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宇宙の紳士と宇宙人  作者: えいちふみふさ
神の再臨
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奇妙な再会

 老人は直ぐに見つかった。

と、いうよりも老人から何処から情報を嗅ぎつけたのか、ローブのフードを被ったお供と共に、自分からやってきた。

レンジュウロウ=ヨモギダ。小さなその姿からは想像しがたいが、レンキと槍術の達人でありキジヌのレンキの師匠でもある。

そして戦下十五勇士の一人でもある。

キジヌ達とは『白騎士事件』で刃を交えた間柄だった。

その事件で指名手配にもされているはずだが、老人は飄々としていた。

 レンジュウロウに最初に話しかけたのはアルフだった。


「ミスターレンジュウロウ!お久しぶりです!」


 レンジュウロウは笑って答えた。


「おう、久しいのう。お前さんが封印されてからだから五十年ぶりになるかい」


「もうそんなに経つのですか。時とは残酷に進んでいくものですね」


 アルフとレンジュウロウの和気あいあいとした会話に、キジヌが割って入った。


「ちょっと待ってください。二人はお知り合いなのですか?」


「何を言うとる。封印でこやつに説得したのはわしだぞい。あの時はこやつを宥めるのが大変でな。大分骨を折ったわい」


「あの時は怒りに任せて力を振るってましたからね。本当にお恥ずかしい限りで」


「ほっほ若さゆえの、というやつじゃな」


「……それよりも本題に言ってくれんかな」


 ギルモアが遮った。アルフは不本意な表情になったが語り始めた。


「皆さんが気にしているであろうとをお話し致しましょう。まずレンキや能力の元となっているモノはご存知でしょうか」


「ケイオス粒子……か?」


 スリーが腕を組みながら答えた。アルフは満足げに話をつづけた。


「その通り。ケイオス粒子とは宇宙中に存在している粒子であり、過去にはダークマターとも呼ばれてい

たモノです。現在の人類はケイオス粒子に適合している生物で、レンキなどの能力は体内のケイオス粒子を操り、もしくは増幅させて力として対外に発しているのです。その中でも特に適合しているのが我々『宇宙人』と呼ばれる存在です。ここまではよろしいですか?」


 一同は頷いた。それを見てアルフは微笑んだ。


「さてここで問題になっている『アレ』とは、意思を持ったケイオス粒子の集合体です。我々はそれをケイオスと呼んでいます。彼ら主に次元の狭間に存在していることが多いのですが稀に次元の隙間から這い出てくることがあるのです」


「そのケイオスが出てきたら何が起こるんだ?」


「それは個体によって変わってきます。ある者は目につくものを食らったり、ある者はただ存在しているものだったり、ある者は武人のごとく、戦いを求めたり様々です」


「ケイオスとの意思の疎通は可能なのかね?」


 キジヌの言葉にアルフは頷いた。


「可能な個体も存在しているみたいです。私は立ち会っていなので詳しくは存じ上げませんが、結果話し合いを経て解決に至ることもあったらしいです。」


 アルフは一息つくと話をつづけた。


「問題は今回のケイオスです。僕が呼ばれたという事はかなり想定外の事態なのでしょう?」

 『宇宙人』の青年は星の瞳でギルモアを見た。ギルモアは重く頷いた。

「問題なのは亀裂の大きさだ。現在、惑星を飲み込むほどの穴が開くことが予想されている。問題なのは出てくのが個体か群体なのかだ。場合によっては我々の保有している戦力では太刀打ちできるかも怪しい所だ。貴殿を封印から解き放ったのは、万が一に備えての保険の為なのだ」


「あんたらの保有する戦力ってのはどんなもんなんだ?」


「この宇宙を五回は消滅させることのできる戦力だ」


 一部を除いて皆息を飲んだ。

それだけの戦力があってしても対応できない存在が、この宇宙に現れる可能性があることに、ぞれぞれ大なり小なり恐怖を覚えた。

平然としていたのはレンジュウロウとトウゴだけだった。


「そんなものが出てきたとして本当に対応できるのか?」


「それは僕にお任せください。その為に外に出てきたのですから」


 その言葉を最後に一同は沈黙した。

最悪この宇宙が消えてなくなるのだ。

沈黙に包まれてもしょうがないことだった。

沈黙を破ったのはギルモアだった。


「可能ならば今回の件、君たちにも参加していただきたい。戦力はあって足りぬものではないからな。ただ今すぐという訳にもいくまい。私の通信先を教えるので、参加するものは一報頂きたい。それとラングース氏とドーグス氏はアルフと共に我々が保護する事としたいのだがよろしいかね?」


 ギルモアの提案に三人は頷いた。ギルモアは話を続けた。


「それでは今回は解散する事としよう。皆体を大事にしてくれたまえ」


 その言葉で皆解散していった。キジヌ一行とレンジュウロウとローブを纏った者が残った。


「師匠、この間言っていた事はこの件だったのですか」


「そうじゃ。それがなんじゃ?」


「いえ……そちらのローブの方は?」


「わしの弟子じゃよ。キジヌ、貴様も知っているだろう」


その言葉にローブの弟子がフードを脱いだ。キジヌは目を見開いたた。


「ロングゥ、君はゴルドーに殺されたはずじゃ……」


「久しぶりだね、キジヌ」


 驚愕するキジヌに対してロングゥは優しく微笑んだ。

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