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【第2話】一冊の本

【転猫】第2話:一冊の本 お楽しみください!

〈チュンチュン!チュンチュン!〉


主人公:俺は今いつものように小鳥のさえずりを聞きながら住宅街を抜けて1人通学路を歩いてる。


主人公:今日も友達ができた際の自己紹介をおさらいしとくかぁー。


主人公:俺は普通の男子高校生(17)だ。


主人公:名前は名乗るまでもない!


主人公:いやカッコつけてる訳ではない。


主人公:本当に名乗るほどでもない普通の男子高校生なのだ。


主人公:あの親にしてこの子はなしだな。


主人公:まぁ、呼び方は(あいつ)とか(やつ)とか、まぁ(主人公)なんて呼んでくれてもいいんだよ?


主人公:まぁ、呼び方は各自自由ということで。


主人公:そんなことをひとり虚しく考えながら歩いてると気がつけば門の前に立っていた。


主人公:『はぁ』


主人公:今日もまた授業という学生の敵と戦わなければいけない。


主人公:勉強が楽しい?授業が楽しい?止めてくれ。


主人公:どうしてこんな奴と好き好んで共に過ごさなきゃ行けないんだ?


主人公:そんな愚痴を言いながら昇降口に向かい、靴を脱いで靴箱に入れる。


主人公:校内用シューズに履き替え教室に移動しようとすると


女子生徒: (おはよう♪ )


主人公: と可愛らしい声の持ち主に話しかけられる。


主人公:ようやく俺の魅力が分かるやつが現れたか。


主人公:俺は振り向きざまにすました顔で


主人公:『おはよう!』


主人公:そう言い返すと、女子生徒が友達に挨拶をしていた。


主人公:その二人組と目が会い笑われてしまったため即座に謝って教室に向かう。


主人公:今日で何回目だ。


主人公:俺もそろそろ慣れろよ...。


主人公:なんせこんな俺に話しかけてくるやつなんて変わり者か冷やかしに来るやつしかいない。


主人公:そう自分に言い聞かせながら教室に向かうと、ホームルーム前ということもありワイワイガヤガヤ騒いでる。


主人公:教室内はいくつかのグループで分けられてるがその中のどれにも属さない、いわゆるボッチに分類されるのがこの俺。


主人公:友達なんて多くなくていい。


主人公:1人2人気持ちを本気で分かち合える友達がいたらそれで十分。


主人公:だが俺にはその1人すらいない。


主人公:そんな虚しいことをひとり考えてると教室のドアが開く。


担任:(あー、全員席につけー!)


主人公:そう言い放ったのは担任だ。


主人公:さっきまでワイワイ騒いでたのが嘘みたいにみんな速やかに席に座る。


担任:(えー、ホームルームを始め...る、えーーきょ...う...の)


主人公:『zzzzz』


〈ガンっ!!〉


主人公: 何かに頭を殴られたような感覚で目が覚めると目の前が真っ暗だった。


主人公:顔を上げるとクラスメイト全員がこちらを見て笑ってる。


主人公:どうやらホームルーム中に眠った勢いで机におでこをぶつけたらしい。


主人公:笑い声をかき分けて担任が


担任:(またお前か...)


主人公:そう呆れた声で言う。


主人公:すると1人の生徒が


生徒: (昨日夜遅くまで畑の仕事を手伝ってたらしいです!)


主人公:そう先生に嘘を伝えるが


担任: (それならしょうがないな、よしっ! 寝かせてやれ)


