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残響

作者:

 地下に造られた駅の構内は例のごとく雑踏で満たされていた。

 耳どころか全身を包み込むその騒がしい響きはどこまでも私の耳に届いた。最初の頃こそ不快に感じたが上京して数か月も経つと不思議と耳にはなじんでいた。

 改札と人波をかき分け、目的の出口に向かう。

 出口に近づくにつれ冬の地上から流れ込む寒気が階段を下ってきていた。

 その寒さで体が冷えたからなのか、今朝飲んだコーヒーからか、催した私は近くの公衆トイレに家事を切った。

 何度か使った事のある、そのトイレは静かに静まり帰っている――はずだった。 

 だれも居ないトイレで、聞こえないはずの雑踏だけが未だに私の身を包み込んでいた。

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