メイドの話
ちょっと変態な所があります。
ギャグ多め。
キャラクターの暴走任せの小説なので、
オチがどうなるのか作者にも分かりません(笑)
新緑の森
その木々の裂け目から漏れる
暖かな木漏れ日が、
冷たかった地面にぬくもりを与えて、生命を包み込む頃。
プフルン プフルン
はぁ
プルルルン♪
と王族に出す最高級のプリンのように揺れる
私の胸。
なんて音を出しているんだ。
我ながらあきれる。
仲間のメイド達からは、デカイ 柔い プルプルだ!
と羨ましがられていたけども
持っている本人からしたらこんなもの
デカイ 重い 邪魔い。
108センチの脂肪の塊だ。
これさえなければ、あと一カ月は早く着いたモノを。
恨めしい。
しかし、コレが武器になるかもしれないのだ。
今は我慢。
王宮からここまで、本当にコレは役立たずだった。
好色で有名なゲス王子が私の豊満な胸に目がくらんで夜這い------
なんてことも、
王宮に配備されている、妻とも別離した、
屈強で精力に満ち溢れたエリート兵士たちが、
自己の欲求を抑えきれずに私を拘束して------
なんてことも、
一切なかった。
あれよ。
13歳の乙女のメイドだぞ?
女性になりかけている少女だぞ?
男性が好きになる女性の条件をほとんどを満たしているぞ?
自分で言うのもなんだが、私はかなりおとなしい顔立ちをしている。
簡単に言えば、可愛らしい。
彼女はロリ巨乳ですか?と100人に聞いたら、
「はいそうですね」と100人とも答えてしまうような、
そんな容姿をしている。
仕事ぶりも真面目で、城中の皆に愛されていた。
訓練で汚れた兵士さんたちに天使のような笑顔を振りまいて、
「汚れていますよ」と言いながら、兵士さんの腕に
むにゅうと
胸を押し当てて、
顔の汚れを拭いたこともある。
二人きりで。
誰も来ない暗がりで。
全員に。
20~50代までの男たちに。
一人ひとり。
極度のロリコンで、女性は13歳までしか認めていないという噂の護衛兵隊長にも同じことをして。
誰も私を手篭めにしなかった。
あんなに立派な"モノ"を持っているくせに。
この旅でもそうだった。
若い女性の一人旅。
生まれた時からメイドとして育てられた私が、初めて城下外へ出た時。
街中の男たちが私に見とれているのを感じ、
自身をロリ巨乳美少女だと評価していたことが間違いではないと実感できたのだけど、
その後、私の後を追ったり、私に声をかけてきた男たちは、気づいたら消えてしまっていた。
どの町でも。どんな場所でも。
人攫いがいるという、ゴンダタの山道を夜中に歩いたのに、
何事も無く次の街に着いてしまった。
何でよ!
そんなに私に魅力が無いの?
抱きなさいよ!極上のえさでしょ?
男は皆草食系なの?
それとも私の男運?
なんて、
こんな事を言っていると、私はとんでもない痴女みたいに思われてしまうので
ここらへんでやめておこう。
そうとう手遅れな気もするが。
いや、私だって、初めからこんな思想を持っていた訳ではない。
しかし、いつ頃だろう?
あれは、私が11歳くらいだったかな?
初潮が来て、性についてあれこれとメイド長に教えられた頃。
私はメイド長に質問したことがある。
「メイド長にお子さんはいらっしゃらないのですか?」と
メイド長は、半世紀は生きているかなりの高齢で、
本当なら子供ではなく孫がいるかどうかを聞くべきだったのだが、
なんとなく、
予感があったのだろう。
メイド長はその問いに「いいえ」とだけ答えた。誇りを目に宿して。
その時私はぞっとしたのだ。
メイド長は、若い時はとても美人だったと思う。
写真を見たわけではないが、その整った鼻筋と、切れ長な目、
見事な曲線美を描いている体、洗練された立ち振る舞い
その全てに彼女の若かりし頃の残光が残っていた。
メイド長は言わなかったが、婚約の話はかなりあったはずだ。
結婚して、家庭を作って、子供を産んで
そんな幸せを作る機会をいくらでも作れたはずなのだ。
なのに彼女はその幸せを拒否して、
ソレを誇りにしていた。
私は恐くなった。
女の幸せを
女性の喜びを
男女の交わりを
否定することが誇りになることを
恐怖した。
それまでの私はちゃんと乙女だったと思う。
白馬の王子様にあこがれ(この白馬の王子様とは、
もちろん王宮にいるスケベで好色家のバカ王子でなく、抽象的な何かだ。)
ちゃんとした恋愛を夢見ていた。
はずだ。
しかし、そのメイド長の瞳を見てから、私は変わってしまった。
夢見た恋愛は捨てて、身近な何かで、しっかりと現実を歩もうと心に決めたのだ。
けど、
だけど、
城を出て半年。
私は夢見る少女に戻っていた。
なぜなら、100年前に魔王を封じた伝説の勇者の子孫の所へ、
つまり、現在の新しい勇者の所まで、あと1日という場所まで来たのだ。
勇者だ!
勇者!
勇者様!!
なんて甘美な響き!
王様から、歩いて半年かかる所に勇者を迎えに行け!
と命じられた時は、
「ああ、私も終わりか……
女性の一人旅、半年も無事には生きられない……」
と覚悟を決めて、せめてと思い、人攫いに会うことを夢見てしまったけれども
今思えばなんて危ない事を!
勇者様に!
これ以上ない白馬の王子様に!
会えるチャンスを潰してしまったかもしれないのだから!
良かった、綺麗な体のままで。
あとは既成事実さえ作ってしまえば……
巨乳派なら良いが……
歴史に残る家庭。
聖母マァムのように、私も崇められるかもしれない。
聖母コッタ。
素敵だ……
あ、コッタって私、ロリ巨乳美少女メイドの名前です。
しかし、勇者様か------
イケメンだろうな。
背も高いんだろうな。
強いんだろうな。
優しくて。
……二人で夜の森を旅をしている時
夜の闇に脅えている私の肩を支えてくれて
「大丈夫、君は僕が守るから」
なんて
妄想の暴走が止まらない!!
きゃぁ------------------------------
ダメだ、鼻血が。
本日5度目。
しかし私のハイテンションは止まらない。
ストップ高。
どこまでも登り続けよう。この男坂を。
そういえば
勇者様って一人?
子孫なんだから、複数いる可能性もあるよね?
逆ハーレム……なんて可能性もあるのかしら。
はふっ……
どうしよう。
ヨーグルトの用意しなくちゃ。
ヨーグルトは、男性の性器に良いと聞いたことがある。
絞りとらないと。
ブルガリア。
ブルアァーーーーーーー!!
……ん?
なんか、私の妄想を具現化したような野獣のうめき声が聞こえてきた気がする。
私は後ろを振り返り、周囲を見る。
あれ?気のせいか?
私は、また歩きだそうと正面を向いた。
あっ 気のせいじゃない。
そう思った時は、すでに手遅れだった。
ヌメリとした腕の太さはある触手のようなモノが、私の体にまとわりついた。
「ひゃあう!?」
色々恥ずかしい所を弄りながら、
触手は私の体を持ち上げて、
本体の所へ私を運び出した。