Café de Repos(カフェ開業奮闘記)解説・注釈等 その一
初めて小説を書きました。
実は,筆者はこのお話しを書く前に,「カフェしたい!」みたいな日記,いわゆるブログを書いておりました。
いくら日記を書いても,近づいて来ないカフェ。
業を煮やして,お話しの中で成功させてしまいたいと思いました。だって日記に嘘は書けないし。
筆者の妄想と欲求が暴走しました。そしてこんな形(Café de Repos カフェ開業奮闘記)の物語になりました。
筆者は主婦であります。
そして自営手伝いの仕事もしています。
子どもも3人おりますので,わりと忙しくしているのですが,書きはじめると面白くて楽しくて,20万字ほどある物語・・原稿用紙にしたら500枚ほどを,2か月半ぐらいで一気に書き上げてしまいました。
できあがってしまったら投稿したくなり,あっという間に全部投稿して,完結のポチを押してしまったのですけれども,他の登場人物の違う視点からも表現したくなったり,書き直したいところや,説明したいところ,注釈を入れたいところが山のように出てきて,
どうしよう・・・と考えました。
春樹視点と,リョウ視点は,もともと本文の中にはありませんでしたが,あったほうが背景がわかりやすいかと思い,一念発起して「開業期」全部を一から書き直し。マキノ視点以外の視点も入れ込んでみました。
さて,この物語についての言い訳をしたいと思います。
はじめ,主人公のマキノは自分になぞらえて書きはじめました。
何故なら知らないことは書けないからでございます。
やったことがあることや,実際に考えたことを片っ端から書いてみました。
・・・ちょっと快感です。
が,しかし,書き進めるうちにだんだん辛くなってきました。
筆者になぞらえていると,主人公としてはいろいろ無理があるので,可愛くてはつらつとした女の子に書いたりしていました。
すると,・・・さっきも言いましたよね。ウソは書けないって・・・。
わたくしのように,容姿は10人並以下で,優柔不断で,めんどくさがり屋で,だらしなくて,寝起きが悪く,忘れん坊では,どうしても魅力に欠けるのです。
まあだから,いわゆる筆者がマキノになるのはやめました。無理でした。
あしからず。
しかし,物語に出てくる登場人物は,9割がた「モデル」さんが居ります。
3本柱の,マキノと春樹とリョウは,まるっきり架空の人物ですが。
登場人物の行動は筆者が実際に経験したことが多いです。
まず,第1話。
マキノは損保会社に勤めていて上司とそりが合わずに苦しんでますが,これも,モデルさんがいます。(これも筆者ではありません。)
仮にAちゃんとしますけど,実際は泣きながら仕事をしていて,寿退社されました。
ご結婚はおめでたく,それは良かったのですけど,そうなると糸原女史も存在するわけですが,これ実際はまじめできっちりした方で意地悪と言うわけではありません。物語の中でも地味にマキノを応援してくださっています。
まじめに頑張ってたAちゃんが時々泣いていたり,しっかり屋さんの糸原女史とうまくいってなかったとしても,それも世の中の常と言うか,すべて丸くは収まるわけではありませんが,みんなに幸せになってほしいと思うのは,マキノも筆者も同じであります。
名前について。
登場人物の名前も,自分で考えつかずに,身の回りに実在する人の名前をいっぱい使ってしまいました。書き始めた当初,お名前を拝借したイズミさんにお会いしたときは,ニヤニヤが止まりませんでした。ごめんなさい。
でも今はもう,物語の中の人格がひとつのキャラとして成り立ってしまっているので,名前が同じでも名前を貸していただいた人の自身とはイメージも切り離されていて,かぶせて考えることはありません。
登場人物だけでなく,最初に書いた時は,実際の地名もたくさん使いましたが,それはもう改稿した時に,全部変更しました。
なんでって?・・・ええと・・・なんとなくです。実在の現場に重ねるといろいろつじつまが合わなくなるというからでもありますし,モデルは関西なのに,登場人物は関東弁っぽくしゃべってるとかもあります。
実際は,奈良県吉野町のことを書いているのですが,分かる人が読めば,ああこれはどこのことを書いてるなという事は,わかってもらえるんじゃないかなと思います。
第2話。
山道でシカの声を聞くシーンがあります。
実際,山ほどいます。シカならしょっちゅう見ますし,声もよく聞きます。
筆者は,ウリボウ3匹を車で追いかけたことがあります。
あっいやいやハンティングしたのではなく,たまたま道を走っていたらイノシシが進行方向を同じくして並走したと言うだけの話です。すぐに道からはずれて逃げていきましたけど,親がいたらかなり怖かったと思います。
マキノのバイクがパンクしますよね。筆者もパンクの恐怖は知っています。
空気圧が減ってくると,バイクでも車でもハンドルが重くなります。
実は,筆者の本職は主婦であり自動車修理工場の自営手伝いでございます。
マキノのバイクを夫婦で引き上げに行くシーンは,実際にあったことのまんまでありました。夫が焼酎を飲んでしまったところへ,お客様からパンクしたとの連絡があり,私が夫を乗せて軽トラックを運転し,バイクを引き上げに行きました。
筆者は整備は何もできませんが,嫁としてはいろいろ大変なのです。
第2話の達彦さんについて。
木を管理する人・・として,対象の木を 杉桧桜,と作中ではあげてしまいましたが,こういう職業は実際にあります。対象はたいてい杉・桧で「林業」か関わるお仕事です。
(吉野の桜を管理する人はまた別だそうです。)
吉野は,ここ500年ぐらい,木材需要と製材で成り立ってきた町と言えると思っています。吉野の木は日本一・・・とおっしゃる方が多々いる一方,集成材や外材に押されて,一時の高度成長期のようなバブリーな需要はなくなってしまいました。
それとともに,製材関わる人口も減り,製材業を継ぐ若者が都会へと職を求めて出ていき,吉野町は今現在,高齢化・少子化が深刻な問題となっています。
でも,
質の良い吉野の木を求める人は,絶対にいなくならない。
重要な木造建築や,寺社仏閣であるとか,日本が受け継いでいかねばならない文化財に,
吉野の木材は,不可欠であると信じ,その良さを受けついて後世に残して行こうと言う人々が,今も頑張っています。
筆者も,そういった産業を,確実に,大切に守りたいという思いもあったんですよね。(最初だけ)
途中からは春樹に恋をしてしまったので,普通の物語になってしまったけどね。
それと,「へんな靴」は,地下足袋じゃなくて,安全靴なんだそうです。
昔は地下足袋だったのかな?
また取材してみよう・・と思う筆者でありました。
第3話。
ペンションの名前の「ポムドテール」 これは じゃがいも と言う意味です。
筆者の娘がパティシエをしておりまして,店の名前考えて~とお願いすると,なにやらわからないフランス語らしき単語をいっぱい並べました。
その中から,適当に選んだものです。
実際には存在しないペンションですが,あればいいな~という希望があります。
(空き家は点在してますから,どなたか吉野でペンションしてください!自分で改装しなくちゃいけませんけど!!)
お料理のシーンについて。
お料理のシーンは,ここにかぎらずいっぱい出てきます。
筆者がお料理が好きだからでございます。
お料理は好きですが,めんどうなので,こんなに手の込んだことはたまにしかしません。
とにかく,これはお話しの中ですから,夢のある表現にしたかったのです。
たまには実際の生活でも,ちょっとずつ再現します。本当です。
本当ですってば。