エピローグ
それからはあっという間だった。
村に設置された爆弾は解除され、ドル一行は留置所襲撃と村への爆弾の設置のよりデュメイ銀河警察に連行されていった。
純一郎の遺体は丁重に処置され宇宙葬で見送られた。
それからはキジヌ一行は変わらず仕事に明け暮れていた。
今回は護衛の仕事だった。
「これでひと段落だな」
依頼人を目的地へと運び終わり、キジヌは言った。
「あぁ今回も割には合わなかったぜ」
「そう言うものではないさ。依頼人は皆必死なのだから」
「そうだな……それもそうか」
いつになく素直だった。ここ最近のスリーはずっとそうだった。
「スリー……君はまだ彼の事を気にしているのかい?」
「気にして無い、といえば嘘になるか」
スリーは体を伸ばして言った。
「俺がもっと気にかけていれば、もっと早くに処置していればってずっと考えているよ。ここ最近はずっとさ」
「君は最善を尽くしたさ」
「そうなのかもしれないな。けどずっと考えてたんだ。あいつは何でこの世界に来たのかってな」
「何のためにか……それは難しいな」
「ただ死ぬために来たのか?それとも本当に偶々だったのか。俺には絶対に出せない答えグルグル頭ん中で回ってんのさ」
「彼がこの世界に来た理由は恐らく、我々には答えられないだろう彼だけではない、すべての人間がそうだ。なぜ死ぬのか、なぜ死んだのか、残された者達には分からないことだろう」
「……」
「だから我々にできるのは彼の冥福を願う事だけなのだろう」
「そうだな……それしか生きている人間にはできないか」
「せめて祈ろう。ジュンイチロウの為に」
二人は祈った。この世界に翻弄された少年の為に。
純一郎が目を覚ますとそこには天井があった。
何処か判らなかったので確かめる為に体を動かすと全身に痛みが走った。
「純一郎……?」
聞き覚えのある声だった。忘れることのない人の声だった。
「母さん……?」
それからはてんやわんやだった。
病室に看護師と医者が出たり入ったりだった。
どうやら車トラックにはねられて生死の境をさまよっていたらしい。
全身が痛いのはそのせいだった。
彼が助けた園児は擦り傷程度で済んだらしい。
何日か経つと自力で歩けるようになるまでに回復した。
医者が言うには驚異的な回復らしい。
入院中のある日、暇だったので屋上に出てみた。
屋上にはちらほら人が居り、沢山のシーツが干されていた。
なんとなく空を見上げてみた。
薄っすらと月が見えていた。
あの日々は全部夢だったのだろうか。
それにしてはやけに鮮明で現実的だった。
だがそれを確かめる術は彼にはなかった。
いや、誰にも無いのだろう。
それでもあちらの世界での出来事は彼にとって大切な思い出だった。
風が吹いた。
純一郎は体が冷えてきたので病室に戻ることにした。




