アタンドット資料3 【上位存在と構造言語】
この物語には何種類かの神が出てきます。
何の事か判りづらいですが、その神が好き勝手できるんじゃなぇの?という疑問にお答えする形になります。
【神の種類】
1)神・・・
言うまでも無く神です。イエスや仏陀そのたもろもろの神々です。運命といっても過言ではなく、物語には出てきません。
2)被造神・・・
これは上の神に似ていますが、あくまでパソコン上に認識された神です。ガルドが厳密にはこの出来損ないです。当然プログラム上のデータでしか無い存在ですが、プログラムはその情報を是として動作します。ガルドが出来損ないというのは、彼はその権利を捨てています。いろんな意味で・・・
何度と無く捨てているのです。
彼の兄レンクはその座を捨てていません。つまりレンクは龍王と認識されるのです。ガルドが北海龍王傲順で、レンクが西海龍王傲閏です。
正確にはガルドは生まれ変わりで、神ではない。レンクは生まれなおしで神のままと非常にややこしい事になっております。
龍王のくだりには全ての願望器たる【如意宝珠】を捨てられないからこそ呪われた龍王を辞められないという物があります。
捨てた所で何も変わらないという説もあります。
辞めなかった理由も実に間抜けで、神の時代ふよふよ跳んでいたそうです。レンクは・・・その姿は当然人には見えませんがよくある話で、子供には稀に見えてしまうことがあったのです。
その姿は純白の龍の姿で・・・
子供が映画帰りだったのが悲劇の始まりで、子供はレンクを見てこう言いました。
「あ!ラッキードラゴン」
それ以来、その言葉に縛られて龍王を辞められなくなったのです。
彼らは捨てたものがそれぞれに違ったため、兄弟同士遭遇すると激怒して戦いあいます。それは嫉妬心からです。
ただ、白龍たるレンクは捨てられなかったので、憐憫の情で普通に他の龍王と接触できます。
彼らの世界は非常に曖昧な知識で構成されており。龍王は神として認識されているようです。そして仏教の神の特徴も備えています。
仏教の神の身長は洒落にならないほど大きく(法身・応身・報身の三身、ここでは法身)、彼らの世界がビルの一室に収まるコンピューターの中ということも世界は知っています。
つまり、レンクが本来の姿を無遠慮に展開すると・・・それだけで世界が破裂してしまいます。
三身を持っていると言うことは解脱を意味するので大きな矛盾なのですが・・・(龍王は解脱できないから苦しんでいる)
それには色々と訳有りなのですが、脇役のバックボーンなのでそういうものとご理解ください。
この被造神はその持つべき能力を行使できます。というよりも世界システムがそう認識してしまっている。
3)英雄神・・・
これはガルドが当たります。その世界の人々の信心の中にある能力をもちますが、因果が無いことには活動できません。
ヤマトタケルはヤマタノオロチをぶっころがす能力を持ちますが。この世界には居ません。ですから、召還の儀式や条件などの因果が無いことには行動が出来ません。
彼の世界では死んでしまったという事実からそれを覆す因果が必要となりますが、このアタンドットではプログラムされたという因果だけで現出できています。
彼の場合、実は前述の全てに該当するので本気を出すと大騒ぎになるのですが、この計画を好意的に見ています。だから、大人しくしているといった所が本当のところです。
ちなみに、ガルドは一度本気で激怒しています。ベイネスの発狂を機に大爆発しました。その際の被害はメンコン社のメインフレームが吹き飛んだという非常に軽微な損害で済んでいます。
だから、ガルドには初期化などの機能が搭載されています。
4)プログラマー・・・
普通にアタンドットを作った人です。作中に出てくる女史はその一人です。第一期揺籃計画にアクセスしなければアタンドットは稼動しないので、プログラム言語はその世界に準じます。
当然、揺籃計画自体が異文化の産物では無いので、本来はマシン語で出来ていますが、揺籃計画内部では無限に等しい時間が経ったため変質してしまっています。
その言語については次の章で説明します。
5)集合無意識
この集合無意識と言うのは第一期揺籃計画の被害者であり、加害者である。被験者達です。
