さて、胡散臭い「引き寄せの法則」をこれを踏まえて理解してみましょう。
毎日十回、私は〇〇になる。私は〇〇をする。と言うだけ! 書くだけ!!
……あながち間違ってないから反応に困る。
てにおは、は抜いたほうが良いそうです。
朝に散歩したいなら、
「朝日」「裸足」「爽快」「健康」「ナイスボディ」「美肌」「体力」
この単語群を覚えておけば良いというお話です。
自然と散歩の方向に意識は向かいます。
これはとある東京のいいとこの大学出身の人としたお話なんですが、
お酒の席のことです。
「東大さんの高校時代って、やっぱ滅茶苦茶勉強したんでしょ?」
「いや、全然。勉強なんか一切してないよ」
「え? なにそれ? 嫌味なの? 勉強しないで大学行けるわけないじゃん?」
「俺、成績を上げてただけで、勉強なんかしてないよ」
なにを言ってるんだコイツは――?
頭の良い人はやっぱりピーと紙一重なのかと思いましたが、違いました。
机の前に向かうときの言葉が、「さて、成績上げるか」だったんですよ、彼。
勉強という言葉には、どうしても忍耐の要素が含まれます。
そこに発生する心理的抵抗感を上手に回避してたんですね。
Q:いま何をやってるんですか?
A:成績を上げてます
……そりゃ、勝てんわ。いくら勉強しても勝てんわ。
相手は勉強してるつもりが最初から無かったんだもの。
永遠に続けられる勉強法も彼から教わりました。
10ページ。解けたら解けたことを大喜びするんですよ。
そして、自分は10ページ解ける人なんだって自分に理解させる。
それから、次の10ページではなく、新しい10ページに取り組みます。
さっき10ページ解けたんだから、こんども10ページ解けるに決まってる。
次と認識すると合計20ページになります。
新しいと認識すれば10ページにしかなりません。
永遠に、10ページの問題を相手にし続けることが叶うわけですね。
最初は1ページ、3ページ、5ページと増やしていけばよろしいとも。
彼に言わせれば、「無限に成績を上げられる方法」でしかないわけですが。
……これ、漫画の餓狼伝で見たぞ?
10秒我慢できるということは、永遠に我慢できるということだって。
これはアメリカ海兵隊だったかの教えで、100kmなどの気の遠くなる距離を移動するときには、その距離を測ってはならないのだそうです。
まず100歩、つぎに100歩、それから100歩、つねに今現在100歩のうちの何歩目かだけを数えていれば倒れることも無いそうです。合計や累積を考えるのは止した方が良いとのこと。
前か後ろを見たとき、こころがポッキリ折れるのだと。
長々続く苦痛のさなかにあるときは、前も後も見ちゃダメなんですって。
辿り着いてから振り返って、ニヤニヤするぶんには良いそうですよ。
10ページ解けた、100歩あるけた、一冊読めた、
そのタイミングで「よーしよしよし」と自分を褒めてあげるの、とても大事。
犬の躾と一緒ですな。自分で撫でてやってもなぜだか嬉しい。
これらもプライミング効果の一部です。
10ページ解けた、100歩あるけた、その実績があるから、その認識があるなら、新しい課題も出来て当然なんです。
人間の精神的限界は物理的限界の遥か手前に設定されています。
その限界を誤魔化すためのテクニックが世の中にはあるんですよ。
今回は、そんなお話でした。
じゃあ、皆さんにはこの単語群を覚えていただきたいと思います。
「スッキリ」「落ち着く」「排尿」「気持ちいい」「トイレ」「爽快」「安心」
さぁ、繰り返して! 繰り返して覚えてください!! さぁ!!