主人公:と真剣な表情で言い返す。


主人公:嘘をついた生徒は多分そこから笑いが生まれると思ったのだろうが、生憎担任はバカ真面目で生徒の言うことを何一つ疑わない。


主人公:俺は頭を机に伏せて睡眠体制に入るとほんの数秒で寝てしまった。


《夕方:教室》


主人公:目が覚めると辺りは見事に静まり返っていて、どうやらもう放課後みたいだ。


主人公:俺はカバンを手に取り教室を後にする。


主人公:靴を履き替えると昇降口の重たいドアを手で押して校門に向かう。


主人公:俺の学校は今日と同じようなことが毎日繰り返されてる。


主人公:『あぁ~何か面白いこと起きないかな~ って起きるわけ無いよな』


主人公:そう言いながら家路を歩いていると、いつもは気にならない古本屋が妙に気になってしょうがない。


主人公:まだ店も閉まってなさそうだったので、店に立ち入ることにした。


主人公:手動のドアを開けると古本屋独特の臭いが鼻につく。


主人公:今まで何十年とこの前を通ってきたが今まで気にならなかったのが不思議なくらい惹かれた。


主人公:俺は店の中を1通り見て回り、店主の爺さんに話しかけようと店のカウンターに向かうが、近づく につれ妙な嫌気が増していく。


主人公:『何かオススメの本はありますか?』


爺さん:【これはいかがでしょうか? つい先日他のお客様から買い取らせていただいた新商品ですよ?】


主人公:その一冊の古本を勧められた時、俺は確信した。


主人公:間違いない、この一冊の本に惹かれたのだ。


主人公:俺は嫌気が差し店を後にしようとカウンターを離れると妙に足取りが重い。


主人公:なぜだ。


主人公:誰かに引き止められてる感覚。


主人公:俺はあの本を買ったらきっと後悔する。


主人公:そう思い、店を後にする。


主人公:店のドアを開けて外に出ると1匹の黒猫がいた。


主人公:黒猫は道路に甘えるように寝転んで俺のことを見ている。


主人公:『俺は大の猫好きだが猫アレルギーでもあるんだ』


主人公:『だからお前のことは助けてやれないが恨まないでくれ、ごめんな』


主人公:俺はそう言って店を後にする。


主人公:『ただいま』


主人公:母さんに一言言ってお風呂に入り、ご飯を平らげ今日は大人しく寝ようとベッドに入る。


主人公:すると弱々しい猫の鳴き声が外から聞こえてくる。


主人公:俺は気にせず寝ようとするが、やっぱり猫が心配で寝ようにも寝れない。


主人公:おれは階段を駆け下り、母さんに事情を説明して猫を家に上げる許可をもらい玄関のドアを開ける。


主人公:するとそこには先程古本屋の前で出会った黒猫がいた。


主人公:まさかとは思ったけど本当に付いてきちゃうとはね...。


主人公:『ほら! 開けといてやるから入って来いよ』


主人公:『母さんには言ってあるから』


主人公:『それにしても...あぁ〜可愛いな~撫でたいなぁ~』


主人公:そう猫にデレながら部屋に戻り、部屋の電気を消してベットに入る。


主人公:瞼を閉じるとあの本のことが脳裏にすごい浮かぶ。


主人公:あれは結局なんだったんだ? そんなことを考えてたら自然と眠気が増して...。


主人公:気がつけば辺りは真っ暗だった。


主人公:俺は今どこにいるのか分からない。


主人公:分からないけど、どこからか俺を呼んでる声が聞こえる。


謎の声:帰ってこいよ... 帰ってこいよ... 帰ってこい!


〈バァッ!〉


主人公: 俺は男の声にビックリして飛び起きる。


主人公:体からは変な汗が出ている。


主人公:時計を見ると、まだ深夜の2時を回ったばかり。


主人公:『まだ2時か...』


主人公:あの声は一体何だったのだろう。


主人公:夢の出来事を気にしてると妙に鼻がムズムズしてくる。


主人公:飛び起きてしまったため埃が舞ってるのだろう。


主人公:俺はそう思い寝返りを打つと目を瞑ってないのに目の前が真っ暗になった。


主人公:それに何故か妙に顔が暖かい。


主人公:まさか、もしそうなら夢であってくれ...。


主人公:俺はその正体を察すると同時に飛び起きるが


主人公:そんな微かな希望もスグに打ち砕かれる。


主人公:俺の目の前には一匹の黒猫がいる。


主人公:先程も言ったが俺は猫アレルギーだ。


主人公:すなわちこれは、地獄の始まりを意味する。


主人公:俺はその後くしゃみが止まらず結局寝れなかったのな言うまでもないだ...


