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トリオとコンビ  作者: 若松ユウ
第1部
63/164

第63話「ニューフェイス」

「お早う、冬彦」

「お早う、東野くん。いよいよ、三年生が始まったね」

「そうやな。冬彦とは、クラスが別になってしもうたな」

「理系と文系で、再編されたからね。南方さんも、二組なんでしょう?」

「そうなんや。今から、家庭科が恐ろしい」

「僕や、西園寺さんの苦労が、分かるんじゃないかな。西園寺さんは、三組なんだよね」

「文系の、もう一つのほうのクラスやな。ところで、冬彦」

「何だい?」

「新しく来た、あの雌狐、どう思う、冬彦?」

「あぁ、体育の魚崎先生か。明るくて、面白い人だよね。授業も、楽しいし」

「俺は、あのニューヨーク仕込みのポップなノリには、どうも、付いて行かれへん」

「ダンスの授業は、気に入らないのかい、東野くん?」

「前の、熾熱燈の授業形態に慣れてしもうてるからなぁ。中学も、同じような感じやったし」

「きっと、そのうちに、違和感が無くなるよ」


「お早う、夏海ちゃん」

「お早う、秋ちゃん」

「いよいよ、うちらが最上級生やね」

「ほんまやね。昨日、入学したばっかりやのに、もう、二年も経ってる」

「住吉先生みたいなことを言うんやね、夏海ちゃん」

「やめてよ、秋ちゃん。もう、あの鉄の女は、ここには居らへんのやから」

「そうやった、離任されたんやったね。新しく着任しはった、社会の杭瀬先生は、博識な人やね」

「あの古狸か。たしかに、よぅけ色んなことを知ってはるけど、あたしは、あの先生は好きやないわぁ」

「あら、何で?」

「話しかたが、お経を唱えてるみたいな感じやから、眠たなってかなわへん」

「ちゃんと、起きてノートを取らなあかんよ、夏海ちゃん。北条くんは、一組なんやから」

「今年度から、理系とは、授業内容が違うてるんやっけ? 春樹のノートだけでは、心許ないもんなぁ。秋ちゃんが、あたしにノートを写させてくれたら、万事、解決やのに」

「自分でやらな、勉強にならへんよ、夏海ちゃん」

「頑張って、睡魔と戦わんとな」


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