【第1話】真夏の朝
ソラエルの初作品『異世界転移は猫の恩??』
【転猫】第1話:真夏の朝 お楽しみください!
〈ジリジリジリジリ〉
〈バシッ!〉
主人公:『ぷはぁ~』
主人公:俺の1日は聞きなれた目覚まし時計を止めてから始まる。
主人公:重たい体を持ち上げベッドから立ち上がりカーテンの前に移動する。
主人公:隙間から溢れてる光を見る限り今日も晴れたらしい。
主人公:俺はカーテンを思いっきり開け払うと突然の日差しに目が眩む。
主人公:数秒経って目を開けるとそこには...相変わらずいつもと変わらない暑そうな光景が広がっていた。
主人公:部屋の換気をするためにドアを開けると生ぬるい風と共に先程まで気にならなかった暑苦しいセミの鳴き声を聞いてようやく目が覚める。
主人公:俺は制服に着替え母親の待つリビングへと向かった。
主人公:階段を下りると香ばしい匂いが鼻につく。
主人公:俺は母さんに
主人公:『おはよう』
主人公:そう挨拶すると明るくにっこり笑って
母さん:【おはよう♪】
主人公:そう返してくれた。
主人公:自分で言うのも何だが、母さんは地球上の人間誰が見ても美しいと答えるほどの美貌を持ち合わせており、それだけでも十分というのに料理は何でも作れる。
主人公:しかも味はもう美味しいなんてレベルじゃない。
主人公:高級料理店?ミシュラン?そんなの知らん。容姿、学力、家事、料理、スポーツ何でも常人を超越した完璧美少女なのだ。
主人公:ん?美少女じゃなくて美人だろう!とツッコミを入れたそこのあなたには是非率先して母さんを紹介したい。
主人公:先に謝っておくことを俺は勧めるがな。
主人公:そんな母さんにも俺という出来損ないの息子がいる。
主人公:そうなると、必然的に父親もいることになる。
主人公:何故自分は生まれて来たのか?という質問に対して、コウノトリが運んできてくれたと一般のご家庭なら純粋な子供にそう説明するだろうが俺の家庭ではそんな上手くことが進まなかった。
主人公:幼かった俺は母さんに
主人公:『なぜ俺が生まれたのか?』
主人公:そう聞くと母さんは優しく
母さん:【鳥さんが運んできてくれたんだよ】
主人公:そう教えてくれたのにも関わらず秒で父さんはこう断言した
父さん:【違う!】
主人公:その後、お前は俺たちの愛の結晶なんだ!とか当時の俺には分からない説明を沢山された。
主人公:こうして夢ある話は父さんによって壊されたのだ。
主人公:その後父さんが母さんに説教されていたことは言うまでもないだろう。
主人公:そんなことを考えながらリビングの席に座り食卓に並べられた美味しそうな料理を一通り眺めてから
主人公:『いただきます』
主人公:そう挨拶をしてから食べ始める。
母さん:【美味しい?】
主人公:そう聞いてくるが、俺はすぐに答える。
主人公:『母さんが作った料理なんだから美味しいに決まってるだろ?』
主人公:そう返事をすると 母さんが
母さん:【あらあら♪】
主人公:そう手を頬に当てて微笑みながら俺を見つめていた。
主人公:ドきゅん♡
主人公:俺は実の母親である母さんにいわゆる萌えてしまった...。
主人公:キモいと思ったやつに俺はこう伝えるだろう
主人公:この母さん相手に萌えないやつがいたらそれはそれで男として問題あると思う。
主人公:『母親よこんな息子だけど許してくれ』
主人公:そう言うと母さんの天然が見事に炸裂し頭の上に?が沢山浮かんでる。
主人公:俺は母さんに
主人公:『父さんは?』
主人公:と聞く。
母さん:【朝早くに仕事に出かけたわよ♪】
主人公:すると、そう明るく答えてくれた。
主人公:母さんと父さんが結婚すると決まった時、世界はパニック状態に陥ったらしい。
主人公:どれくらいのパニックか簡単に説明すると全世界のテレビ、ラジオ、新聞全て母さんと父さんの結婚のことしか取り上げなかったらしい。
主人公:それぐらい凄い母さんと結婚することになった父さんに普通なら罵声が飛び交うだろうが、父さんも母さんと同じく完璧で欠点なんて何一つ無かったため、誰一人反対することなく無事結婚できたらしい。
主人公:そして普通の民間人に紛れて住宅街の一軒家に家族3人で平和に過ごしてる。
主人公:ご飯を食べ終えカバンを持ち、玄関に向かい靴を履いていると
母さん:【忘れ物はない?】
主人公:そう後ろから優しい声で確認をしてくれる。
主人公:俺はカバンの中を再度確認し忘れ物がないことを伝えて重い体を持ち上げ玄関のドアに触れる。
母さん【行ってらっしゃい♪】
主人公:笑顔で母さんが見送ってくれる。
主人公:俺は『行ってきます』
主人公:そう返事をしてドアを開ける。
【第1話】真夏の朝(完)
ソラエルの初作品『異世界転移は猫の恩??』
【転猫】第1話:真夏の朝 はいかがでしたか?
ごく普通の生活を送っている彼(主人公)に
一体何が起こるというのでしょうか?!
【次回】第2話:一冊の本 お楽しみに!
感想、レビュー等々お待ちしております!