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宇宙の紳士と宇宙人  作者: えいちふみふさ
暗黒の顔
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新たな依頼

 惑星コロモから戻った一同は中央ギルド領域四十九番港に、仕事を探しに来ていた。

いつもの『マックスボビー』はあい変わらず喧騒に包まれていた。

キジヌとスリーはカウンター席に座った。

カウンターには店主のボビーが緑色の巨体をプルプルと震わせて、こちらに向いた。

キジヌはウィスキーを、スリーはオレンジジュースを注文した

。飲み物は直ぐに出てきた。

何度かグラスを傾けた後、カウンター席に中央ギルド領域全域刑事のデイビットが座った。

キジヌはデイビットに向いて軽く手を上げた。


「久しぶりだねデイビット。今日は非番かい?」


「ああ、最近は特に大きな事件も無くてね。暇をしているんだ」


「良いことじゃないか。少し前までは色々と大変だったからね」


「そうだね、最近は本当に何もなくて気が抜けてしまうよ」


「デイビットさんでも気が抜けることがあるんだな」


「そりゃあるさ、スリー。君も最近はどうだい?アルフに会ったんだろう?」


「流石に情報収集が早いな。大したことは無かったさ。昔話をしたぐらいだぜ」


「昔話?それは聞いてみたかったな」


 いずれなとスリーは言うと、グラスを傾けた。

デイビットは物欲しそうな眼を浮かべて注文したウィスキーをちびりと飲んだ。


「それで今日は仕事を探しに来たのかい?」


「ああ、暇になったからね」


「そういえば宇宙で怪物に襲われたらしいね。船は無事だったのかい」


「軽く傷ついた程度さ。直ぐに治ったよ」


「最近どうも宇宙で怪物に襲われる事件が増えているらしいんだよね。うちの方でも対策本部が立ち上がるんじゃないかって噂になっているよ」


「全域警察が動くのかい?怪物騒ぎで?」


「軍の違法な生体兵器の可能性もあるからね。これ以上増えたら僕らの方にも仕事が回ってくるだろう」


「……大事にならないとよいがね」


「全くだ。噂では『ダークマター』関連かともいわれているからね」

 秘密結社『ダークマター』。

違法な武器取引を行っている死の商人である。

あまりの秘匿性に本当に存在しているのかと議論される組織でもある。

しかしキジヌ達は一度『ダークマター』のエージェントと事を構えたこともある。


「……『ダークマター』か。確かに奴らが暗躍している可能性はあるね」


「気を付けてくれよ。君たちは一度奴らに関わっている。目を付けられている可能性もある」


「そうだな、気を付けておくよ。ところでボビー、何か仕事は無いかい」


 ボビーは体を揺らしてこちらに向いた。


「あるよ、護衛の仕事なんてどうだい?報酬は八十万ダール」


「受けよう、依頼者の連絡先を教えてくれ」


 キジヌとスリーはグラスを傾けてそれぞれ飲み干した。

二人は立ち上がりデイビットに手を挙げて挨拶し、別れた。


 



 依頼人は老齢の紳士だった。アタッシュケースを片手に現れた。


「やあやあ済まないね。よろしく頼むよ私はロンバート=ウェルグスこれからお世話になるよ」


 口角を上げると蓄えた口髭がもそりと動いた。

ゆったりと歩く老紳士だった。ジャケットにベスト共に皺が無く、身に着けているモノ全てがキッチリと整えられていた。

こちらもつられてキッチリしなければと思うような身なりと所作だった。

挨拶もそこそこにとりあえずミーティングルームに案内し、今回の依頼の内容を聞く事にした。


「君たちには七宝帝帝国領域のアルファ銀河内惑星ジェスタに向かってほしいのだよ。」


「惑星ジェスタですか。結構距離がありますね」


「済まないね、いつもはボディーガードが居るんだが、今日に限って別件が入ったみたいでね、なかなか

ギルド制度は慣れていないのだよ」


「安心してください依頼は必ず完遂してみますよ」


「よろしく頼むよ。それで私は何処に居れば良いかね?」


「基本お好きなように過ごしてもらって構いませんよ」


「それは助かる。このような艦には滅多に乗らないのでね。艦内を歩いて回ってもよいかい?」


「勿論。うちのアビゲイルに案内させましょう」


「よろしくおねがいしマス。アビゲイルデス」


「よろしく頼むよ、ミスアビゲイル。荷物は何処に置いたらよいかね?」


「こちらのお部屋に案内しまスヨ」


 二人は和気あいあいとしながら部屋を後にした。

まるでお爺さんと孫のようだった。

遅れてキジヌ達も部屋を出てブリッジに向かった。

向かう際中、グランマが口を開いた。


「惑星ジェスタだと七宝帝帝国領域の端っこの方だね、超長距離ワープ港から向かうのかい?」


「うむ、そうなるね、どうかしたのかい」


「……いや昔話を思い出しただけさ」


「……アルメイダ帝国か。懐かしいね」


「そうさね。皆にとって懐かしい国さ」


 二人は郷愁にふけりながら歩みを進めた。

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