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トリオとコンビ  作者: 若松ユウ
第1部
69/164

第69話「応募」

「中之島。どうして、遅刻したのかね?」

「春眠、暁を覚えず。処処、啼鳥を聞く」

「孟浩然の、春暁か。夜来、風雨の声」

「花、落つること知りぬ、多少ぞ」

「暗誦は結構だが、正当な理由無き遅刻は、出席日数に影響するから、注意するように。遅刻三回で、欠席一回としてカウントし、全出席日数の五分の一以上の欠席で、原級留置になることを忘れずに。いくら、成績が良くても、遅刻ばかりでは、進級できないからな」


「眠そうやね、副長」

「昨夜は、夜更かしし過ぎました。隊長」

「遅くまで、何をしてたんだい、副長くん」

「会計さんと部長さんを見てたら、彼女が欲しなってきたんです。それで、どうしたら彼女が作れるか、考えてたんです」

「考えて出来るものとは、違うと思うで?」

「そうそう。焦らなくても、そのうち出来るよ」

「せやからって、待てばカイロの日干し煉瓦では、いつまで経っても、彼女は出来ませんよって」

「立派なピラミッドは、できそうやね」

「待てば海路の日和あり、だよ。それで、どう動くつもりなんだい?」

「温故知新で、恋文作戦ですよ」

「定番やね」

「誰に出すつもりなの?」

「そこで、一晩中、悩んでしもうたんですよ」

「何や。特定の相手も居らんのに、ラブレターなんか出されへんやん」

「それなら、全校生徒に順番に入れて行くのは?」

「それは」

「総当りやったら、一人ぐらい当たりがあるんと違う?」

「それとも、歳の差が好みなのかな?」

「せめて、女子高生でお願いしますよって」

「記者倶楽部初の、性犯罪者か」

「あるいは、不倫かもよ」

「何や、ロリコンで熟女好きやったんか、中之島?」

「やぁ、東野くん」

「聞いてたんや、春樹」

「よぅ、南方、冬彦。記者倶楽部がどうとか、ってところからな」

「誤解ですよ、会長」

「そのキーホルダー、どうしたん?」

「可愛いキャラクターだね」

「お茶のペットボトルに付いとったキューアールコードを読み込んだら、当たってな。青衣にやろうとしたんやけど、俺の鞄に付けるように言うて、聞かへんかったんや」

「当たる人は、当たるんですね」


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