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宇宙の紳士と宇宙人  作者: えいちふみふさ
神の再臨
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神の再臨

 中央ギルド領域クオスト銀河惑星エルモア。

生物が存在しない銀河の一つであり、故に静かな惑星だった。

グレートジェントルマン号その星へと着陸していた。

人がいないはずの惑星に人工物が立っていた。

そこには戦闘装甲服を纏ったギルモアが立っていた。

両隣を星越者であろうボディーガードで固め、トウゴ=ジュサンを従えてた。


「君たち『宇宙人』が来るのは予測していたが、キジヌ君、君も一緒なのは意外だったな」


 その言葉に二人が『宇宙人』だと気付いてなかったスリーとグランマ、アビゲイルが驚愕しキジヌの方を見た。

キジヌは黙ってその視線受け止めた。

ギルモアの言葉は当然だが棘のあるモノだった。キジヌは平然として返した。


「私も自分が彼らをエスコートするのは意外でしたよ」


「何故直ぐに連絡を入れなかった?もしや彼らに絆されてしまったのかね?」


 ギルモアの言葉にキジヌの心臓はどきりと跳ね上がった。

その言葉は恐らく核心を突いた言葉だったからだ。

キジヌは冷静を装い言葉を返した。


「……彼らと会ったのは町の中です。もし直ぐに連絡をすれば犠牲者が出ていた可能性が高い。そして彼らの目的は『アルフ』の封印であることは明白です。そして『アルフ』の封印は恐らく臨時の災害、つまり予期せぬ封印の解除が起きた際に、被害の少ない、人のいない惑星に保管しているであろうことは予測していました故に彼らに同行しました」


自分も信じていない理屈ではあったが、一応信用してくれたらしい。

ギルモアはなるほどと頷くとラングースとドーグスの方へ向いて言った。


「さて、では中に入るとしようか」


この一言にキジヌ一行は驚愕した。

封印の解除はしないと述べていたギルモアがあっさりと『宇宙人』達を通したのだ。

驚かない方が無理があった。ラングースは口を開いた。


「通すつもりなら何故先の会談で断ったのですか?最初からそうしていればお互いに犠牲者が出なかったはずです」


 もっともな言葉だった。ギルモアが苦笑いで答えた。


「所謂体裁を気にしての事だ。ただ要求を呑むだけでは示しがつかないと上が判断したのだ。互いに被害を出す事による落としどころが欲しかったのだろう。あくまで私の見解だがね。上の考え方はわしにもよく判らんよ。してくるのかね?来ないのかね?」


 そう言うとギルモア一行は奥へと進んで行った。

ラングース達とキジヌ一行は遅れて後に続いた。

回廊は短く、あっという間に目的の場所にたどり着いた。

施設の外観といい、廊下といい、全く存在していない警備といい危険な存在を管理している施設だとはとても思えなかった。

奥の方にたどり着くと狭い部屋の中心にガラスケースがあり、その中にビー玉程の球体が鎮座していた。一同の心臓が一気に跳ね上がった。

一番最初に口を開いたのはラングースだった。


「あれが……封印の石……あんなに小さく」



「本当にあれに『アルフ』が封印されているのかね?」


「そうだ。あれが正真正銘『アルフ』の封印石だ」


「それで?あれをどうするのさね?」


 グランマの疑問にドーグスが答えた。


「私の……お友達の中で……封印を解く」


「本当にそれで大丈夫なのかよ。周りに被害は出ないのか?」


「大丈夫……私のお友達は……頑丈」


「それで?どうやって封印を解くんだ?まさか砕いておしまいってわけじゃないんだろ?」


 スリーの言葉に、ため息をつきながらギルモアが言った。

彼は少し緊張しているようだった。


「そのまさか、だ。封印の石は繊細でね。だからこんな所で管理せねばならなかったのだ」


「……冗談だろ?それで今まで良く管理出来ていたな」


「私もこの話を上から聞いたときは同じ感想を抱いたよ。さあ、早速始めようか。」

 

そう言うとギルモアはケースの方に近づいて行った。

かなり緊張しているようだった。

二人のボディーガードが強化ガラスのケースをケースを持ち上げて、ギルモアは封印石を慎重に取り出した。ギルモアは手に持った石を慎重に運び、『宇宙人』の少女の手のひらに乗せた。

少女は屋外へと歩みを進めた。

外に出るといつの間に惑星よりはるかに巨大な人形が手を差し伸べていた。

ドーグスはふわりと宙に浮き、その巨人の巨大な手のひらに立った。

巨人はその手を持ち上げて、少女ごと封印石を飲み込んだ。

数秒後、少女は巨大人形の手のひらに乗って降りてきた。少女は呟いた。


「準備は……終わった。直ぐに……始まる」


 まるでその言葉をきっかけにしたかのように巨大な人形が両手で口をふさいだ。

両手の指の間から強烈な光が漏れ出していた。十秒程立って光は収まった。


「彼が……来る……!」


 証拠には珍しく感情の乗った言葉だった。

――瞬間、一同の目の前に一人の青年が一瞬で現れた。

男はぼろきれを纏っていた。

瞳は晴れた夜空の様にきらきらと輝いていた。

男は優雅に頭を下げて言った。


「初めまして皆さん。僕がアルフです。どうぞよろしくお願いします」


 彼の見た目は五十年経ったとは思えないほどに普通の外見だった。


瞳以外は何もかもが普通の青年だったのだ。

一同はどうしたら良いのか決めあぐねていた。

やがてラングースが口を開いた。


「アルフ様……この瞬間をずっとお待ちしていました」


「様はよしてださい、ラングースさん。それに僕の封印が解かれたという事は『アレ』近づいているのでしょう。急がねばなりませんね」


アルフの言葉にギルモアは答えた。


「仰る通り。『アレ』の到来が近づいているからこそ貴殿を封印から解き放ったのだ。寝起きで申し訳な

いが我々の元に来て頂きますぞ」


 有無を言わさぬ一言だった。対してアルフは笑って答えた。


「脅さなくても大丈夫ですよ。僕たちは貴方方について行きましょう。ただ一つお願いがあるのですが」



「何かね?できる範囲ならすぐにでも答えると致しましょう」


「レンジュウロウ=ヨモギダ氏を僕の元に連れてきてください。今回の事態には彼が必要なのです」


 キジヌは驚いた。そして思いだしていた。

レンジュウロウの別れ際の言葉を。


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