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9.エレベータ
「着いたわよ。明日はゆっくり休んで
いい!明日は休日!
休日は休む!わかった??」
自宅マンションの地下駐車場に車が止まる。
相変わらず美里は心配性だ。
そんな美里に自然に笑ってしまう。
「運転ありがとうございました。
美里もありがとうね。
また明後日からよろしくね」
2人に挨拶を済ませ車から降り、
車が見えなくなるまで手を振る。
さぁ、自分の家に帰ろう。
次のアルバムはどんなテーマにしよう。
そんなことを考えながら
色んなセキュリティを解除しながら
エレベーターに乗る。
「何階ですか?」
「あ、17階です。
ありがとうございます」
エレベータのドアが閉まる。
「そらちゃんは17階に住んでるんだね。」
「え?」
顔を上げた時
ボタンの前に立っていた男性は私の前に移動していた。
「綺麗だね。そらちゃん。」
この人何を言っているの?
どうしよう・・・声がでない。
足が動かない。
「そらちゃん。僕のこと覚えてる?
僕のこと好きって言ってくれたよね?
今日ね、結婚届持って来たんだ。
後はそらちゃんがサインしてくれたら
僕たちめでたく夫婦だよ!」
・・・頭の回転が追い付かない。