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全ての謎は・・・?

 やはり、この人か。私に百万円を二度渡しに来た女性だった。ジャパンカップの前に『助言』と言っていたので引っ掛かっていたが・・・。


料亭の奥の座敷で待っていた彼女は”鈴木”と名乗り、感謝をしたいとお願いしてここに来た言う。

「詳しい話は後程する事にして、食事とお酒を頂きながら」と加藤さん。


私はお酒と食事をしながらも今までの疑問を考えていた。他の方々も少し話す程度で鈴木さんはあまり食が進まないようだ。


「そろそろ鈴木さんの話を聞きましょうか。」加藤さんが言うと鈴木さんが


「はい。では事の始まりから・・・。私は借金がありその返済の為、競馬予想大会の参加者のなかで優秀と思われる方を選びその人に賭ける事にしました。それが貴方でした。二度目の百万円を渡す時に『助言』と言ったのは実は貴方を試す為指示されたのです。即決した判断力、これまでの成績を知らされていたので私は貴方の予想に全ての財産を賭けました。結果借金はすべて返済できました。本当にありがとうございました。」と深々と頭を下げた。


 私は少し違和感を感じた。これは直感だが・・・。加藤さんに尋ねた。


「今回の競馬予想大会と木下さんの事について説明して頂きたいのですが?」


「そうですね。この競馬予想大会自体が作られたものであり、所々にこのゲームの欠陥を作り気が付くかどうか?全ては貴方を含めた複数の人物を競争させて誰が勝ち残るかを試すのが目的でした。勝負度胸を図る目的もありました。ここで優れた人物と判定された方には報酬を与えています。場合により大きな事業に抜擢する事もあります。」


私は少し想像していた事と違う『何か信じられない、おかしい?と思った。』

そして、真相を知りたいと加藤さんの目を凝視して追求した。


「では大会そのものは存在しないという事ですか?すべて捏造だと。では主催者はいったい何者なのですか?“加藤さん”も主催者なのですか?」


「それは答える事が出来ません。ただ貴方には報酬を出します。額は決定していませんが依頼に応えてくれたので。」


「では、木下さんを助ける事も嘘なのですか?私を騙したと?」


「秘密の依頼者は木下さんです。それしか言えません。報酬は出るでしょう。貴方にはこれ以上は話せません。」


 私は納得する事が出来なかった。話が不自然でこれまでの出来事が繋がらないのだ。暫く考えていると急に眠気が襲い・・・。



 私は泥酔したようだ。気が付いた時にはホテルの一室だった。

昨日の出来事は何だったのか?有耶無耶にされたような・・・。

起きてコーヒーでも飲もうかとテーブルを見ると封筒が置いてあった。

中を開けてみると“飛行機のチケットと数万円”が入っていた。


『御免なさい。今回の報酬は後日貴方に届けますのでこれ以上は追及しないで忘れて下さい。』


 私が真実に近づきすぎたのを警戒したのか?急に眠くなったのも薬を盛られていたのではないか?あの程度で酔いつぶれるはずがない。

考えてみると最初からこれが目的だったのか?『!やられた!嵌められた!』


 私はその日の飛行機で札幌に戻った。謎の競馬予想大会の事は忘れられる訳がない。どうしても謎を解きたかった。


 そうして釈然としないまま年末を迎えた。元旦に休日出勤をしながら気持ちを切り替えて今度の金杯の予想を立ててみる。


 中山金杯はエア、ランガ、ステイ産駒が注目か?

 京都金杯はグァン、バクス、穴ならアルバとステイ産駒か?


以前の予想と違い気楽な予想だが『何か物足りなさ』を感じている。


少しして電話が鳴った。急患のようだ私は待機している看護師に連絡して患者を待つ。看護師が医師に連絡して来た。

『この看護師は・・・去年、私に点滴してくれた人だ。名前は・・・。」




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