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7話 女の子達とデート

 今日は学院に入学してから初めての休日です。


 仲良くなったクラスの女子数人で町に買い物に行く事になりました。


「わあ!ルルちゃん、大人っぽいね!」


 ボクは私服の時は落ち着いた雰囲気のロングスカートが多いです。

 背が高くて顔もちょっと大人びているので、よく年上に見られます。


「レィナちゃんも可愛いね」


 レィナちゃんは膝上のかわいらしいスカートに、肩を出したトップスです。


「胸・・・すごいよね!」


 レィナちゃんの、少し胸元が開いた服から見える胸の谷間がみんな気になるみたいです。


 レィナちゃんは12歳にしてはかなり胸が大きいです。

 他の子は、まだレィナちゃんほどの谷間ができる子はいないみたいです。


 レィナちゃんのお母さんのレィアさんはものすごく胸が大きいのできっとレィナちゃんも大きくなるのでしょう。


 レィアさんの胸を見てお母さんはいつも羨ましがっています。


 ボクはお母さんの胸の大きさと形はとてもバランスが良くてきれいだと思っているのですが、お母さん的にはもう少し大きくなりたいみたいです。


 


 ・・・ボクには全然胸がありません。


 まあ、仕方ないのですが・・・・


 同世代の女の子で、まだ全然胸が膨らんでいない子は他にもいるのですが、これからボクだけが取り残されていくのかと思うとちょっと悲しくなります。


「胸なんて大きくても剣術の時に邪魔なだけだわ!あたしは胸は小さい方が良かったかな」

 

 落ち込んでいるボクを見て、レィナちゃんなりに気を使ってくれたみたいです。


「でもほら、やっぱり胸が大きい方が男子にもてるじゃない?」


 クラスの女の子がレィナちゃんに言いました。


「だけどあたしよりルルの方が男子に人気だったじゃない?やっぱり胸だけじゃないと思うけどな?」


「ルルちゃんは別格だよ。美人て言っても限界を超えた美しさだもん」


 本人を前にして、持ち上げ過ぎだと思います。

 ボクは恥ずかしくなってしまいました。


「まあ、ルルの場合、両親とも究極の美男美女だからね!」

「ララ先生ってほんときれいだよね、見た目も若いし、うちのお母さんなんてもうおばさんだよ」


「ルルちゃんのお父さんの先代の勇者様もイケメンだったって聞いたけど?」

「うん、うちの両親が親しかったらしいけど、究極のイケメンだったみたいだよ」


「ええ、残念、見たかったな。でもジオ君ってそこまでイケメンじゃないよね?」


 ・・・本人なんですけど、学校では変装(?)してますからね。


「そうそう、なんか地味な感じだよね、っていうかメガネで顔がよくわかんないけど」




 お父さんのメガネは、なんかすごい度が入っています。

 前に、あれで見えるのかと聞いたら、目が見えなくても特に困らないと言ってました。


 『勇者』っていろいろすごいみたいです。




「あたしの両親の話ではルルを男にしたら先代勇者様にそっくりらしいよ」


「えっ!・・・ルルちゃんそっくりの男子・・・・」


 友達たちは、ボクを見つめながら、何やら変な妄想を始めたみたいです。


「ルルちゃんが男子だったら・・・もう恋に落ちてるかも・・・」

「わたしも、ルルちゃんが男子だったら、身も心も捧げていいかも・・・」

「ううん、女の子でも構わないや・・・ルルちゃんといけない関係になりたい」


 おかしな雰囲気になってます。


 ボクはそういうアブノーマルなのはちょっと・・・あれ?でもアブノーマルじゃないのかな?


 どちらにしても、どうも実感が湧きません。


「ちょっとみんな!あたしのルルに色目使わないでくれる?」


 レィナちゃんがボクに抱きつきました。

 そして顔を近づけてきます。

 レィナちゃんの唇がもう少しでボクの頬に触れそうです。


「えっ!ふたりはそういう関係だったの?」

「まあね!いずれ分かる事だったし!」


「ちょと!レィナちゃん!何言ってるの!」


 レィナちゃん、どういうつもりなんでしょう?

 レィナちゃんが好きなのは・・・お父さんですよね?


 ・・・いえ、それもダメなんですけど・・・


「なんてね!冗談はさておき、ルルが究極の美少女なのは間違いないからね」


 ・・・よかったです。冗談でした。

 一瞬、本気なのかと思ってしまいました。


 でも、さっきからレィナちゃんの胸がぐいぐい押し付けられています。

 レィナちゃんの胸は、やわらかくてとても気持ちいいです。


 そして、髪からは女の子特有の甘くていい香りがしてきます。

 ボクも、ちょっとだけ変な気分になってしまいそうです。


 女の子同士でもこういう気持ちになるのでしょうか?


 あれっ?でも、体は男の子だから、これは普通の感情なのでしょうか?


 ・・・ちょっと、よくわからなくなってしまいました。




 でも、一つだけ確かな事は、ボクはレィナちゃんの事が大好きって事です。




「さあ、みんな!次はあそこのアクセサリー屋さんに行きましょう!」


 レィナちゃんはボクを放すと唐突にアクセサリー屋さんに向かっていきました。


 こういう自由奔放なところがいつものレィナちゃんです。

 ボクは昔からいつもそんなレィナちゃんを追っかけてばかりです。


「まってよ!レィナちゃん!」



 でも、結構それを楽しく感じています。


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