【第3話】謎の少女
【転猫】第3話:謎の少女 お楽しみください!
主人公:目を開けるとそこには一人、口をポカーンと開けている見知らぬ少女がいた。
主人公:俺は周りを見渡す。
主人公:深呼吸をしたら夢から覚めるかもしれない。
主人公:『スゥーハァースゥーハァー』
主人公:結局周りは騒がしく目の前の少女は俺のことを不思議そうに見つめてる。
主人公:『おい』
謎の少女:【.......】
主人公:『おいってば』
謎の少女:【あっ、もしかして私のこと呼んでたの?】
主人公:『あぁ、そうだ』
謎の少女:【なんか用ですか?】
主人公:『まずここはどこなんだ』
謎の少女: 【私も知らない】
主人公:『は?』
謎の少女:【それよりお腹すいてない?】
主人公:『俺は空いてない』
謎の少女:【私は空いてる!】
主人公:『んなこと知らない』
主人公:『子供は親御さんに飯作ってもらえ』
謎の少女:【私子供じゃないもん!ぷんぷん】
主人公:『どこの誰が見たって子供と答える』
謎の少女【そんなことないもん!試しにあそこのおじさんに聞いてみるもんね!ほら早く早く!】
主人公:俺は謎の少女にそう言われて手を引かれながら屋台の前にくる。
屋台の店主:(おっ、兄ちゃん!そこの嬢ちゃんのためにどうだい?この果物とか採れたてだよ!いかがかな?)
主人公:『ほら見ろ。どう見てもあのオヤジはお前のことを子供として扱ってる』
謎の少女【むー。プイッ】
主人公:流石に道の真ん中で言い合いになると迷惑なので、街の大通りから少し路上に入った所で質問の続きをする。
主人公:『ここはどこなんだ?』
謎の少女:【見ず知らずの子供をこんな路地裏に連れ込んで一体何するの?】
主人公:『はぁ。それは悪かった。てかお前自分で子供と認めてるじゃないか』
謎の少女:【いや、そのぉ...それは違うの!】
主人公:『何が違うんだ?』
謎の少女:【もう嫌い】
主人公:『え?何だって?聞こえないぞ』
謎の少女【大っ嫌い!】
主人公:そう俺に言い放って謎の少女は走り出す。
主人公:『おーい。そっちは行き止まりだぞ~』
〈ゴンっ!〉
謎の少女:【痛った!】
〈バタッ〉
主人公:『お前は一体何がしたいんだ』
主人公:『ほら立てよ』
主人公:俺は少女に手を差し伸べる。
謎の少女:【シクシク、ありがと】
主人公:謎の少女は立ち上がる。
主人公:『そう言えばお前の名前聞いてなかったな』
謎の少女:【私の名前は...】
主人公:『は(わ)?』
謎の少女:【.......】
主人公:『どうして黙り込む』
主人公:『名前くらいあるだろ?』
謎の少女:【ない】
主人公:『え?』
謎の少女:【もらってない....付けてもらってない】
主人公:少女はそう弱々しく言った。
主人公:困ったな。
主人公:まさかこんなムードになるなんて。
主人公:『じゃあ俺がつけてやるよ』
謎の少女:【本当?】
主人公:俺がこう言うと少女の雰囲気がパッ!と明るくなった。
主人公:わかりやすいやつだな。
謎の少女:【どんなのにしてくれるの?】
主人公: 『そうだな。可愛い名前がイイだろうし...』
主人公:『シルビアなんてどうだ?』
謎の少女:【シルビア?】
主人公:『そうだ。シルビアだ』
謎の少女:【どんな意味?】
主人公:どうしよう。
主人公:たまたまテレビで見た動物番組に出てたペットの名前から付けたなんて言ったら泣き出すだろうな。
主人公:『シルビアの意味は、可愛いお姫様って意味だよ』
主人公:俺はそう適当に言う。
謎の少女:【え、本当?やったぁ!嬉しい♪ でもちょっと恥ずかしいかも...】
主人公:あー。またやってしまったこの子信じちゃったよ。まぁ、これはこれで良しとするか。
主人公:『おい、シルビア』
シルビア:【.....】
主人公:『おい、シルビア!』
シルビア:【はっ!私のことか?!】
主人公:『しっかりしてくれよ』
主人公:『まぁ、そんなことより飯食いに行くか?』
シルビア:【うん!】
主人公:じゃあ適当にそこら辺の店に行くか。
シルビア:【やったぁ!】
主人公:とりあえずシルビアの見た目は薄ピンク色のワンサイドアップにストレートロング、目は薄ピンク色と言ったところか。
主人公:服装は白のワンピース。
主人公:そしていじりがいがあるということが何より一番の収穫だ。
《店内》
チャランチャラン♪
店主:(いらっしゃい!好きな席に座っていいからな!)
