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Café de Repos(カフェ開業奮闘記)解説・注釈等 その四

物語が進んで来て,そろそろマキノに恋をさせたくなってきました。


筆者の個人的な理想形,春樹を登場させました。

純愛物が好きですので,不器用で,鈍感で,素朴な感じにしたいと思って超苦労しました。しかし・・こんなにハマるとは思いませんでした。

ハマると言うのは,「恋愛に関するお話を書くこと」にハマるの意味です。


一目ぼれなんて,その場で自覚してはいけません。

「あれ?知らない子がいる。」

何度か見かけて,情報が少しずつ入ってきて・・

「へえ,そうなんだ。」

無自覚に,目で追うようになる。なんとなく好ましく感じる。

「ふうん,ちょっと可愛いな。」

そして,気になり始めて,双方をもっと知りたいと思うようになる。

という具合に,ほんとうに徐々に気持ちができあがっていくところを書きたかったのです。


正直に言えば,春樹29歳の設定にしては鈍感すぎるし,不器用すぎると思います。

マキノ26歳にしても,かなり鈍感ですし,不器用です。

でも,いいじゃん。そういうのがあっても!



あと,

改装は,ちょうど自宅もトイレの改装をしたので,いろいろ見ました。

解体して大工さんが来て終わりかと思ったら,ものすごいいろんな専門分野に別れてて,見ていて感心しました。

取りまとめしてくれる工務店さんの監督さん。解体する人,配管する人,大工さんが壁の木組みをして,タイル屋さんがタイルを張って,クロス屋さんがクロスを貼って,塗装屋さんが塗装をして,サッシ屋さんが窓をして,電気屋さんが照明をつけて,全部違う人が来ました。

ああなんとめんどくさい事か・・・と思いました。トイレひとつでこんなにたくさんの人が関わるんですね。そして,トイレひとつで50万かかるんですね・・・。



んでもって,スタッフの確保・・・。

働いてくれたことに対する報酬・・・最初まだ何も読めないときにホントに払えるのかなぁと心配になります。


筆者,本気でカフェをしたかったのですが,これ書いていて,だんだん怖気づいてきました。一人では無理だし,誰かを雇うとお金がかかる。

・・・準備のときに一時かかる費用よりも,維持していくのに恒常的にかかる費用。これがものすごく怖い・・と感じました。

実際はどうなんだろうな。




マキノのお店では,失敗させられないので,格安で雇うために,「地域を少しでも明るく活性化させたい。」そんな気持ちのある,イズミさんのママ友に登場してもらいました。

ご都合主義になりましたけど,実際にもおられるかもしれません。

ホントはこういうの,行政でもやってくれないかなーと思います。

でも行政だと,なんかね・・・どこか不自由になるんですよね。

土日お休みとか,いやそうでなくても,土日に出た替わりに月火お休みとか言いだしそうだし,是非とも町内の業者を使わないとダメだったり,あれダメそれダメって規制が多くなってやりづらくなる未来が見える。

ぶひ。



とにもかくにも,物語の中ではマキノのやりたかったカフェの準備は整いました。


あとは,マキノの恋を成就させて,カフェを軌道に乗せて,それで物語を終わらせよう・・・と,この辺でそんな結末の予想を立てました。もう終わりかー・・・早かったなーと思い返し 感慨に浸れたのはわずかでした。



実は物語は,ここからでした・・・


結末までの道筋が見えて,あとはゆっくりと目的地まで向かって行けばよいだけ・・となってから,はたと気が付きました。

恋愛?

遠い昔の話やん。覚えてへんやん・・・。

結婚したし,子どもも3人いるけど・・。

はて,恋愛・・・?



ここから,筆者の七転八倒の苦難が始まったのでした。



かくして春樹くんに大活躍してもらうことになるのですが・・。



タンデムのシーンを書きながら,うきうきわくわく。

カフェも稼動し始めて,うきうきわくわく。

カフェのお店の方はどんどん進んで,だんだんと盛り上がって行くし,筆者自身のテンションもすごく上がったのですが,


さてしかし,ここからどうやって恋を進展させるのか・・・

はて・・・ええと・・・。

なにしろ,双方積極的に動けないタイプという設定ですから,何かがないと近づけない。


こんな不器用な事,今どき中学生でもしてませんよね。


「つきあおうよ。」

「ん?いいよ~。」

・・・・。

ここまで軽いとは思いませんが,お互い気にしあってて,好意もってるなら,さっさとつきあっちゃって,時間を共有していけばいいじゃないですか。

なにをのらりくらししてるんですか・・・とイズミさんはつっこみたい。



悩んだ末,そうだ,事故だ!

と思いついたら,そこからはわりと簡単。

なぜなら筆者がはねられたことがあるからです!

中学生の時に学校の近くでバイクにはねられて,先生の車に乗せられて病院まで行きました。(そして1週間入院しました。超絶退屈でした。)頭打って,目が見えなくなったりオエッと吐いたりは,経験したそのまんまです。

その時はあまり危機感ありませんでしたが,今よく考えたら怖かったやん・・と思っています。

事故したすぐの時は,歩けるのに担架なんて,車イスなんて,大げさな・・と思ったものですが,「少しでも安静に」というお医者さん指示は,かなり切迫したモノだったのかもしれません。


搬送のシーンは,実はゴメンナサイな部分があって,朝市をやっている設定の宮滝辺りで救急の連絡があったとしたら,実際は自分の車で行くことはまずないです。

だって,広域消防所のすぐ近くなんだもん。

自分の車で行くよりも救急車のほうが早いに決まってる!!

しかしお話しの都合上,無理やり春樹くんに頑張ってもらい,ただ心配させるだけでは飽き足らず,トラウマまで引っ張ってきて,しっかり泣いてもらいました。


これ,このトラウマのような設定は,実はすごく抵抗あったんです。

ウソでも生きている人をお話しの中で死なせるのはいやだったんですよね。殺せないです。

たとえ想像の世界でも。


わたしは,春樹に,生きていることのなんたるかを知っていてほしかったです。

目の前に,好きな人が,ただそこにいることの大事さを分かってる人。


そんな風に,むうむうと苦しみながら話を勧めました。



そうまでして2人を接近させて,そこからはスイスイ行くのかと思いきや,

今度はどうやって“きっす”までもって行くのか,

どんなふうに恋人同士として認識させるのか,

またしても七転八倒・・・。


デートのシーンももっとこってり書こうと思ったのに,甘ったるくて甘ったるくて,

どうも筆が進まない。

夜景見てて,そこからきっすのシーンは,ご夫婦仲の良いお友達まで巻き込んで,

「〇〇旦那さんが▽△さんの肩を抱いてて,そのままキッスできますか?検証をお願いします!」

と頼んでみたりして,きゃあきゃあと楽しみました。


自分が検証しろと? 旦那と? ・・・却下です。


デートからマキノのお店に帰ってきて,「コーヒー飲んで帰る?」とマキノが訪ねて,

それで・・・という流れも一旦懇切丁寧に書いてみたのですが,すべて消去いたしました。

「お泊りしました。」の,あの一行に,あの一行を書くのにどんな,どんな勇気を込めたのか



・・・きっと読者には伝わらないとは,まぁ思ってましたさ。



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