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草霊花伝  作者: 黒蝶 羅々
笹の乱
5/9

 金木犀が菫に話をした次の日から、菫は姿を消しました。


 城中の者たちが、銀木犀と共に菫を探しましたが、結局見つかりませんでした。




 金木犀によって騙されたことを菫が知ったのは、三日後だった。

睡眠薬で眠らされた彼女は、全く知らない城の中にいた。


「ここ・・・・・は?」


 大量の薬で頭痛がする中、くらくらしながらも菫は立ち上がった。ここにいてはいけない・・・・・

そう思ったからだ。



「おっと、勝手に出て行かれては困る。君は私が買い取った・・・・つまり人身売買というものさ」


 部屋から出て行こうとした菫を止めたのは、一人の男性だった。

人身売買・・・菫を彼に売ったのは、勿論金木犀だろう。


「貴方は一体何をする気ですか?私を買ったりして・・・・」


「貴方、より名前で呼んでもらいたいね。私の名前は紫苑だ。女っぽいかもしれないが、この花が私は気に入っているのでね。なかなか良いと思っているよ」


 全く質問とは違う答えを返しながら、紫苑は少しずつ近づいてくる。菫も後ろに下がったが、壁に当たってしまい、身動きが取れない。


「さて、」


 菫の手を優しくつかみ、紫苑は静かに語った。


「君には私と結婚してもらう。勿論、側室としてだが・・・・・そして、囮になってもらう」


「囮・・・?」


「そう、私は君の故郷の国が欲しい。そのためには戦をしなければならない。あの国の世継ぎである銀木犀は、君の事を気に入っているらしくてね。その君が私と結婚したとなれば、必ず攻め込んでくる・・・・」


「私を、戦の道具にするつもりですか?」


「そういうことだね♪」

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