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06.家族もいたんだね……って!イケメン兄かよ!!しかも溺愛か!

(あ、家だ……)


 街灯が灯る道をだいぶ泣き止みながら歩いていると、自分、彩衣の家だと何故か分かる一軒家についた。


(おーおー、いい一軒家だな。ほんと二次元によくありそう小綺麗な一軒家。中も綺麗なんだろうなぁ……)


 そんなことを思いながら私は少しドキドキしながら中へと入る。


 鍵かかってるかな?と、思いながら取っ手をガチャっと押すと開かなかった。

 引いてもダメ。


 鍵ー……鞄の中にあるのかな?

 ガサガサと鞄の中を漁っていると、パタパタと近づいてくる足音が聞こえた。


 ガチャリと、扉が開く。


「あ!やっぱり彩衣!!もう!こんな遅くまでどこ行ってたの!!!」


 あらまー……ユキ。先生絵柄の美女……お母さんだろうなぁ……。


「あーはは、ごめん、お母さん。ちょっと、一凛と神社行ってて」


「……お母さん……?」


 美女はきょとんとしている。

 あ、まずった。呼び方間違えたか。


「あ……マ、マ?」


 こっちかな?と、言ってみる。


「どうしたの?神社行ったってなんで?何かあったの?」


 美女は困惑している。

 すると、2階からバタン!と扉の音がして、ダダダ!と階段を駆け下りてくる音がした。

 何事かと思っていると、



「彩衣帰ったのか!!??大丈夫か!!??変質者にあったりしてないか!?何事もないか!!!???」



「っ……」



 目の前に、ゲームには現れなかったユキ。先生の絵柄の長身短髪体育会系イケメンが現れた。

 私は神薙くんのこともあり、もうキャパオーバー。イケメンオーバー。ぶっ倒れそう。



隆乃介(りゅうのすけ)!家壊れるでしょ!」



 美女……彩衣の母が怒っている……。

 もう一人のイケメンは……年齢的に彩衣の兄……だろう。



 そうか……ゲームの中では一人一人、人生がちゃんとあるんだね……こんな人もいたんだね……。



 それにしてもイケメンやろが。

 私はイケメン摂取多量でその場にしゃがみこんだ。



「彩衣!大丈夫か!?やっぱり何かあったのか!!??警察!!警察に!!!」



 あー……なんか彩衣ちゃんお兄ちゃんに溺愛されてるっぽいな……まずい。



「……お兄ちゃん……大丈夫だよ……ちょっと……疲れただけ……」



 私は仕方なしに立ち上がり、イケメン兄に笑顔を向ける。


 すると、母と兄らしき人物がきょとんとしていた。



「彩……衣……?」

「彩衣……あなた本当に大丈夫……?」



 兄は絶句し、母は怪訝な顔をしていた。


「え?何が?」


 私が返すと、



「いつもなら、『うざいな!ブラコン兄貴!いい加減彼女でも作って妹離れしてよ!』とか言って蹴っ飛ばしてるのに……」



「えええ!!??」



 このイケメンを!!??と、私は叫びそうになって口を塞いだ。

 さすがにそこまで言ったらまずい。


 そうか……でも彩衣ちゃんならそう言いそうだなぁ……と、私はどうしようかと考える……。


 彩衣ちゃんを演じるか……それとも……




「お母さん、お兄ちゃん。私は今日、思うところがあり、心を入れ替えました。なので、今日から今までとはちょっと違う私かもしれないけど……心配しないでください!お兄ちゃん!今までごめんね!これからは仲良くやろうね!」




 私はイケメン兄に向かってにっこりとほほえんだ。



「あ……彩衣……」



 兄はつぅっと涙を流していた。

 そして、


「おわっ!」


 私をかばっと抱きしめ。



「俺の長年の愛がようやく伝わったか!!彩衣!!!!お兄ちゃんは!!!お兄ちゃんは!今!猛烈に感動している!!!!」



「あはは……」



 ちょっと変わったお兄ちゃんかもなー、これは……。

 私は少し後悔しつつも、まぁ、イケメン逞し系お兄ちゃんに抱きしめられるのは悪くない……。

 と、兄の腕の中で、ニヤニヤとしていた。



 ただ、禁断の愛には気を付けないとなー。と、思っていた。

 まぁ、それはそれでいっか。

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