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87話 三人の恋人

「ええと・・・これは・・・」




 ・・・どこまで説明すればいいのでしょうか?




「わたしがルル様と主従の契りを交わして下僕となったのです」


「何よ!それ!」


「わわっ!違います!お友達になる約束をしただけです!」


「なんで友達になるのに裸になってたんだ?裸の付き合いって奴か?それならオレもルルとしてるけどな!」


「あたしだって!いつもルルとは裸の付き合いだもの!」




 ・・・そんなにいつもではありません・・・


 って言うか、なんでみんなボクとの裸の付き合いを自慢をしてるのでしょうか?




「ええ、ルル様がお二人の事を深く愛していらっしゃる事は存じております」




 わわっ!キラさん、そんなはっきりと・・・




「当然だろ!」


「そんな事当たり前じゃない!」


「でも一番はオレだからな!」


「付き合いはあたしの方が長いんだからね!」




 またしてもレィナちゃんとソラ君は言い争いを始めてしまいました。




「あのっ!・・・ボクは三人とも大好きです!」




 ・・・ボクは思わず叫んでしまいました。




「正式にお付き合いしているソラ君には申し訳ないのですが・・・ボクはレィナちゃんの事も、キラさんの事も、ソラ君と同じくらい好きなのです!」




 ついに、はっきりと宣言してしまいました!


 でも、何だか・・・すごく自分がふしだらな人間になったみたいです・・・




「いいんじゃねえの」


「ソラ君?」


「人を好きになるのは悪い事じゃねえだろ?」


「でも、ソラ君の事を裏切ってしまいました」


「まあ、独り占めしたいって気も無くはねえけどな・・・でも二人とも悪い奴じゃねえし、オレは構わねえ」


「・・・ソラ君・・・」


 ソラ君はやっぱり心が広いです。




「何上から目線で言ってるのよ!先にルルの事を好きになったのはあたしなんですからね!」




「・・・えっ!・・・レィナちゃんはジオの事が好きだったでは?」


「はあっ?あたしは最初からルルの事が好きだったのよ!でもあんたが女の子になりたいって言うから、あたしが変に縛る訳にいかないじゃない!・・・だから、気を紛らすためにジオの事を好きになろうとしたけど・・・それも失敗しちゃったのよ!」




 ・・・レィナちゃんが・・・ボクの事を好きだったなんて・・・




「だから・・・今、あんたに好きって言われて嬉しかったんだからね!」


「レィナちゃん・・・」



「あんたは女の子でいたいだろうから、女のあたしよりも男の子の彼氏が出来た方がいいと思って、ソラとの付き合いも認めたし、キラの事はあたしもちょっとだけいいなぁって思ったぐらいだから、認めてあげるわ!」


 そんなソラ君も、体は女の子だったのですが・・・


「でも、やっぱりあたしもルルと付き合いたいもの!ソラやキラとは体が男同士でも愛し合ってるんだし、女の子同士でも別にいいんじゃないかなって思い始めてたのよ!むしろ体は男と女なんだから、あたしの方がルルとやれちゃうんだから!」




 ・・・相変わらずレィナちゃんは思った事をはっきりと言います。


 って言うか・・・やっぱりレィナちゃん、ボクとやる気満々だったみたいです。




「わたしはルル様の望むままです。お好きな様にお申し付けください」


 キラさんは徹底してボクに絶対服従の様です。




「ええと・・・みんな、この状況を受け入れてるって事なのでしょうか?」


「ああ、そうだ!」


「そのとおりよ!」


「仰せのままに」



「・・・あの・・・ボクはみんなが好きで、みんなもボクが好きって事はわかりました・・・でも、この状況をどうしたらいいのかボクにはすぐに答えが出せません」




 ・・・みんながボクを注目しています・・・ボクの次の言葉を待っています。




「・・・あの・・・しばらくはこのまま、四人で一緒に旅を続けるという事でいいでしょうか?旅の中で何か答えが見つかればいいかなって思います」




「ああ、それでいいんじゃね」


「とりあえず今までと同じって事よね?」


「わたしはどこまでもルル様について行きます」



「皆さん、ありがとうございます」




「でも、これで、一応三人ともルルの恋人になったって事でいいのよね?」


 そう言ってレィナちゃんがボクの唇にキスをしてきました!


「あ!ずりい!じゃオレも!」


 レィナちゃんを押しのけて今度はソラ君がボクにキスをしました!


「何すんのよ!」


 レィナちゃんがソラ君をボクから引きはがします。


「邪魔すんな!てめえ!」


 二人が取っ組み合いを始めてしまいました。




「では、わたしも」


 その隙にキラさんもボクにキスをしました。




「あのっ!・・・みんな!まずはお友達でお願いします!」




 ボクは思わず叫んでしまいました。






 ・・・体は男で心は女のボクに、まともな恋愛なんてできる訳がないと・・・ずっと思っていました。


 でも、気がつくとこうやって、両思いの恋人が、なんと三人も出来てしまったのです。




 それぞれが、ちょっと普通じゃないのかもしれないけれど、みんな素敵な人たちです。




 恋愛というのは何が正解なのか、ボクにはまだわかりません。


 いつかこの中から一人を選ばなければいけない日が来るのかもしれません。


 でも今は、この4人一緒の生活を めいっぱい楽しもうと思います。


第三章 完結です。しばらく間を空けてから再開する予定です。


その間に別の連載を始めます。

人類が滅亡した後の世界のアンドロイドの恋愛の話です。

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