いざ突入!
「先輩どうするんすか?現場がダンジョンになってしまったっすよ?役所のダンジョン課に連絡します?」
「いまここで連絡したら俺の道具達がなくなるやん!それは許せん!」
そう、もし人がいる建物がダンジョン化すると中にあるものが全てダンジョンの中に取り残されてしまうのだ。
ダンジョン化しても人は何故か建物から弾き出され、動物はそのままダンジョン化に巻き込まれモンスターとなってしまう。
そして、もし住居がダンジョン化した場合は建物に家具や家電は全額補償されるのだが、俺の現場のように工事中の建物なんかは損失した金額の半分しか降りないのだ。
「新品のMAXのコンプレッサーに90と65と50の釘打ち機にマキタの40vのインパクト2台に18vのインパクト2台…腰袋だけは外で外したから残ってるとしても金額がヤバい…これをこのままにしたら半額の値段しか戻ってこない…」
「ちょ、先輩?なにをぶつぶつ言ってんすか?気味悪いっすよ?」
このままダンジョン課に連絡して対応してもらった方が良いかも知れんけど俺の道具は戻ってこない。しかも買った値段の半分しか戻ってこない。
ならどうするか?やるしかねーよな?
とりあえず冒険者登録だけは済ませてるからダンジョンアタックしても怒られることはあるかもやけど罪になることは無い。
ならやることは一つしかない。
「隼人!車に掛矢あったよな?それと1200のバール持ってこい!」
「え?!まさかとは思うっすけどダンジョンに行く気っすか?!辞めといた方が俺はいいと思うっすけど」
「泣き寝入りなんか俺は出来んけん!はよ持ってこい!俺は一応は冒険者登録終わっとるけん何とかなる!ダンジョン初アタックやしレベルは上げとらんけどなんとかなるやろ!」
「なんとかなる気がしないのは俺だけっすか?!先輩はダンジョンに行けたとしても俺は無理っすよ?!登録してないんで」
「俺一人で大丈夫やけお前は俺がダンジョンに入ったらダンジョン課に連絡してくれ。掛矢とバールがあれば何とかなるやろ。それに腰袋に金槌もあるけ3つの神器が俺を守ってくれるやろ」
「掛矢とバールと金槌は神器なんか違うやん…はぁ、行くのは良いとしてもヘルメット位はして行ってくださいよ?何かあったら俺が美穂さんに殺されますからね?本当にお願いしますよ?」
とりあえず防具としてヘルメットはしないとだな。
後はワークマンで買った作業服に地下足袋…腰袋には金槌以外にもスケールやミニバールやポンチとかあるけど金槌以外の武器になりそうに無いものは隼人に預けて行くとするか。カッターは…一応持って行っておこう。
後はタバコもね。
美穂については今はスルーしておくとして…
「さーて装備は万端!天気もダンジョンアタック日和!俺の気持ちは高ぶってる!翔…行っきまーーーす!!!」
「どこぞのガンダムパイロットなんすか?!気をつけて行ってくださいね!先輩が入ってからちょっとしてからダンジョン課に連絡するんで!」