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ICONOCLASM

日曜日

マサキとカズは、いつもの公園で落ち合い

カズの誘いで、カズの部屋に向かう。


通りは田舎町だからか

日曜とは言え人も車も少ない。


「入れや」


カズの部屋に入ると

壁には、風景写真やモノクロのシド・ヴィシャス

ジェームス・ディーンのポスターが貼られていた。


秋の風景、冬の風景

街並みや、田舎の風景。


カズは自分が美しいと思った風景を

写真にしていた。


用意された椅子に座って写真やポスターに

見とれていると

カズが何着か服を出してきた。


革ジャンにチェックのボンテージパンツ

細身のモッズ・スーツ

ユニオン・ジャック柄のネクタイ

どれもオシャレでロック・テイストのある服だ。


「お前にはどれがいいかな~?」

と、カズがマサキに色々とあてがってみる。


「よし!!これにしよう!!」

どうやら、決まったようだ。


ダークで細身のモッズ・スーツに袖を通す。

ネクタイはユニオン・ジャック。


「お!!いいじゃん!!

よし、なら髪もセットしないとな!!」


マサキの長い髪を、てっぺんで結び

パイナップルにする。

ワックスで毛束を作る。


「カッケーやん!!ちょっと鏡見てみ」


鏡を見て、マサキは驚いた。

ロックファッションに身を包んだ自分

奇抜な髪型


いつもの自分とは、全然違う。


「こんなに変わるんだ・・・」

マサキは内心興奮した。



カズが貸してくれた

白のラバーソールに履き替え

二人は部屋を出る。


初めてのロックファッション

少々、人の目が気になったが

それよりも、興奮の方が勝っていた。


電車に揺られ、天神まで出た。



親不孝通り(現、親富幸通り)を抜け

今夜の目的のバンド

「ICONOCLASM」が出るライブハウス

「Rotten」の扉を開けた。


中に入ると、ロックな人達で溢れかえっていた。


「すげぇ・・・」

マサキは思わず呟く


17時30分

オープニングのSEが流れ出し、客電が落ちる。

最初のバンドがステージに上がる。


「ICONOCLASM」は今夜のトリだ。


THE MODS系の男気溢れるバンドから

THE BEATLES系のバンド

ロカビリーバンドとステージは進んで行く。


マサキは初めて生で観るバンド達に

心を奪われていた。


次はいよいよ

「ICONOCLASM」の登場だ。


ボーカルはカズの友達の女の子で

「愛菜」が務める。


楽器隊は全員、男。


今までのバンドも男のバンドだった事もあり

まさに、紅一点だ。


ステージに上がる

「ICONOCLASM」


愛菜がマイクの前に立ち

「こんばんは、ICONOCLASMです」

とクールに挨拶をすると


演奏が始まった。


野性的なビートを打ち出すドラム

地を這うようなベースの低音

軽快なカッティングとノイジーを使い分けた

個性的なギター

パワフルで、時に可愛く、時に妖しく

まるで演劇を取り入れたような

ステージングのボーカル



マサキは愛菜の妖艶さと

その横でギターを弾く男、「紫道」に

釘付けになっていた。


「カッコいい!!」

マサキはそれしか、言葉が出て来なかった。



ステージが終わり

ホールでカズとコーラを飲みながら

初めてのライブの感想を話していると


「こんばんは~」

着替えを終えた、愛菜がと紫道が話しかけて来た。

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