異変と決着
N・B・P・C領域ソシアル銀河内惑星ギャロット。
衛星を二つ持つ惑星であり機械生命体ギャロット星人達の住まう惑星である。
ルーチェ達を乗せた艦は巨大な製薬会社の敷地に着陸した。
スリーはカプセルのまま運ばれて行った。
ルーチェもその後に着いて行った。
施設は広かったが人は数人の警備員しかおらず疎らだった。
奥に進むと配管のむき出しの通路になっていった。
「母さんは何処なの」
ルーチェは聞いた。マリガンは答えた。
「もうすぐですわよ」
その言葉は嘘では無かった。
三分程歩くと一つの部屋の前にたどり着いた。
扉が開くとそこには一本の大樹が植わっており吹き抜けだった。
青い空に二つの衛星が薄っすらと見えた。
大樹の傍に置かれた長椅子に一人の女が座っていた。
女の肌はルーチェと同じく透き通るように青かった。
「母さん……?」
女はルーチェに優しく微笑んだ。
「なんだか様子がおかしいな」
キジヌ達も惑星ギャロットにたどり着いていた。
だが何かがおかしかった。
惑星ギャロットは入星監査が厳しい惑星だったはずなのだが、近づいても一つの警告も無かった。
しょうがないのでキャットの情報通りの製薬会社にサンダーボルト号を着陸させた。
「いや、どうやらお客さんが来たみたいだよ。」
視線の先ギャロット軍の一団が現れた。その中の一際大きい男が叫んだ。
「吾輩はギャロット連合軍シックスシックル将軍である!当方一騎打ちを所望するが如何か!」
そう言うと男は六本の腕に付いた鎌を回転させて叫んだ。
人数的に不利だったのでこちらとしては喜ばしい条件だったが、何かがおかしかった。
それでもの話に乗るしかない。グランマが言った。
「ここはあたしが食い止めるからあんた等は先行きな」
「……分かった頼んだ」
キジヌと『チームライトニングス』と戦闘装甲服を纏ったアビゲイルは社内に侵入した。
グランマは将軍に構えて雄々しく叫んだ。
「あたしの名はメイガン=フェイ!全力で掛かってきな!」
社内は警備兵が疎らだったので大した時間もかからずに制圧できた。
しかし本番はここからだった。トウゴ=ジュサンが待ち構えていた。
「げぇやべぇ奴が居るじゃねぇか!」
叫ぶギリアンにキジヌは言った。
「彼は私が抑える、アビー達と先に行ってくれ」
「大丈夫かよぉ一遍殺されかけたんだろぉ」
「今回は準備も出来ている。前回よりは食い下がるさ」
「死ぬんじゃねぇぞぉ」
そう言うと『チームライトニングス』とアビゲイルは奥に進んでいった。
キジヌはレンキを纏い構えた。前回よりも多く纏っていた。トウゴも八角棒を構えた。
「今回は前回よりも出来そうだな」
「そうであること願うよ」
先手を打ったのはキジヌだった。明らかに前回よりも速かった。
放たれた右こぶしをトウゴは八角棒で防いだ。
次の左ローブローは防がず、脇腹で受け止めた。
明らかに前回よりも重い一撃だった。
反撃の八角棒による横薙ぎ払いをキジヌは後方に跳躍して回避した。
追撃の八角棒による突きを掠めるように回避し、右拳を鳩尾に叩き込み再び跳躍して距離を取った。
「なるほど、前回よりも遥かに強いではないか」
「それはどうも、出来ればそのまま倒れてくれると嬉しいのだがね」
「それは出来ぬ相談だな。ではいくぞ」
トウゴの横薙ぎに放たれた一撃は受けたキジヌの右腕の骨を砕いた。
キジヌの体は吹き飛ばされ壁に激突した。
トウゴは八角棒で追撃の突きを放った。
キジヌは帯状のレンキで八角棒を絡め取った。
キジヌは全身に纏っていたレンキの全てを折れた右手に纏った。
そして手刀でトウゴの喉を突いた。
さすがのトウゴも平然とはしていられなかったらしい。
前傾姿勢になったトウゴの膝に足を掛け跳躍、後頭部へ、ありったけのレンキを籠めた右拳を叩き込んで地面に叩きつけ頭蓋骨を砕いた。
トウゴの浮き上がった両足が落ち動かなくなった。
決着は付いた。
立ち止まっている時間は無い。キジヌも社内の奥へと駆けて行った。