彼らの精神は一瞬の無限の時間に耐えられず、システムと化しました。ただ其処に意識は無いのですが、本能・・・つまり集合無意識は存在しました。
被験者は一様に終末医療を必要とする精神構造を持っています。
世界に奇跡を期待し、それが叶わない事を骨身に染みていながら、それでも期待してしまう。
そんなシステムに支配された世界は安っぽく悲劇的でした。
生存本能・・・自己保存本能は非常に強く。世界に寿命がある事は当然理解しています。
無限の時間が存在すると言っても被験者の脳が壊死するまでの無限でしかないわけです。
6)将軍
将軍とはガルドが慕う男、下村崇ことロー・プライマ子爵の事です。彼は英雄神としての側面を持ちますがここではその意味ではありません。
ありていに言えば彼は作者だったのです。ガルドの物語の・・・
彼は別の世界の住人で、その世界は我々の世界に酷似しています。
その世界で人生に失望し首を括ったら、ガルドの世界に来ていたという経歴を持ちます。
それゆえに知識レベルは現代人のそれで、圧倒的なアドバンテージを持っていた訳ですが、彼は更に物語の知識がありました。
そう、ガルドの物語は下村崇が夢想した物語だったのです。
彼は混乱しました。だってそうでしょう?自殺したら異世界にいて調べていけば自分の考えた世界に酷似していたのですから・・・
彼は強烈な自責の念に襲われます。物語を盛り上げるために作った悲劇が次から次へと現実になっていくのですから。
彼は自分が神だとガルドに明かし、その悲劇を捻じ伏せる為に生き、憎しみの騎士としてこの世を去りました。
それゆえに、ガルドはローを蘇らそうとはしないのです。
【言語の存在】
アタンドットは独自言語で構成されています。ただ基本はマシン語に似ているのと、ガルドが説明できるので漠然と利用できるといった所です。
【言語の種類】
言語は五階層で構成されています。揺籃計画内部で四階層使用しています。
先ずは【ファースト】揺籃計画の森羅万象をつかさどる基本言語です。ここには全く手が触れられていません。一秒間の解析を行うのに200年かかる為です。
【ファースト】で組み上げられた言語が【セカンド】【サード】【フォース】となります。序列はより根源に近いほど若い番号とご理解ください。
【セカンド】は物理現象の管理言語なので解析が進んでいます。
【サード】は魔力や因果の流れを司る。
【フォース】魂や転生。
砕いて説明すれば漢字の読みと思ってください。たとえば拳。
【セカンド】ではこぶしと読む。
【サード】ではケンと読みます。
【フォース】では『おぎゃあと生まれたその日から解除不可能な男の弩根性打撃兵装』と読みます。
・・・すみません。
これぐらいぶっ飛んだ話しとご理解ください。
言語は違えど同じもの意味するというニュアンスは判ってもらえたかと思います。
これらの言語を組み合わせて作ったものが【フィフス】アタンドットの基礎言語となっています。
だから、ガルドはこの【フィフス】以下の干渉を自重しています。
電子錠のようなものです。
電子錠は閉まっていれば開きません。ハッキングするか、鍵を持ってこなければなりません。
これが【フィフス】のロジック。
ただ、本当に開かないのでしょうか?ハンマーで砕いたり、分解すれば開くことは開きます。これは、【セカンド】や【サード】といった上位言語の干渉です。
ただ、電子錠は二度と使い物にならないでしょう。
だから、女史は【フィフス】以上の上位言語は理解できないし、ガルドは【フィフス】を理解していない。
それゆえにツーマンセルで開発に当たっているのです。
前述のように神の力を行使できるつまり【ファースト】を操れるガルドがその気になれば全てを書き換える事は可能ですが、それをやったが最後その世界はアタンドットではなくなってしまうのです。だから劇中のガルドも映像再現までで済ませていますし、あくまで【フィフス】のロジックに従った行動で物事を済ませようとしているのです。。
1/9改定
【神の種類】に
・5)集合無意識
・6)将軍
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