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終話
この世には、生者には知らされていない秘密があるのよ。
この世に未練を残したまま死んで行った者は、精霊として形をとどめ、成仏するまでこの世にい続ける事が出来る。
その秘密の下、私はこの世にい続けることになった。
私の未練はもちろん、復讐。だって、どうしても許せないもの。
私達姉妹を殺しておいて、あの人だけ生きてるなんて、ねぇ・・・・
それなのに、我が妹・・・・・藤桜ったら、あの人が好きだなんて戯言を。だったら私が止めなきゃいけないでしょ。だって、姉だもの。
「未練は無くなったから、私は先に行くわよ」
そう言って彼女の柔らかな髪をなでた。さんずの川を渡った後の一番の困りごとは、この髪が触れなくなる事ね。きっとそうよ。
そう思いながら、私は天へ上っていきました。その途中で天に昇っていく方を見かけたの。
彼女は何故・・・・・・?