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宇宙の紳士と宇宙人  作者: えいちふみふさ
暗黒の顔
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エピローグ

ロンバートの件から三日後。キジヌ達は惑星ジェスタの警察署に来ていた。

ロンバートとダンテスは留置場に入れられていた。

 キジヌとすりーはロンバートの元に面会に来ていた。

面会室の粗末なパイプ椅子に座るロンバートを見てスリーは嫌味を言った。


「よう、随分お似合いじゃねえか」


「そう言ってもらえてうれしいよ。今日は何をしに来たのかな」


 ロンバートの問いにキジヌは顎に手を当てた。


「貴方が我々の前にわざわざ姿を現したのが全く理解できないのです。貴方方にはメリットは無いはずだ」


「全く持ってその通り。大きなメリットは無かった。だが何かに突き動かされて君たちに関与した。あの時の感情は私から乖離した何かだった。まるで運命のいたずらの様に君たちに仕事を依頼したのだ。そし


てその原因は仮説ではあるが、一つ思い当たる節がある」


「それは一体?」


「スリー君だよ。君の『宇宙人』としての能力が私を君の運命に乗せたのだ。君は運命を操作したのだよ」


 ロンバートの言葉に思い当たる節はあった。彼女はアルフに能力を開花させられていたのだ。


「心当たりはありそうだね。……さて、いずれにせよ我々『ダークマター』は滅ぶことは無いよ」


「それはどういうことだ?」


「我々はCEOを失っても組織として機能するという事だ。『ダークマター』は個々の集合体であり武器商人なのだよ。人が武器を求めれば必ず我々は動きだす。人がいる限りかならずね」


「ありきたり負け台詞だな」


 刑務官が立ち上がった。面会時間が終了したらしい


 刑務官に促されロンバートは席を立った。


「最後に一つ。君たちの旅路に幸あれ」


 ロンバートのその言葉は真摯なものだった。キジヌ達はロンバートを見送ることなく面会室を後にした。

    




 グレートジェントルマン号に戻ると客人が来ていた。


「やあ、キジヌさんにスリー、また来てしまったよ」


 意外なタイミングの来客にスリーはぼやいた。


「アルフ、一体何のようだよ」


「いやね、君の能力が開花したのを感じ取ってね。どうだい運命を操る能力の調子は」


「正直自覚はねえよ。それに何であんたがそれを知ってんだよ」


「僕は『宇宙人』の能力を感じられるからね」


「便利なもんだな」


「お陰様で。君が無事なの見て安心したよ。『ダークマター』とやりあったんだろう?」


「まあな、俺はコレから忙しいんだよ。中央ギルド領域内政府に『宇宙人』として正規登録しなきゃいけ

ないんだからよ」


「そうだね。そうしなきゃいけないね。……もしも何かあったら僕の所に来ると良い。仲間が待っている

からね」


「何かあったらそうするよ。じゃまたな」


 アルフは軽く手を上げて答えると観察員と共に霞の様に消えた。

スリーはあんな態度だったがアルフの気遣いに心中で少し感謝していた。




グレートジェントルマン号のキジヌの部屋でキジヌはくつろいでいた。

紅茶を啜っているとスリーが入って来た。ノックが鳴った。どうぞと促すとスリーが入って来た。


「どうしたんだい?何かあったのかい?」


「いや、俺たち一応『ダークマター』を倒したんだなって思ってよ、あんたに話がしたい事があってな」


「何かね?急に改まって。なんでも言ってくれ給えよ」


「……俺が体をサイボーグにしたのはなんでか言ったか?」


「いや、聞いた事が無いな」


「俺が体をサイボーグにしたのはまた体を奪われるのが怖かったからなんだ。だからサイボーグにしたん

だ」


「……『ダークマター』の実験か。我々が昔、君を助けた時の事だな。あの時君は脳だけにされていた」


「そうだ。そこから再生治療を断ってずっとサイボーグのだった。けど今回で『ダークマター』のCEO

を倒して一つ思ったことがあるんだ」


 キジヌはスリーが話終わるまで黙っていた。彼なりの優しさだった。


「……俺体を元に戻すよ。そしてこの船から降りようと思う」


「……そうか……」


 キジヌはいつか来る話だとは思っていた。思いながらぬるくなった紅茶を飲んだ。

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