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捕虜からはじまるゴーレム使いの異世界生活  作者: wurtzite
召された者の行方
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Part4-2 パレンシア侵攻作戦



私はエイラ・ハーゲンティ

生まれは魔都で出身はアトラス

小さい頃、時間魔法を習得し上級魔族になった

軍に配属された私は現在パレンシア進行軍の将として戦っている

私は今日の戦いを絶対に忘れないだろう



パレンシア南部 第5軍アンデッド部隊 本陣 am.10:28


「連合の練度が上がってる 長期戦になりそうね……」

「レイヴン!魔力回復陣を展開、逆行する」

「ハーゲンティ将軍!了解です!」

レイヴンという副官が将軍のサポートをする

「味方全部隊に通達、逆行と同時に前進せよ!」

念話で各部隊に連絡がいきアンデッド達が突撃姿勢をとる

アンデッドの中には傷の回復や復活できることに安堵している者もいた

逆行を今かと待ち望む隊員の顔は狂気を感じるほどだ


「うちの隊員は逆行に頼りきっている…それが練度の低さに繋がる」

「今更考えてももう遅いけどさ」

将軍が深いため息をした

「将軍殿、しかしパレンシアさえとれれば連合の軍事力は大きく下がります!」

「そうね、レイヴンの言うとうりよ」

「けどいつまでも優勢って訳には行かないのが戦争よ」

将軍は無駄話をしつつ逆行を放つ

逆行の光を浴びたアンデッドが走り出す

「10年も一緒に戦争してるんだからそろそろ降りたいわ」

「レイヴンあなたに将を任せて私が副官でいいかしら?」

「確かに長く一緒におりますが…第5軍を任せられるのはハーゲンティ将軍のみです!」

将軍は少し悲しい顔をした

「圧倒的暴力で華々しく散る なんていいかも」

「将軍、あまり不吉なことを言っては……」


その数秒後に

戦地パレンシア 帝国テイマー隊が到着


それはまさに動く山であった

1歩踏み出せば地鳴りが起き

歩く度に災害でも起きたかのように巻き込まれたもの全てが無惨に死ぬ

私は呆然とそれを眺めていた

巨大兵器の各所が光った瞬間に周りのアンデッド達が焼かれる

人類連合の爆撃と合わさって、それは地獄のような光景だ


「連合はこんな兵器持ってないわ…たぶん帝国機ね」

「たしかに帝国なら作れそうな気もしますが、さすがにこれは過剰戦力です!」

「レイヴン、さっき言った言葉を撤回するわ」

「あれに蹂躙されるのはごめんよ」

2人が話している間にも刻一刻とやつが迫る

アンデッドの足止めも最早、意味が無い

「逃げるのは無理そうね」

将軍は苦虫を噛み潰したような表情をした

「しっかりと私を捉えているわ」

将軍は1呼吸置いたあと大声をあげた


「レイヴン、12番から2番を解放!」

「目標を可能な限り破壊する」

命ぜられた副官の体が変形する

1回バラバラになった後、それは大きな槍となる

将軍は槍を空へ掲げる

「飛翔術式展開、レイヴンクロウ!」

槍が漆黒に染まり、槍の先が変形し翼が生える

その翼から緑の閃光が伸びる

「解放!!」

その声に呼応し槍は主を乗せ天へ登る

槍は軽く100mを越えて飛翔し巨大兵器の頭上をとる

巨大兵器が2人を見上げる


「来なさい化け物 出し惜しみせずにね!」

巨大兵器がシールドを展開しつつ先程のように各所が光る

その瞬間、将軍の左腕が焼き切られる

「つぅ…いったぁ 見えない攻撃かぁ」

巨大兵器がより一層輝きを増す

まるでイルミネーションのように


「まだ、ホリデーには早いわ!」

「飛ばしてレイヴン! やつの頭に叩き込む!」

イナズマのような軌道を描きつつ見えない攻撃を避ける

その姿は流星のようだ

しかし、完全には避けきれず右足を持っていかれる

「くそぉ…やるしかないかぁ」

「レイヴン!1番解放!」

その声を聞いた槍の先がバラバラにわかれ

より大きな槍先を作る、そして先が真紅に染まる

2人の姿が火球に変化した

エイラ・ハーゲンティが叫ぶ

「プロミネンス・レイ!!」

巨大兵器の頭目掛けて真っ直ぐに火球が直進する

その速度は音を置き去りにし

ソニックブームが発生した時には既に巨大兵器の眼前にいた


その後、巨大兵器の多重シールドと音速の火球がぶつかる

その衝撃波は空の雲を消し去り、地上の生き物を吹き飛ばす

火球の初撃は巨大兵器のシールドを1枚破いた


「まず!ひとつ!」

衝突後も速度は衰えず今も増加している

「2枚目ぇぇぇぇ!」

2枚目のシールドを焼き切る

そして3枚目に取り掛かったところで巨大兵器の腕が後方から迫った

迫る腕を察知したエイラは槍を握る手の力を強める

彼女の魔力が込められた槍の威力が増幅する

「貫けぇぇぇ!!」

3枚目が壊れたと同時に巨大兵器の頭を壊した

エイラの視界が爆煙に包まれる

音と衝撃で何も感知できない

エイラは一刻も早く脱出しようとしたが体が動かないのが分かった


その疑問はすぐ解決する

自身が巨大兵器の腕に捕まっているのだ


彼女達の体は技の影響で重度の火傷を負っている

レイヴンも魔力枯渇で元の姿に戻っていた

「はぁ、はぁ ここまでか……」

「十分やったと思うよ 私は…」

エイラは自画自賛する

「レイヴン、君も良くやってくれたよ ありがとう」

エイラはレイヴンの頭を優しく撫でる

巨大兵器の手の中で

彼女達は今か今かと迫る死期をさとる


「だけどね この私が何もせずただ死を待つだけ?」

そんなの絶対に嫌、腐っても軍団の長

こんな死に方後悔しかない


こいつも巻き込んでこの世から消してやる


巨大兵器は微動だにせずなにかを待っているようだった

そんなにお望みならありったけをくらわしてやる

エイラは自分の魔力のキャパシティを無視し、全てを使用する

死なば諸共よ


「逆行!!」

エイラが渾身の声をあげる


人類連合はその時、今まで戦ってきた中で観測したことの無い輝きを見たと後に語った


エイラの意識が遠のいてゆく

この後自身の遺体がどうなろうが知ったことじゃない

先祖に会う時の良い土産話になるだろう

そう願いつつ、眠った



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