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トリオとコンビ  作者: 若松ユウ
第1部
51/164

第51話「苦手意識」

「会長は、セロリ食べられる派ですか?」

「何や、その派閥は。まぁ、食べられるほうやけど」

「このパンに挟まってる分、食べてくれませんか?」

「こんな薄っぺらいものぐらい、気にせぇへんかったらええのに。どれ、貸してみぃ」

「春樹、副長」

「隊長や」

「よぉ、南方」

「何してるん、春樹?」

「中之島が、セロリが食べられへんって言うから、抜いとったところや。ほら」

「おおきに、会長」

「副長は、セロリがあかんのか」

「誰かって、嫌いな食べ物の一つや二つはあるもんや」

「そうですよ。隊長にも、あるんと違いますか?」

「そうやな。あたしは、ヨーグルトがあかんし、朱雀は、チーズがあかんねん」

「姉弟揃うて、乳製品に弱いんやな。西園寺は、納豆があかんかったんやけど、今でもそうなんかなぁ」

「変わらへんもんやと思いますよ。部長さんは、バナナがあかんって言うてました」

「腸が弱いんやろうか。冬彦くんは、たしか生のトマトがあかんかったわ」

「加熱すれば、ええんか? 俺は、オクラが、青衣はピーマンがあかん」

「ピーマンがあかんかったら、ゴーヤもあかんのと違いますか?」

「どっちも、苦いもんね」

「ところが、不思議とゴーヤは食べるねんな、これが。親や先生からは、好き嫌いせんと、何でも食べなあかんって言われてきたもんやけど」

「給食が無くって、自分で用意するようになると」

「いつも、同じようなものばっかり食べてしまうんよね」

「好き嫌いは、何も食べ物だけに限った話やないわな」

「好きな教科を選べるようになると」

「教科によって、出来不出来の差が激しくなって」

「ばらついてしまうんやな、ものの見事に」

「誰とでも仲良うせんでも良うなったら」

「特定の人間としか、付き合おうとせんようになって」

「視野の狭い人間に、なってしまうんやろうな」

「……空恐ろしい話ですね」

「せやな」

「ほんまやね」

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