Part4 パレンシア強襲
長い戦闘パートになるので
キリのいいとこで分けて投稿します
今作戦は秘匿戦である
帝国軍だと見つかった時点で作戦は失敗
作戦が失敗した場合参加した部隊は即国籍の破棄とともに魔族として友軍に処理される
転送陣にて要攻撃対象から3キロ離れた位置で待機
人類連合の攻撃と同時に戦場に乱入
第3勢力として参加 攻撃対象の確保
確保に失敗した場合は攻撃対象の排除
人類連合の殲滅に変更
テイマー隊配属から3週間後これが俺に通達された初任務であった
パレンシア南部
魔王軍第5部隊 通称アンデッド部隊の駐屯地から西3キロ
「ウル〜、まだ連合は攻撃しないの?」
「まだだ」
「早くしてよね〜、こっちは3日も野宿してさぁ」
「人類連合の集結が遅れているんだ 合流次第攻撃するだろう今日中には攻撃できると予想する」
「早く帰りたいな〜」
俺たちは丘の上から戦場を見下ろす
眼下には睨み合う2つの軍隊がある
片方はアンデッド部隊 特徴は死んでも復活し攻撃する
これは将軍の逆行と言う能力らしい
そしてもう片方は人類連合
魔族に奪われた領土の奪還が目標である 帝国と違い強力な兵器はないが元の世界で言うと2000年代程度の兵器が揃ってる
そして数で勝っており物量攻撃を得意とする
ブリーフィングで聞いた内容を復習していると人類連合の爆撃機到着し、爆撃を開始した
「お?おぉ始まった!」
「そんなに喜ぶなよ…今から殺すかもしれないのに」
人類連合の爆撃は成功した
だが突如、爆撃された辺りが光り、アンデッド達が立ち上がる
これが逆行という力みたいだ
人類連合は砲撃行いつつと第2次爆撃を始める
逆行にはクールタイムがあるのか知らないが2回目は使われていない
こっちからすると連発して欲しいのだが
アンデッドたちは後退を開始した
人類連合は少しずつ前進を始めており、アンデッド部隊との戦闘方法を知っているようだった
「連合が優勢だぞ?これが初戦じゃないのか?」
「そうね 連合はアンデッド部隊とこれで3回目の戦いになるわ」
「連合もだいぶ消耗していて今回で勝てなかったら、パレンシアは数日で魔族達に奪われるわ」
「だから今回が私たちにとっても最後のチャンスになる」
「帝国はあの将軍と戦いたくないみたいだし…」
「連合と同じようにはなりたくないからな」
そう話していると、2回目の光が見えた
半数以上のアンデッドが復活した
人類連合は前進を止め、砲撃と爆撃に専念する
「この爆撃が終わった直後に乱入するわ」
上空には真っ黒な飛行機の編隊が飛んでいる
爆撃機下部のハッチが開くと同時に俺は機体を駆け出した
「爆発と同時に戦場へ突入する」
「いよし、やりますか」
パンッ
彼女が拳を手のひらに当てる
目標地点まで2.5、 2.0、 1.5kmと近づく
木々を倒し崖を滑り降り、とてつもないスピードで走る
Arbiterのエンジンが唸る
眼下には戦場が見えるがその手前に大きな渓谷があった
「ここが地図にあった渓谷だな?飛び越えるぞ!」
事前に地形情報を確認していたがとんでもない大きさだ
「よく、軽々しく越えるなんて言えるわね!」
彼女の顔は真っ青になる
しかし機体は加速していく
「着地地点まで距離分析!」
推定500m
システムが結果をモニターに映す
「うそ…うそうそ、いくら君の機体でもこれは落ちるわ!」
彼女が絶叫した
「大丈夫だ、信じろ!」
渓谷の崖まで数歩といったところでブースターを起動する
Arbiterのエンジンが爆音を鳴らす
「ウル!信じたわよ!」
「任せろ!」
機体が宙へ飛び出す
「ブースター最大点火!!」
機体の背部が開き格納されていたスタスターが展開
Arbiterの背中には大きなロケットエンジンが完成する
エンジンに火がついたと同時にものすごいGがかかる
飛び出してから3秒後には渓谷を越えていた
「目標地点まで残り300m 見えたぞ将軍!」
機体は少しの間滑空して着地した
「隊長! 大丈夫か?」
「う、うん…うぷっ…オェ」
彼女はコックピットの端で縮こまった
「すまない…作戦を優先する」
「OK…ウル君……行って」
目標、視認 攻撃を開始する