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宇宙の紳士と宇宙人  作者: えいちふみふさ
神の再臨
42/54

作戦会議

 キジヌはギルモアに一報を入れた。

ケイオスとの対峙に参加することを決めたのだ。

決戦の日は一週間後、三日前に作戦の説明がある為、その際迎えをよこすのでそのまま現地に滞在してほしいとの事だった。

運命の日までキジヌはひたすら魂に触れ続けていた。

時にはロングゥと共に精神を潜らせ、修行に明け暮れていた。

そんなある日、いつもの様に修行に明け暮れていると、ミーティングルームにスリーが現れた。

ロングゥは気さくに声を掛けた。


「やあスリーさん。どうかしたのかい?」


「……少しボスに用事があってな。いいかい?」


「勿論。僕は艦内を探索しているよ」


 キジヌは目を開けた。スリーが歩み寄ってきた。


「……今更だけどよ、ケイオスとの戦いに本気で行くのか?」


「あぁ、私もこの世界の危機と言われたら何もせずにはいられないからね」


「そうかよ、あんたはそういう人だったな。あの爺さんとは話をしたのか?」


「少しだけ、ね。元々反りのあう人では無かったからね。あまり仲が良くはないんだ」


「それならいいけどよ。今回のあんたはいっつもしかめっ面だったからな。少し心配なんだよ」


「……君がそんなことを言うなんて珍しいな。まるで何か起こりそうだ」


 キジヌの冗談にスリーは笑み一つ浮かべなかった。


「……済まない、折角心配してくれているのに、冗談を言ってる場合では無かったな」


「別にそんなんじゃないさ。ただ今回は最初から何か変だったからな。妙な気分になっているだけさ。……気を付けて行って来いよ」


「ああ、そうするよそして必ず帰ってくるさ」


 キジヌの言葉に背中で受け止めたスリーは、軽く手を上げ返した。


確かに今回は最初から妙だった。

『宇宙人』達の挨拶から始まり、敵対していたはずだった彼ら二人を目的地に送り、『宇宙人』達の神に当たるアルフの封印を解くのを手伝い、更に彼らと協力をして世界の敵と戦う。

しかも師匠と死んだはずの兄弟弟子とも共に戦うのだ。

これが奇妙出なければ何が奇妙に当たるのか。

そう考えると思わず笑ってしまいそうだった。

事実彼は笑っていた。

そうでもしないと心が持ちそうになかった。

一頻り笑った後、彼は再び修行を再会した。

理由は分からなかったが、ケイオスに対峙するまでに習得したかったのだ。

そして運命の日の三日前になった。



 迎えに来たのは軍の駆逐艦だった。

迎えにしては物々しい雰囲気だった。

タラップ降りてきたのは艦の艦長だった。


「レンジュウロウ氏とロングゥ氏、キジヌ氏ですね私は艦長のエルハダ=デインです。貴方方と共に行けることを幸運に思います。早速ですがこちらにどうぞ」


 艦長の言うと通りに従って三人はタラップを登って行った。

スリーとグランマ、アビゲイルはグレートジェントルマン号の外で三人を見送った。

三人は丁重にもてなされた。会議の場所にはあっという間に着いた。最初に会議を行った場所だった。

 艦から降りると見覚えのあるエージェントが出迎えた。


「お越しいただきありがとうございます。こちらへどうぞ」


 男の後をついて行くと立て直された部屋に案内された。

中には見覚えのある人物しかいなかった『宇宙人』のアルフ、ラングース、ドーグス、最強の賞金稼ぎトウゴ、マスターグレイ、リーガスの六人が居た。

どれも一騎当千の人物ばかりだった。

マスターグレイはレンジュウロウを見ると灰色の顔を苦虫を噛み潰したかのようにしかめた。


「レンジュウロウ!貴様良くもおめおめと我が眼前に顔を出せたな!」


「お前さんはやはりやかましいのう。少しは静かに喋れんのかい」


「たわけ!そもそも貴様は……!」


「マスターグレイ。うちの師匠がすみません。あとできちんと言っておきますのでここはどうか……」


 憤慨するマスターグレイにロングゥが割って入った。

死んだはずロングゥが眼前に現れてマスターグレイの巨大な目が、さらに大きくなった。


「ロングゥ!貴様は死んだはずでは……!まさかレンキの秘伝を習得したのか!」


「はい、お陰様で。今の僕はレンキ体です」


「そうかそうか!それはめでたい!レンジュウロウの弟子とは思えん所業だな!」


「お前さんはいちいちわしを小馬鹿にせんと気が済まんのかい。ホレ話が始まるぞい」


 マスターグレイはまだ言いたいことがありそうだったが、レンジュウロウの言葉にマスターグレイ含め皆は壇上の方を向いた。

壇上にはギルモアが立っていた。ギルモアはマイクに近づき談を始めた。


「皆さん度々お集まりいただきありがとうございます。早速ですが今回の作戦の概要を説明させていただきます。今回対峙するケイオスには通常の兵器、物理攻撃は通用致しません。なのでまず第一段階では戦艦によるレンキを籠めたミサイル攻撃を行います。その際レンキ使いの方々には、ミサイルにレンキを籠めて頂きます。同時に『宇宙人』の方々には長距離からの攻撃を行っていただきます。」


「我々の日々の鍛錬の見せ所だな!」


マスターグレイは舌なめずりをした。


「第二段階は近接戦闘による攻撃です。ですが第一段階が失敗に終わった時点で殆どの対処法は失われていると考えざるを得ません。ですので第二段階は人物を厳選して行う事とします。ではその際の人選を発表致します。アルフ氏、マスターグレイ氏、レンジュウロウ=ヨモギダ氏、トウゴ=ジュサン氏の四名を近接攻撃班と致します。残った方々は艦の防衛に努めて頂きます。以上で作戦の説明を終わらせていただきます。何か質問のある方はいらっしゃいますか?」


 ギルモアの言葉にリーガスが手を上げた。


「作戦ってこれだけっすか?」


「その通りです。作戦は以上です」


「つまりほぼ打てる手がない、という事じゃのう」


 レンジュウロウがあごひげを撫でながら言った。マスターグレイが手を上げた。


「トウゴは今回戦力になるのか!?奴は近接戦闘は我々の中でもトップクラスだがケイオス粒子を用いての戦闘は可能なのか!?」


マスターグレイの疑問にトウゴは答えた。


「ギルモアにも聞かれたことだが安心しろ、俺はレンキとは別の生態エネルギーを使っている。ケイオスにダメージを与えることは可能だ」


 トウゴの言葉にマスターグレイは鼻を鳴らした。それを眺めてギルモアが談を進めた。


「ほかにご質問はございますか?」


 他には誰も手を上げなかった。ギルモアのご健闘をお祈りします、の言葉で、作戦会議は終了した。 


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