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トリオとコンビ  作者: 若松ユウ
第1部
33/164

第33話「喫煙と肥満」


「大石先生。禁煙されたんやなかったんですか?」

「しましたよ、住吉先生。三日ほど」

「三日坊主では、教員として示しがつかへん。弛んどるぞ、大石くん」

「三つ子の魂、百までですよ。分かってはいるけど、止められません」

「そんなことやから、生徒から無責任男というあだ名を付けられるんや。それに、少しは健康のことを考えんといかん。儂と一緒に毎朝、走らんか?」

「それはええと思いますわ、大物先生」

「遠慮します。僕より、野田くんのほうが適任やと思いますし」

「野田先生も、恰幅が良すぎるわねぇ」

「よし。野田くんと走ろうかな」

「そうしてください。僕はホームルームがあるので、この辺で」


「大石先生」

「野田くんやないか。どうした?」

「どうしたも、こうしたもありませんって。大物先生の厄介な思い付きを、俺に押し付けたでしょう」

「僕は、君のためを思うて、そう言うたんやけどなぁ」

「おかげで、毎朝四時起きですよ」

「健康にええ習慣ができたやないか」

「他人事やから、暢気に構えてられるんですよ。当事者には、堪りません」

「野田先生」

「あぁ、西園寺くん」

「これ、今度のホームルームで配る資料です」

「ご苦労さん」

「先生、少し痩せたように思いますけど、ダイエットを始められましたか?」

「野田くんは毎朝、大物先生と走ってるんだよ、西園寺くん」

「へぇ。ここ最近、朝のホームルームで寝惚けた声をしてはらへんなぁという話を、南方さんとしてたところです。そういう訳があったんですね」

「まだ始めたばかりやから、慣れへんけどな」

「絶対に続けたほうが、ええと思いますよ。それでは、失礼しました」

「資料、おおきにな」

「大物先生に、野田くんが迷惑がってたって伝えようか?」

「大石先生。先生は、会話文の読解力が足りてないと思います」

「あいにく、担当は数学科やからな」


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