主人公:『ヘ、ヘ、ヘックション!! 』


主人公:夜が明けるまで猫アレルギーと格闘した俺は、朝一でリビングに降りて母さんに事情を説明し学校を休ませてもらう。


主人公:リビングで安静にしてると部屋にいたはずの黒猫が玄関に向かってるのが見えた。


主人公:いくら猫アレルギーとは言え、大好きな猫に何かあってからじゃ遅い。


主人公:俺は猫が心配になり、財布と携帯を服のポケットに入れて黒猫を追いかける。


主人公:『ちょっと飲み物買ってくる』


主人公:そう嘘をついて家を出るが、母さんに嘘をついてしまったことの罪悪感が俺を襲う。


主人公:それでも俺は猫が好きだ!


主人公:黒猫は換気のために開けていた窓を使って外に飛び出し住宅街を抜けて学校の方へ向かってるのがギリギリ確認できた。


主人公:今の時間帯は通勤時間と重なるため道路は車が行き交って危なかった。


主人公:それを俺は分かっていたので小走りで黒猫のそばに駆け寄る。


主人公:『お前どこ行くんだ?』


主人公:もちろん返事はない。


主人公:黒猫の後をつけていると黒猫がとある場所で足を止めた。


主人公:俺はこの場所に覚えがあった。


主人公:そう昨日気になって立ち寄った古本屋だ。


主人公:『そうだったな...お前と出会ったのもここの前だったな』


主人公:俺はここの爺さんの飼い猫だと思い、勝手に家に連れ込んだことを謝ろうと店のドアを開けてカウンターに近づく。


主人公:『昨日ここの前で出会った黒猫を家にあげてしまったんだが爺さんの飼い猫じゃないか?』


主人公:すると爺さんは


爺さん:【昨日の少年ではないか、あの黒猫のことかぁ】


爺さん:【ワシは飼ってなくてお前さんが気にしとった本を買い取ってからこの店に懐いとるんよ】


爺さん:【どうじゃ?お前さんにあの黒猫が懐いとるんじゃったら、この本貰ってくれんかのぉ....】


主人公:そう爺さんは言って、本を俺に対して差し出してきた。


主人公:『これ、商品じゃないんですか?』


爺さん:【そろそろこの店も潮時かと思って店を閉めることにしてな、売れなかった本は廃棄処分になるんよ】


主人公:『そういうことなら全然貰いますよ!』


主人公:これも人助けだ。


主人公:『ありがとうございました』


主人公:爺さんにお礼を言って黒猫に対して


主人公:『ほら! 帰るぞ』


黒猫:【にゃぁー】


主人公:お前は言葉が理解出来るのか?


黒猫:【......】


主人公:分かるわけないよな笑


主人公:俺は家の前に着くと玄関のドアを開け、先に黒猫を家に上がらせ自分も家に入る。


主人公:『ただいまー』


主人公:母さんに帰ってきたことを知らせて自分の部屋に戻る。


主人公:先ほど貰った本をさっそく手に取り読み始める。


主人公:本の説明をすると見た目は本の古いデザインがいい味を出してて割といい感じ。


主人公:ページ数は普通といったところか。


〈パラパラパラパラ〉


主人公:『.......』


主人公:『は?』


主人公:ページには何も書かれていないが、最後のページを開けた途端部屋が謎の白い光に包まれる。


主人公:『うわっ!』


主人公:俺は瞬時に目を閉じる。


主人公:何秒経っただろうか、やけにまわりが騒がしい。


主人公:俺はゆっくりと瞼を開ける...


【第2話】一冊の本(完)

【転猫】第2話:一冊の本 いかがでしたか?


妙に惹かれた一冊の本に隠された秘密とは?!

黒猫と一冊の本はどんな関係なのか?!


【次回】第3話:謎の少女 お楽しみに!


感想、レビュー等々お待ちしております!

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