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宇宙の紳士と宇宙人  作者: えいちふみふさ
神の再臨
37/54

破談

 一週間後。会談は再び行われた。

場所も人も前回とおなじだった。

最初に口を開いたのは、対策本部委員長のギルモアだった。


「再びお集まりいただきありがとうございます」


「ご機嫌伺のあいさつなんて要らねえよ。早く結論を言え」


「……では結論を言わせていただきます。今回のお三方の要求は……」


一同は一部を除いて息を飲んだ。ギルモアは続けた。


「お三方のの要求は聞き入れられないという事でした。」


「交渉決裂だなあ」


 室温が上がった。

フレッグは笑いながら立ち上がった。

しかしこの部屋で一番速く動いたのは彼では無かった。

トウゴ=ジュサンだった。

トウゴはフレッグの首を掴み床に叩き付けた。

火蓋は切って落とされた。

ギルモア、ジェスカ、リッキーの三人は専属の星越者に連れられて、部屋を後にした。

トウゴがフレッグの頭を砕くよりも速く赤銅色の大男の体が、青白く輝いた。

それは太陽をはるかにに超える温度の白い炎だった。

余波で部屋に居た星越者が三人即死した。

炎に一番近くに居たトウゴは、炎をものともせずにフレッグの頭を砕いた。

フレッグは絶命した。

彼の死に、今まで冷静だったラングースの表情が崩れた。

ラングースは氷の鎧を纏ってドーグスを抱え跳躍し壁を破壊して部屋から離脱した。

同時に氷塊を一瞬で形成し、会場を破壊した。

その攻撃で星越者二人死んだ。

氷塊を砕いて、マスターグレイが飛び出して来た。

マスターグレイは巨大な球形状のレンキ形成し、ラングースたちへ放った。

放たれたレンキは巨大な手によって防がれた。

それはドーグスが作り出した惑星よりも大きな人形の手の甲だった。

マスターグレイは眼前の巨大な手を蹴りあげた。

既にそこには二人の姿は無かった。

マスターグレイは舌打ちをした。

後からキジヌ達が駆け付けた。


「ちぃ!取り逃がしたわい!」


「流石ですマスターグレイ。我々は自分の身を守るので精一杯でした」


「若いころだったら仕留めることも出来たがのう!年には勝てんわい!皆まだ油断するなよ!奴らの射程は銀河クラスだ!恐らくこのまま逃げるだろうが、警戒を怠るでないぞ!」


その言葉は真実だった。彼らは実際に銀河に影響を及ぼしていたのだ。皆戦闘状態だった。


「仕留められたのは一人だけだったか」


返り血を浴びたままの体で、トウゴは屋外に出てきた。


「しかしこのまま逃げられては不味いぞ。奴らの火力は恐ろしいものがある。今回はうまくいったが次に同じように出来る保障は無いぞ」


布で返り血を拭いながらトウゴは言った。キジヌが苦い顔で答えた。


「こちらにも被害者が出た。結果は上々とは言えないな」


「で、これからどうするんだぁ、お偉いさんは逃げちまったぜぇ」


ギリアンの言葉にマスターグレイは言った。


「また後程連絡が来るだろう!それまでは各々待機だな!」


「奴の死体はどうするんだ?」


「恐らく上の連中が回収するだろう。そのままで放置していても問題はないだろう」


「それでは各人警戒をしながら解散!」


そういうことで、それぞれ帰って行った。




命からがら逃げた二人は、宇宙を駆けていた。ラングースに抱えられたドーグスが口を開いた。


「フレッグ……やられちゃった……」


「無傷で済むとは思ってもいませんでしたが、トウゴ=ジュサンがここまでやるとは……想定外です」

 ラングースの顔は苦渋に満ちていた。


「これから……どうするの?」


「いずれにせよ『彼』の所在は分かっています。今回の会談はあくまでもこちらからの礼儀としての会談でした。もともと彼らに是が否をゆだねたのは建前です。我々で『彼』封印を解く方法を探すとしましょう。それにはまず船が必要ですね」

そう言うとラングースは更に早く宇宙を駆けた。



「随分大変だったらしいな」


グレートジェントルマン号のミーティングルームでスリーはキジヌに言った。キジヌは苦い顔で答えた。


「あぁ、私は何も出来なかったよ。ほとんどがトウゴとマスターグレイが片を付けてしまったよ」


「けどもしかしたらまた連絡が来るんだろ?そしたらどうするんだい?」


グランマの問いにキジヌはうなった。正直これ以上この件に関わるかどうかは決めかねていた。


「まぁとりあえず、暫くは休んでた方が良いんじゃないか?仕事は俺達でまわしとくぜ?」


「うむ……」


キジヌにしては珍しく、すっきりしない返事だった。

相当悩んでいるという事が見て取れた。スリーは臆せずバッサリと聞いた。


「何か悩んでいるのか?」


「うむ……彼らは一体どうしたら良いのだろうか」


「どういうことだ?」


「彼らに対してどう接すればいいのかが分からないのだ」


「……つまりどういうことだ?」


 正直のところキジヌ自身も今の自分の胸中が判らないでいた。

どれだけ考えても答えが出なかった。



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