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53話 三日目の決心

 次の日もボクとソラ君は少し遅めに目が覚めました。


 昨日も夢中になり過ぎて結局明け方近くに寝たのです。




 朝食を食べにソラ君と二人でダイニングに行くと、エルさんとレィナちゃんの二人は昨日以上にニヤニヤして待っていました。


「おはよう!どうだった?ルル!」


 レィナちゃんが食いつき気味に聞いてきました。


「おはようございます、ソラ君、どうでしたか?・・・・その・・・お尻の方は?」


「ああ、うまくいったぞ!いい感じだったよな?ルル」


「はい、だいぶ上達したと思います」




「ンまああああ!どうしましょう!レィナちゃん!」


「ええ!すごいわ!ルル!もうすっかりあたしよりも大人だわ!」


  二人の盛り上がり様も、昨日より激しいです。



 ・・・二人の異様な興奮度合いを見て、さすがにボクにも二人が何を勘違いしているのか分かってしまいました。


 

 ・・・早めに誤解を解いておいて方がいいですよね?



「あの・・・その事ですが・・・」




「ソラ君!やっぱりお尻の方が良かった?良かったのかしら!」


 エルさんがボクの声を遮ってソラ君に迫っています。


「ああ、確かに尻の方が感じが良かったな。ルル!そうだろう?」


「はい、確かにそうですが・・・あの、そういう事ではなくてですね・・・」


「まあああああ!初回からそんなに感じるなんて!ルルちゃんには素質があったのね!」


 エルさんが異様に舞い上がっています。


「まさか・・・ルルにここまで差をつけられるなんて!」


 レィナちゃんは結構ショックを受けたみたいです。


「ああ、ルルには間違いなく素質がある!オレが保証するぜ!」



「はううううううっ!あたし、またちょっと主人に用事が出来てしまいました!」


 エルさんはそういうと、ダイニングから飛び出していきました。


「あ、あたしもちょっと部屋に戻るわね!」


 レィナちゃんも飛び出していきます。




 ・・・なんか・・・完全に昨日と同じ展開になっています。




「これってもう一泊するって事だよな?」


「あの・・・次はボクが説明するのでソラ君は黙っててもらってもいいですか?」




 ・・・誤解を解かないと、永遠にこの繰り返しになりそうです。




 でも結局この日も、二人に上手く説明が出来ないまま、夜を迎えてしまいました。




 ちなみに、入浴時のレィナちゃんは昨日より更に危ない感じで、何かにつけては切なげな顔でボクのお尻を触ってきました。


 ボクは少しだけ身の危険を感じてしまいました。




 ・・・そして、今夜もソラ君と寝室で二人きりになりました。


「じゃあ、今日も昨日と同じ様にやってみるか」


 ボクはソラ君と背中合わせでベッドに横になりました。



 そして、ソラ君は下着の上を脱ぎ始めた様です。


 ・・・ボクは思い切ってソラ君に提案しました。


「今日は・・・全部脱いでやりませんか?」


「どうしたんだ?昨日と同じでも構わないぞ」


「・・・でも昨日は脱ぎ掛けの下着が気になって、少しだけ集中できなかったので・・・それに、肌の接触が少しでも多い方がいいんですよね?」


「それはそうだが・・・いいんだな?」


「・・・はい・・・大丈夫です・・・でも、こっちは絶対に見ないで下さいね」


「ああ、それは守る!」


「・・・では、そうしましょう」



 ボクは恐る恐る、下着を全て脱ぎ去りました。


 ソラ君は素早く脱ぎ去っている様です。



 ・・・ついに、男の子と・・・大好きなソラ君と二人で、ベッドの上で完全に裸になってしまいました!


