お父さんとお母さん
コト…
本を読んでいるととてもいい香りのコーヒーが置かれた。
「ありがとうございます」
そう言って顔を上げるとピクシさんは、少し不安げな面持ちで言う。
「あの、もう18時を回っていますが大丈夫でしょうか…?」
言われて時計を見ると確かに針は18時8分を指している。
「あ、すいません!!帰らなくちゃっ」
私は帰るため慌てて読んだ本を戻していく。
「あ、その本はお貸ししますよ」
私が読み途中の本を返そうとした時ピクシさんが言った。
「ありがとうございます!!」
私は急いで家に帰った。
少女が去った後、僕は1人でコーヒーをすすった。
まだ熱く僕は少し火傷してしまう。
…やはり、あの子でいい。あの子にしよう。先ほどの契約書を出し僕はニヤリと笑う。
楽しそうだね
楽しいよ
だって、呪いから解放される日まで、もう少しなんだもの
行くときはあんなに入り組んでいたのに帰るときは真っ直ぐ進んで5分も経たなかった。
家に帰ると心配そうな顔のお父さんに怒られた。お母さんも心配していたらしくお父さんより怒った。
普段静かなお母さんからは想像もつかないほどの怒りように何故かお父さんまで一緒に謝っていたのに私はクスリと笑ってしまい、さらに怒られてしまった。
翌朝、今日も私は学校へは行かない。だって、図書館を見つけてしまったんだもの!
今日は昨日より少し荷物を持って行くことにした。