表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

心が折れたエンジェル

おっちゃんと出会って数ヶ月


すっかり心を開き

ほぼほぼ、毎日のように家に通っていた。


奥さんの恭子さんとも、すっかり仲良くなり

まるで、兄と姉のように慕っていた。


「平和でいいな」


気持ちの安らげる場所を見つけた。


そう思っていた矢先


マサキはまた、引っ越しする事になる。


もう、何度目の転校かもわからなくなっていた。


電車に乗れば一時間ほどなので

いつでもおっちゃんには、会いに行けるのだが

正直、ウンザリしていた。


いつも、大人の犠牲になるのは子供だ。


幼いマサキは、一度精神から来る奇行で

診療内科にも入院した。

10ヶ月ほどの入院だった。


周りのお兄さんや、お姉さんが可愛がってくれた

事もあり

容態も落ち着き、退院と言う頃に

何の相談もされないまま再婚され

この町に引っ越して来た。


マサキは中学生ながら、自分の環境に

諦めを覚えていた。


「またか・・・」


ため息で片付ける事しか出来なかった。


中学二年生の夏

マサキは引っ越した。


新しい学校でも、相変わらず馴染めずには居たが

おっちゃんから

「学校には、ちゃんと行け」と言われていて

男と男の約束もあり、学校には行っていた。



おかげで、何人かの話す相手は出来たが

あまりツルむ事はせず

自分とは育った環境も違う

普通の家庭の子たちだったので

気持ちの距離は置いていた。


自分の環境とのギャップに傷付きたくない。


一匹狼を気取るほど強くはないが

一人の方が楽だとも、感じていたし

せっかく友達になっても

また、いつ別れるかもわからない。


そんな気持ちもあった。


幼い心は傷だらけだった。




もし俺がヒーローだったら

悲しみを近づけやしないのに


なんて、言ってくれる人なんて居る訳もなく

翼も心も折られていた。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