 何となく体が火照ってきています。




 ・・・実はこの提案をしたのには理由があるのです。




 ソラ君に・・・ボクの体の事を打ち明けようと思ったのです。




 裸で一緒に共同作業をして、強い共感を得られるこのシチュエーションは、ボクの秘密をソラ君に打ち明ける絶好の機会ではないかと思ったのでした。



 『念』の訓練で良い結果が出て、一緒に喜んでいるその瞬間であれば、ソラ君にボクの体を見せて、全てを話す事が出来そうな気がしたのです。




「じゃあ、始めるぞ!」


 ソラ君がお尻をくっつけてきました。


 心無しか、ソラ君のお尻も昨日より温かい気がしました。


「ソラ君?お尻が温かくないですか?」


「・・・すまん、ルルが裸になってるって思ったら少し意識しちまった。だが変な事は絶対しないからな!安心しろ!」


「はい、ソラ君の事は信用しています」


 ソラ君だから、裸になっても安心して体を預けられます。




 背中全体を密着させると、背中全体がすでに温かくなっていました。

 ソラ君の熱を感じて、少しだけ嬉しくなりました。



「昨日で微弱な『念』の感知は十分に出来る様になったから、今日は逆に大量の『念』を送り込む。それに慣れてもらうぞ」


「・・・それって、大丈夫なんですか?」


「ああ、ルルは俺の『念』と相性が良いみたいだから大丈夫だろう。実は連日の特訓はオレも『念』のコントロールの訓練になってたんだ。今までよりも『念』を思う様に操れるようになって来た。悪いがオレの練習も兼ねて付き合ってもらいてえんだ」


「そういう事だったら協力します。ソラ君の力になれるなら嬉しいです」


 ソラ君にはボクの訓練だけに付き合ってもらっていると思っていたので、ボクもソラ君の役に立っていたと聞いて嬉しいです。




「まずは下っ腹に『念』送り込む。腹に力を入れて待ってろ!」


「はい!いつでもどうぞ!」


 ボクはおなかに、ぐっと力を込めました。


「じゃあ、行くぞ!」



 ・・・おなかに、どんっ!と強烈な衝撃が来ました!


「うっ!」


 強烈でしたが、痛みも不快感もありません。


 うまく言えませんが、ソラ君自身がボクの体の中に飛び込んできた様な感覚です。


 これが『念』なのでしょうが、ソラ君の『念』である事が、はっきりと認識できています。


 それをボクの下腹部でしっかり受け止める事が出来ました!



「大丈夫か!ルル!」


「はいっ!しっかりと受け止めました!」


「わりい!まだコントロールが完全じゃねえんだ。強すぎなかったか?」


「びっくりしましたけど大丈夫です」


「そうか、さすがだな、じゃあこの調子でいくぞ!」


「はい!お願いします」


 下腹部の『念』がゆっくりとソラ君に戻っていきました。


「次は胸だ!息を止めて踏ん張れ!」


 息を止めて肺に力を込めました。


 すると胸の真ん中に強烈な『念』が飛び込んできました!


「今度も大丈夫です」


「いいぞ!次は鳩尾だ」


 お腹に力を込めて受け止めました。


 ・・・だんだんコツが掴めてきました。


 ソラ君が色々な場所に強力な『念』を送り込んできましたが、問題無く受け止められる様になりました。



「慣れてきたみたいだな。じゃあ、これからは場所を言わずに次々行くぞ!」


「はい!難しそうですが頑張ります!」




 ソラ君はランダムに『念』を送り込んできました。


 ボクはどこに来ても良い様に、全身に意識を巡らせます。


 お腹や胸、お尻など、どこに来ても対応出来る様になっていました。


「いい調子だ!最高だぜ!ルル!」




 ソラ君も調子にのって、いい雰囲気です。


 ・・・このまま最後にソラ君の方を振り向いて、全てを打ち明けても、ソラ君は間違いなく受け入れてくれる気がします。




「じゃあ、次はもっと強めに行くぞ!」



 ソラ君の次の念は下腹部の下の方に来ました!


 これまでで一番強烈な『念』です。



 ・・・でも・・・これは!・・・強すぎて受け止めきれません!


「しまった!強すぎたか!」


 下腹部に思いっきり力を込めても受け止めきれず、強烈なソラ君の『念』は、下腹部を通過して更に前の方に行ってしまったのです!




 ・・・えっ!・・・そこはっ!




「・・・んっ!だめっ!」



 

 今まで感じた事の無い強烈な衝撃をそこに感じました!




「あああああっ!」




 ・・・ソラ君の『念』が・・・ボクの体の、あの部分に入ってしまったのです・・・





 ・・・そして・・・それは・・・これまで見た事も無いほど大きくなっていたのです!


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