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爆縮と体温の機知(8)

空気越しに見る世界は

靄とは言えず

不快でも無い

あくまでも曖昧であり

打つかれば実体だ

抑揚は作ればあるが

作らなければ見つからない

酸素の量は変わらず

意地と食い意地が

オールのように交互に動いて

儚さと名付けられた夢と

希望と名付けられた御伽話が

暗闇と三竦みの状態で

バランスを取っている

中心の円の中で

静かに暮らす僕達は

外側へ消えて行く人間を見て

一喜一憂するのだ


腐りかけたパイナップル

繊維が引っかかる奥歯

爪楊枝で取りながら

暫く

バライティ番組をBGMに

ラジオを聞いた

頭の中に小分けになっている部屋は

それぞれの意識による処理の仕方で

散らかっていたり

整っていたり

どうでもよかったりするんだ


空気越しに見る世界は

吸収された赤が

何処に集まっているのか

気になっている

大体の色が青なら

弾け飛べば赤い生き物の僕等は

正反対の存在だ

そんな物を生かして

バランスを取っているなら

最後はゼロになるって

信じられるかもな


懐かしい駄菓子屋の匂い

何でも一つなら買える財布

指先で選びながら

暫く

おばちゃんの声をBGMに

思い出を聞いた

頭の中で埃を被っている複数の物は

それぞれをそのままに記憶していて

一秒だけの映像

明確な思い出

曖昧な出来事になるんだ


空気越しに見る世界は

真空にした記憶が

理解しなくていい物から

曖昧になっていく

明確でなくていいのなら

完璧を目指して断罪する僕等は

内側とは正反対だ

そんな事を分かって

バランスを取っているなら

最後はゼロになるって

信じられるかもな


最後に目を瞑る時

物理的には暗闇に近い

それを明るいと呼ばせる為に

脳は魔法を使う

生きている間

正確に動いている物を

しっかりと騙すのだ

あれを最後まで見て

言葉にした人が居たかもしれない

それによって作られた御伽話は

夢を作ることが出来た

その二つに影を付けたから

暗闇があることを知ったのだろう

だから

真ん中で暮らしている

何処にでも行けるから

便利だったのさ


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