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生還からの報告

 無事に外に出ると隼人とスーツ姿の二人組と冒険者らしき人が居た。


「先輩!無事に戻ってきたんすね!入ってから一時間しか経ってないっすけど途中で引き戻してきたんすか?」

「いや、最後まで攻略してきたぞ?てか一時間しか経ってなかったのか。んで?その後ろの方達はどなたさん?」


 スーツ姿の一人が俺の前に出てきて名刺を渡してきた。


「ダンジョン課の佐々木と申します。今後ともよろしくお願いします」


「ども、今名刺持ってないんで申し訳ないです。高峰と申します。それとこれが私の冒険者カードです」


「拝見させてもらいます。うん、大丈夫ですね。今回の件について詳しく高峰さんの方から聞きたいのですが、ご都合よろしいでしょうか?」


「どうせ調査が終わるまでこの現場もストップですから大丈夫です。因みにコアは触ってないので安心してください。それと少し弟子と話をしても良いです?」


「構いませんよ。あちらで待機してますので終わり次第お越しください。それでは今から早速調査させてもらいます。水戸部さんよろしくお願いします」


 水戸部と呼ばれた男性はしっかりとした装備をしていた。俺とは大違いやな。剣に盾、正しく冒険者と言った感じや。冒険者の見本みたいな感じですなぁ。

 とりあえず隼人と今後について話をしないとやな。


「隼人、とりあえず今日はもう仕事終わりな。んで向こうの車で俺は拉致られるみたいやから俺の車はお前が乗って帰ってくれな」


「了解っす!夜にしっかりダンジョンの話聞かせてくださいね?」


「早く話が終われば飯でも食いに連れてってやるけその時にな、また後で電話するわ。んじゃ拉致られてくるな」


 佐々木さんの元に向い、ダンジョン課専用の車で近所の冒険者ギルドまでドナドナされました。ダンジョン課…LEXUSに乗ってるなんてどんだけ羽振りがええねん。


 冒険者ギルドに着き、ダンジョン課の佐々木さん他一名とギルドのサブマスターである兎山さんとおばちゃんが一人。

 因みに兎山さんは結婚願望のある27歳の女性である。何故か講習を受けた時に連絡先をしつこく聞かれて交換したのはいい思い出だ。


「それでは高峰さんに今回のダンジョンに付いてお話を伺います。まず最初に聞きたいのはなぜダンジョン課の私達が到着するまで待機していなかったのですか?」


 さぁ取調べのはーじまりだよー!どうせ佐々木さんも兎山さんも嘘発見器みたいな魔道具を用意しとるやろから全て真実を話すしかないよな。


「自分の現場がダンジョンになったから道具を取り返しに入った。以上!」


「高峰さんらしいですね。確かにダンジョン保険が利くとしても工事現場では半額ですからね。私に連絡してくれたら飛んで行って一緒にダンジョンデートしたのに!」


 ダンジョンでデートとかしたくねーよ。それに本当に兎山さんに連絡するとすっ飛んできそうだから嫌やねん。


 そこからはダンジョンで現れた魔物に宝箱のアイテム、ダンジョン内の詳細なんかも全て話した。もちろん自分のステータスも全部報告済み。

 アイテムについては兎山さんに付いてきていたおばちゃんがアイテムの鑑定をしてくれるとの事なのでエコバックとポケットにしまい込んでいた魔石を出した。

 因みに、鑑定おばちゃんの名前は新垣優衣香と言うらしい。ガッキーですね、はい。


「あらあら、可愛らしいエコバックねぇ。高峰さん、この中身は空なのかしら?」


「ポーションとヘアバンドは入れたけど?何か他にも有った?」


「他にも何か入ってるみたいよ?エコバックに手を入れたら分かるから取り出してみてね」


 言われた通りに謎エコバックに手を入れると、あら不思議…普通のエコバックとか違って謎空間に手を入れた感触だ。エコバック謎空間に手を入れた瞬間にどんな物が入っているのかが何故か分かった。


「これは…俺の使ってた道具達が入ってる?」


 そう言いながらな片っ端からテーブルの上に道具を出していく。

 コンプレッサーに各釘打ち機、その他にもモバイルバッテリーに現場で音楽を聴くためのマキタのスピーカー。他にも何でか知らんけど木材までもあった。そしてダンジョンで手に入れたポーションに大工モドキゴブリンが装着してたヘアバンド…

 てかこんなにエコバックに入ってたの?!折り畳めたのに?!うそん?!


「これで全部っすね。このエコバックにこんなに入ってたのが不思議なんやけど…」


「だってそのエコバックはマジックバックの一つだもんねぇ。エコバック型の収納袋なんて初めて見たわぁ、買い物が楽になりそうよね」


「まさかのマジックバックですか…新垣さん、これ全部鑑定をお願いしても宜しいですか?費用はダンジョン課が持ちますので」


「高峰さんが持って帰ってきた道具類は全部魔道具になっちゃってるわねぇ。電気不要の魔石が有れば動く様に進化してるわ。ポーションは三本とも低ランクポーションで、このヘアバンドは癒しのヘアバンドって名前の防具になってるわ」


 俺の道具達が進化して戻ってきやがったよ。コンプレッサーは電気が要らない代わりに魔石で動き出すという代物。魔石は俺が持って帰ってきた魔石一つで一日持つらしい。

 釘打ち機達もエアー要らずの魔石が必要釘打ち機に変わってる。武器として使えるか聞いてみると多分使えないと言う答えだった。何せ釘打ち機だしな。インパクト達も同じ様に変わっていた。

 木材は現場にあった物が変異しているらしい。杉の45×105の間柱が魔杉とかいう角材に変わってた。

 掛矢の柄を変えようと思って樫の木の角材も置いてたけど、それが魔樫の角材に…魔杉は火と水に強くなりいい木材との事。魔樫はとてつもなく固いと、さらにこの魔樫に魔力を込めると更に硬くなるとの事やけど…これで掛矢作ったらやばい事になりそうやな!オラわくわくすっぞ!

 そして最後に俺のヘアバンド。癒しってなによ。

 効果は疲れを癒す効果があると言うが…どれだけの効果があるのかは鑑定では分からないとの事。



 これ全部をギルドで売るとしたら二百万で買い取ると言われたけど売らずに自分で仕事に使うよね。


 因みにエコバックは新垣さんが欲しそうに指を咥えて見てたけどガン無視を決めている。

 兎山さんも真似して指を咥えないの。貴方はエコバック要らんやろ。料理は出来ないんじゃなくてしないの!とか言ってた癖に。










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