主人公: 店主らしき人にそう言われ俺達は廊下の突き当たりに位置するテーブル席に座る。
主人公::可愛い定員さんが水を運んできてくれて
可愛い定員:(メニューが決まりましたらそちらのボタンを押してください)
主人公: そう俺達に説明してテーブルを後にした。
主人公:俺が見惚れているとシルビアがメニューで頭を叩いてきた。
主人公:『何すんだよ!』
シルビア:【ふん!何食べようかな~】
主人公:『痛いなぁ』
主人公:『シルビア、こういう時は机に広げてみんなで見れるようにするのが礼儀だぞ? 』
シルビア:【.....】
シルビア:【分かった!】
主人公:シルビアは少しポカーンとしてから俺の言う通りにメニューをテーブルに広げる。
シルビア:【私このお子様ランチが良い!!】
主人公:おいおいまんま子供じゃねぇか...。
主人公:俺は苦笑しながらボタンを押す。
主人公:店内にビー!と音が鳴り響き、先程の可愛い定員さんがオーダーを聞きにこちらに向かってくる。
可愛い定員:(ご注文をお聞きします)
主人公:『えーっと、お子様ランチ一つと日替わり定食一つください』
シルビア:【このお兄さんがお子様ランチ食べるんだよー!】
主人公:そうシルビアが嘘をつくと可愛い定員さんが変な人を見るような目で俺を見て
可愛い定員:(お客様申し訳ございません。当店のお子様ランチは12歳以下のお客様のみの対象となっておりますがどうなさいますか?)
主人公:『定員さん。こいつの言う事を宛にしないでください』
可愛い定員:(え?あれ??)
主人公:『おいシルビア。定員さんが困ってるだろ?謝りなさい』
シルビア:【定員さんごめんなさい。本当は私が食べます】
可愛い定員: (そうですよね!かしこまりました)
主人公:『本当に申し訳ございません』
可愛い定員: (いえいえ!仲がよろしくて羨ましいです!それでは失礼します)
主人公: 『おいシルビア、今度から気をつけるんだぞ』
シルビア:【ひゅーひゅー♪】
主人公:『弾けてない口笛で誤魔化そうとするな』
シルビア:【そう言えばさ、お兄さんの名前って何ていうの?】
主人公:『そうか、まだ言ってなかったな! 俺の名前はな....ちょっと待っとけよ?』
主人公:あれ。
主人公:今まで確かに覚えてたはずなのに。思い出せない...。
主人公:『うっ!』
主人公:突然頭に激痛が走る。
主人公:『あっ、あぁ!!』
主人公: 何だこれ、今までに感じたことのない痛み。
主人公:『ごめん。シルビア、俺トイレ行ってくるわ』
シルビア:【うん】
主人公: シルビアは不思議そうに俺を見ていた。
主人公:トイレにつき俺は考える。
主人公:思い出せない。
主人公:何故思い出せないんだ。
主人公:考えれば考えるほど頭に痛みが走る。
主人公: 何故思い出せないかじゃない。
主人公:何故忘れたのかが一番の問題じゃないのか。
謎の声:【俺の元に帰ってこい、俺とお前は仲間同士だろ?】
主人公:あの時と同じ声。
主人公:『お前は誰なんだ。どこにいる!』
謎の声:【まぁいい、いずれお前はこちら側の人間となるのだからな】
主人公:『......』
主人公:トイレから戻ると、呑気な顔をしていたシルビアがこちらを不思議そうに見ている。
主人公:『ごめんなシルビア。お兄さんも思い出せないや!』
シルビア:【そうなの? じゃあお兄さんが私に付けてくれたように付けてあげるよ!】
主人公:『本当か?』
シルビア:【うん!じゃあ~♪ グレン!】
グレン:『グレン? グレンかぁ...』
グレン:『シルビアにしては良いセンスだと思うぞ』
