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トリオとコンビ  作者: 若松ユウ
第1部
53/164

第53話「ダウト」

「そろそろ、生徒手帖の写真を撮り直す時期やな。――八」

「証明写真の顔って、いつも鏡で見てるのんと、まるで違うことない? ――九」

「そうだよね。どこか表情が硬いよね。――十」

「自然な笑顔って、難しいわぁ。いつも、半笑いになるんよね。――ジャック」

「俺は、真顔やのに、怒ってると勘違いされるからなぁ。――クイーン」

「あたしも、眼つきが悪いからなぁ。――キング」

「座布団」

「バレたか」

「分かりやすいよね、南方さん」

「目ぇ泳いでるよ、夏海ちゃん」

「焦ってるのが、丸分かりや」

「仮面でも、被ろうかな。何かあったやろうし」

「中学の卒業アルバムも、結構ひどい写真があるよね。――エース」

「酷くは無うても、おおっぴらに見せたくないものやわね。――二」

「探しとらんで、席に着きや、南方。――三」

「座布団」

「うまく隠せたと思うたんやけどな」

「僕は、気付かなかったなぁ」

「きっと、夏海ちゃんが、三を全部持ってるんと違うかな」

「そうやねん。――四」

「中学の頃は、眼鏡だったから、見られたくないなぁ。――五」

「今は、コンタクトにしてるん? ――六」

「知らんかったんか、西園寺は。――七」

「ずっと知ってるもんやとばかり思うてたわ。――八」

「一週間使い捨ての、ハードタイプだよ。――九」

「座布団」

「残念でした。ジョーカーです」

「嵌められたな、南方」

「引っかかったわね、夏海ちゃん」

「最後の一枚やから、絶対、違うトランプやと思ったのに」

「そうとは限らないさ。勝手に思い込んだら、負けちゃうよ」

「ん? 西園寺の番やで」

「さっきので、手札は出し切ったんやけど?」

「気ぃ付かへんかったわぁ」

「しれっと上がりよって。――十」

「一騎打ちか。――ジャック」

「中学の頃、坊主頭やったよね、春樹くん」

「そうなんだ。ちょっと、見たいかも」

「見せるなや、西園寺。――クイーン」

「座布団」

「残念やったな。クイーンや」

「もう、こうなったらサレンダーや」

「降参、かな?」

「ゲームが違うてるよ、夏海ちゃん」

「しかも、ローカルルールやな」


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