体が求めている
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
疲れた時には肉が一番です。
帰って来て、疲れて、何もしたくない筈なのに、何故か何時も俺を寝室に誘って一つになる。そうして何時も終わった後には、此方の意向を全て無視して、気だるく布団に包まっている。
大抵、朝方に全ての疲労が押し寄せて来るようだった。朝目覚めると不機嫌そうな顔をして頭を抑え、トイレに籠って腹痛を訴える。
此方の気分? 理不尽な目に合わされ過ぎて、複雑である。
「疲れているなら、大人しく寝ればいい物を。疲れを更に悪化させてどうするよ」
「……疲労感と情欲は比例するんだよ。……それに寝れないんだ。全然寝れないの」
朝食を囲む為に椅子に座った彼女は、未だに疲労感を引き摺っているのか、眠そうな半眼だった。『気持ち悪い』と言いながらも食は喉を通る様で、何時までも布団に包まる事はしない。
彼女は先にサラダに手を伸ばし、口に押し込めて行く。半眼が閉眼に変化する。
姿勢の正しさ、食べ方の美しさから、傍から見れば味わっている様にも思えるが、その実『眠い』という考えしかないことは俺だけが知っている。
次に昨日の残りである、焼き魚に手を伸ばす。すると閉ざされた目が完全に開く。
「私は毎日だって、君と混ざりたいと思ってるよ。でも身体がヤワだから、持たないんだよね。昨日だって、君をそっちのけで頂上を見たし。続けてしようにも感度の神経系が死んでるから、二回目は無理だし。今朝だって頭痛と胃のむかつきがあるし。はぁ……全部チグハグ。忌々しい」
食事中にする様な話を全くしていない。枕で育む様な生々しい睦言を容赦なく言う。最初の頃はドン引きしていたが、今は大分慣れた。おかしい事には自分でも分かっている。
疲労感の上手い癒し方を出来ないのだと思う。だから徹底的に体を壊してから、英気を養う。生半端な休息は、この色情狂の欲を擽るだけだから。
「一緒に昼寝するか? 昨日ので大分落ち着いただろ」
「……寝てくれるの?」
延々を魚に伸ばしていた手が止まる。ついでに目を開く。大分何時もの彼女になってきた。
「手を出したら許せ」
昨日は中途半端で捨てられたもんで。不満が無い訳では無い。
「感度死んでるし、明日も似た症状が出るなら良いよ。休みだしね」
そう言ってまた、サラダに手を伸ばす。目は閉ざされていた。
「今一番身体が求めているのは、肉だったわ。嫌でも目が開く」
あとがきも相変わらず際どいですよ。
疲労感が一定のライン行くと、寝たくても寝れないんですよ。
だから容赦なく体を叩き壊して寝るんです。
俗に言う、疲れた時ほど窮地に追い込まれているってヤツです。恥ずかしいので言いませんが。
彼女の症状、ネットで検索していたら出てきたんです。
心と体の状態が一致しない。
体の休め方が分からないから、そっちの方に振り切る。
単純に不器用なんです。
そうして疲れている時って、食事時も目を瞑るんです。
野菜とか炭水化物の時には半眼でしたが、肉を食べていると目が覚めるので、体が求めていたんだなと。