シルビア:【それ、どういう意味?!ぷんぷん】
グレン:『俺は今日からグレンだ、宜しくな!』
シルビア:【よろしくね!グレン】
可愛い定員: (お待たせしました)
可愛い定員:(こちらお子様ランチと日替わり定食になります)
可愛い定員:(他にご注文は無かったですか? )
グレン:『はい、ありません』
可愛い定員: (ごゆっくりどうぞ)
グレン:『おい、シルビア』
シルビア:【なに?】
グレン:『お前が頼んだそれ何だ?』
シルビア: 【え?この店の限定メニュー 超特大お子様ランチ!】
グレン:『それ1人で全部食えるのか?』
シルビア:【余裕!余裕!】
グレン:『食べれるなら別にいいが』
グレン:さて、俺も頂くことにする。
グレン:『いただきます』
グレン:『何だこの肉!すげぇ美味い!』
シルビア:【.......】
グレン:『シルビア手が止まってるぞ? まさかもうお腹いっぱいなんて言わないよな?』
シルビア:【ギクッ!】
グレン:まさかとは思ったけど。
グレン:『ほら残り食べてやるから』
シルビア:【リンゴは食べないでね】
グレン:『何だ、お子様ランチも美味いじゃねーか!』
グレン:そう感動して声を上げると隣でオーダーを聞いていた先程の可愛い定員さんと目が合う。
グレン:俺は身振り手振り必死に誤魔化したが既に遅い。
グレン:まぁ、残すよりはいいだろ。
グレン:『ほらシルビア、りんご食べて会計に行くぞ』
シルビア: 【うん!】
グレン:『シルビア?ごちそうさまは?』
シルビア:【ごちそうさまでちた!】
グレン:『でちたじゃないだろ?』
グレン:俺たちはそう話しながらレジの前に着く。
グレン:『会計お願いします』
可愛い定員:(合計で1998円です)
グレン:『2000円でお願いします』
グレン:『シルビア美味しかったな!』
可愛い定員: (お客様)
シルビア:【美味しかった!】
可愛い定員: (お客様)
グレン:『はい、何ですか?』
可愛い定員: (この紙切れは何ですか?)
グレン: 『え?』
グレン:『1000円札2枚で2000円じゃないか、知ってるだろ?この人』
可愛い定員:(1000円札はこれですよ?それはギフト券か何かの間違いじゃないですか?)
グレン:『そんな馬鹿な』
グレン: 俺は定員さんに見せられた1000円札を見てみる。
グレン:『あれ?見たことない』
シルビア:【ねぇ、グレンお金ないの?】
グレン: 『いや、ちょっとな...』
グレン:俺が会計でもたついているのを知ると、厨房から厳つい店主がこちらに近づいてくる。
店主: (お前さん達は俺の店でタダ飯食えると思ったのか?)
グレン:『いえ...ちょっと手違いで紙幣間違えちゃって』
店主:(なら俺の店で働け)
グレン:『え?』
店主:(俺の店で食べた分働け)
店主: (嬢ちゃんは家の娘と奥の部屋で遊んでおいで!)
シルビア:【うん!ありがとおいちゃん!】
グレン:そう言ってシルビアはレジ前を離れる。
グレン:さっきの可愛い定員さんは店主の娘さんみたいだ。
店主:(おい)
グレン:羨ましいなぁ~
店主: (おい!聞いてるのか? )
グレン:『は、はい!聞いてました!』
店主: (ほらこれ着て働け)
グレン:『え? 』
店主:(聞いてたんだろ?)
店主:(お前はここで働くんだよ)
グレン:『え、ぇぇぇぇ!!』
【第3話】謎の少女(完)
【転猫】第3話:謎の少女 いかがでしたか?
等々主人公が異世界に転移しちゃいました!
謎の美少女シルビアとは?
主人公に隠された秘密とは?
【次回】第4話:守り神 お楽しみに!
感想、レビュー等々お待ちしております!