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宇宙の紳士と宇宙人  作者: えいちふみふさ
英雄になろう
26/54

身体検査

「先ずは全身検査を受けてもらおうと思う」


 中央ギルド領域内四十九番港内にある警察所のオフィスでデイビットは言った。


「検査……ですか……」


「全身検査といってもレントゲンや血液検査、異能力検査など一般的なモノだから、あんまり肩ひじを張らなくて良いよ。」


「異能力検査って何ですか?」


「君の居た世界と違ってこちらの世界は何かしらの能力を持ってい人達がいるんだ。そういう人達を能力者と呼んでるんだけどね」


「うちのボスも能力者だぜ」


「キジヌさんもですか!?一体どんな……」


 キジヌは少年の問いに答えるように全身にレンキを纏った。

純一郎は驚きで口をあんぐりと開けた。


「私の能力は『レンキ』と呼ばれるものだ。生命エネルギーや気と呼んだ方が君には判りやすいかもしれないな」


「凄い……こんなの初めて見ました」


「レンキ使いは珍しいモノでもないのだがね。そう驚かれると少しこそばゆいな」


「ホントに凄いです。こんなの漫画やアニメの世界でしか見た事無いですよ」


「そうかね?こんなことも出来るぞ」

 

 そう言うとキジヌはレンキで輪を作りその間にレンキで形成した動物を潜らせた。

レンキ使いが珍しい目で見られるのは滅多にない。

故にキジヌは少しうれしくなっていた。

キジヌのその気持ちを知ってか知らぬか、少年は繰り広げられる大道芸に目を光らせ続けた。

スリーとグランマは呆れた顔でその光景を眺めていた。

終わらない見世物にデイビットが割り込むように言った。


「さてそれでは、検査をしに病院に行こうか」


 キジヌはまだまだ見せ足りなかったらしい。移動の最中も見世物は続いていた。






「あ~疲れた~」


 ゆったりとした患者服の純一郎が病院の廊下の奥から歩いてきた。


「お疲れ様」


 デイビットが労いの言葉を掛けつつ、お茶を渡した。

ありがとうございますと、純一郎はお茶を受け取って啜った。


「しかし随分と時間掛かったな」


「全身検査だからね。あっちに行ったりこっちに行ったりさ」


「検査はどうだった?楽しかったかぁ?」


「楽しくないですよ!口に変な管を突っ込まれたりしたんですから!」


「なんでい、楽しそうじゃねえか」


「それならスリーさんも受けてみて下さいよ!ホントにしんどいんですから!」


「スリー、からかうのはよしたまえ。ところで検査の結果はいつ出るのかね?」


「大体一週間程度だろう。その時にまたここに来れば良い」


「それまでに彼の身柄はどうするのかね?」


「実はそれが当座の問題なんだ。病院に入院してもらうにも空き部屋がないらしい。警察署にも仮眠室しか無い」


「あの……それならキジヌさんの所に置いてもらえませんか。雑用なら何でもしますから」

純一郎の提案にスリーは難色を示した。


「無茶言うな。流石に戦闘力が無さそうなガキンチョを置いとくのは無理があるだろ」


「スリーの意見には賛成さね。あたしらの仕事は常に危険と隣合わせさね」


「僕は楽しそうで良いと思いマス。彼の情報を収集するには一緒に居てもらうのが一番ですカラ」


「キジヌの意見はどうなんだい。ボスはあんたさ。あんたが決めな」


「うむ……」


 キジヌ腕を組んで悩んだ。


「そもそも何故我が艦に突然現れたのかも判っていないのが現状だ。全てを判明させるには彼に同行願うのが一番なのではないだろうか」


 実際に何故グレートジェントルマン号のキジヌの部屋に現れたのかは判ってはいなかった。

それでもスリーはいまいち納得出来ていなかった。


「かといって何でうちに来たのかなんて、どうやって調べるんだよ、調べようがないぜ」


「期間は一週間ある。その間だけ同行してもらって色々べてみよう。彼は記憶障害の可能性もある。いろいろ見てもらえれば状況も改善されるのではないか?」


「まぁボスがそう言うなら良いけどよ。」


 結論は出た。純一郎はキジヌ一行に同行することになった。


「しかしこれからどどうするんだ?」


「うむ……とりあえず近いし『マックスボビー』にでも行ってみるか」


 という訳でそういう事になった。









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